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競輪人国記〈111〉岡山(5) GI奪取十分「まくりのスペシャリスト」石丸寛之

 まくりのスペシャリストといったら石丸寛之(76期)を置いてない。昨年の西武園・全日本選抜で、まくりの難所といわれるあのバンクを豪快にまくって三宅伸(64期)に初のGI制覇をプレゼントした。
 仕掛けを間違えることもあるが、3角から立て直して届くまくり追い込みは圧巻だ。デビューして14年、ようやくSS級の赤パンツを手に入れた。このままいけば念願のGIタイトル奪取の可能性も十分にある。
 153名の選手を抱える岡山には第二の石丸候補もいる。井上剛(85期)井上辰也(86期)三宅達也(79期)友定祐己(82期)たちはいつ大化けしても不思議はない。中でも大ギアを踏みこなす三宅は、石丸と違って先行タイプだが、まくり脚を磨いてくるとトップクラスの先行選手の位置確保は近い。

 追い込みでは岩津祐介(87期)柏野智典(88期)が岡山の追い込みの伝統を引いてくるだろう。岩津は番手よりも3番手で持ち味が生きる。数少ない中割り得意の選手でもある。
 柏野はこれからの選手。競り、追い込みの切れを磨いてくれば、期待を裏切らないだろう。それにまくり一発の立花成泰(82期)。人気薄では狙い目になる選手だ。
 かつての「かくれフラワーライン」はなくなったが、いつもガッツあるレースをする選手が揃っているのが岡山の特徴である。

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