AIガードマンとは、店内に設置されたAIを搭載した防犯カメラで、来店客の行動をチェックするシステムだ。周囲をキョロキョロ見回したり、オドオドしたりするなど不審者の特定の行動を検知すると、店員のスマートフォンに検知場所や客の写真が通知される。万引きされる前に店員が「いらっしゃいませ」「何かお探しですか?」と声掛けをすることで、事前に万引きを防ぐことができるようだ。
すでにドラッグストアでAIガードマンを用いた実証実験が行われており、年間350万円に上っていた万引き被害を200万円に抑えることに成功しているという。NTT東日本ビジネス開発本部の石川達氏は「半分くらいのロス率を目指していきたい」と抱負を述べた。
ネット上では「判断力がどのくらいなんだろう」「あたりを見回したら駄目なの?」「万引き犯と誤認された客と店員とのトラブルが多発しそう」とAIガードマンの精度を疑う声が多く寄せられた。
また、精度以外にもプライバシーの観点で問題が出てきそうだ。犯罪防止のためとはいえ、個人の顔データが記録され、店員のスマートフォンに画像が送信されるシステムは議論を呼ぶだろう。気軽に買い物を楽しみたい来店客にとっては、あまり気分の良いものではない。
ただ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催される日本ではセキュリティ強化が求められているのも事実だ。AIガードマンのような防犯サービスが駅や街中にも広がる日は近いだろう。
安全性を獲得するために、プライバシーを犠牲にしてもいいのか。議論を進める必要がありそうだ。