『dele』の放送時間帯は、『家政夫のミタゾノ』『トリック』『時効警察』など、多くのヒット作を生み出した“金曜ナイトドラマ枠”であり、俳優陣やスタッフなども豪華であることから、「ヒット間違いなし」と言われていた。しかし、視聴率が振るわず、第1話の視聴率が5.5%、第2話が3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、“少し寂しい結果となった”とメディアで騒がれている。これには理由があるという。
「見逃し配信の存在ですね。“テレ朝動画”、“TVer”、“AbemaTV”、“GYAO!”など、テレビ以外のコンテンツに向けても配信しているため、視聴者がバラけてしまっているようです」(テレビライター)
しかし、SNSを見てみると視聴者の反応は「思った通り面白い」「海外ドラマっぽい」「2人が最高すぎる」とすこぶる良く、そのセンセーショナルな内容から“映画化されるのでは?”という声もささやかれているほど。過去に低視聴率でも、再放送やDVDの売り上げなどで評判がよく、続編が製作された『古畑任三郎』(フジテレビ系 ※1994年〜2006年放送)や映画が製作された『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS系 ※2010年〜2013年)などに続くかもしれないと言われているのだ。
紹介したドラマと比べて違うのは、“視聴者(ネット)の声”と“視聴率の重要性”が変化しているところにある。忙しい現代社会で、オンタイムでドラマを観る人は少なく、もはや視聴率を人気の指標にすることは古いのかもしれない。視聴率が悪くても、見逃し配信サイトのランキングでは視聴数の高い作品もあるし、可視化されているネットの声を無視するわけにはいかない。
業界人以外の一般人でも視聴率に惑わせられている人も多いが、必ずしもドラマの良し悪しと比例するわけではないといえる。しかし、スポンサーの指標である以上、無視できないのも事実だろう。