「長門は、最近では南田さんへの献身的な介護生活を本にしたりドキュメンタリー番組に売り込んだりと批判されたが、あの時の大バッシングと比べれば全く気にならないはず。あの一件で長門の精神力はかなり鍛えられた」(ベテラン芸能記者)
南田さんが亡くなり、今やすっかり“悲劇の夫”となった長門。そんな彼が衝撃の暴露本を世に送り出したのは、南田さんとの結婚から24年経った85年10月だった。
「表向きには、妻への告白、という形での発売だったが、中身は強烈だった」(同)
その暴露本とは「洋子へ 長門裕之の愛の落書集」(データハウス刊)。まず、芸能界入りしてからの自らの女性遍歴だが、「ぼくの“浮気の虫”が、地中深く潜って冬眠していたのは、(南田さんとの)2年間の同せい期間だけ」「結婚後、100人以上とヤッた。8割は有名女優。結婚前日の女とヤッたら処女だった」「つい先日、2時間ものの単発ドラマを2本続けて見たら、コマした女が7人も出ていた」とつづっているから、当時どれだけモテたかは想像に難くない。さらに「元女優の某国会議員との性描写は官能小説顔負けだった」(出版関係者)という。
さらに、自分が社長の所属事務所を辞めた某清純派女優について、「ギャラでもめて辞めてったんだけど。男性関係がルーズでずいぶん泣かされちゃった」「ロケ先のホテルで相手役の俳優の部屋に泊り込んじゃって、とうとう朝まで帰ってこない」など奔放な下半身を暴露。さらには、ほかの芸能人の実名を挙げ、強烈なエピソードを書き連ねたのだが…。
「実名を書かれた女優らが強く反発し、版元は初版を回収。問題個所を書き直して改訂版が発売された。これを受けて、長門は『ゴーストライターによる口述筆記だったため真意が伝わらなかった』などと弁明。ワイドショーの取材を受けた長門が『こんな本はダメです!』と、自著を机に叩き付ける場面がテレビで放送されたりもしたが後の祭り。一時期、芸能界から干された」(同)
絶版となった同書の原価は税込み924円だったが、現在、インターネットオークションでは3000円から4000円で取引されている。
この本からもうかがえるが、いろんなことを乗り越えてきた夫婦だけに、亡くなった南田さんに対する長門の思いも深いのだろう。