現在、『日本男児』とあわせて“深夜の中居”を堪能できるのは、月曜深夜の『中居くん決めて!』(TBS系)。昨年10月、前身番組の『なかい君の学スイッチ』から完全リニューアルされて始まった同番組。“なかい君”が“中居くん”になって変わったのは、最終結論が中居ただひとりに委ねられるようになった点だ。
番組では、中居に相談するか選択を委ねたい人を有名・無名問わず募集。選ばれた人は、VTRを交えて事情を説明しつつ、中居と準レギュラーメンバー、ゲストがいるスタジオでは伊東楓TBSアナウンサーが本人の自画像、年齢や職業、相談内容などをホワイトボードに板書する。相談者は、別室のブース「決めて部屋」に登場し、トレンディエンジェル・たかしが部屋で寄り添う。
この“中居版駆け込み寺”には、これまで多くの相談者が訪れた。昨年12月には、にゃんこスター・アンゴラ村長が、相方で同棲中の彼氏、スーパー3助についてガチ相談。同棲&コンビ解散危機にある状況を赤裸々に明かしたが、結果、元サヤに収まっている。
ほかにも、社会現象となった映画『カメラを止めるな!』の端役女優、人気YouTuber、“2000人に1人の美少女”、自主CDを踏みつけられてワイドショーに取り上げられたストリートミュージシャンなど、何かと話題のタレントが登場。その一方では、深夜帯ならではの悩みもしっかり押さえる。大きすぎる胸に悩むグラドル、お尻が汚いグラドル、アダルトチャットのチャットレディー、風俗をやめられない女性らが、苦しい胸の内を明かした。
5月からは、かつて独特すぎる悩みを打ち明けた女性芸能人たちが、その悩みごとをプリントしたTシャツを着てひな壇に座る集団「決めたガール」となって登場。胸元には、“手ブラーマンで破談”、“奨学金借金地獄”、“パパ&兄と一緒にお風呂”など、パンチの効いた言葉が並ぶ。
中居は、そんな悩みにも真摯に乗ってきた。ピン芸人・椿鬼奴の夫婦問題には、「すり減らすことによって、お互いの絆みたいなものは大きくなるんじゃないか」と進言。先のアダルトチャットレディーには、「違う汗のかき方をするってことも大事なんじゃないかな」と優しく説く。その姿は、さながら和尚だ。
「分かんない」、「重すぎる」、「決められない」と決め打ちするのを避けることもある。また、SMAP時代の秘話も包み隠さず告白する。デビュー直後はお金がなく、ガソリンスタンド、そば&うどん屋でアルバイトをしたことがある、グループ時代の作詞は「適当」、歌唱時は「口パクだった」こともちゅうちょなくぶっちゃける。
相談にはマジメ。自分には自虐。この絶妙なバランス感覚こそが、中居である。
(伊藤雅奈子)