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押尾事件余波 警視庁狙うX氏との関係

 合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬取締法違反の罪で起訴された俳優の押尾学被告(31)の初公判が23日に東京地裁で開かれる。一緒に服用した飲食店従業員の女性(30)が死亡しており、保護責任者遺棄致死などでの再逮捕もあるといわれるが、事件の余波は思わぬところに飛び火した。

 起訴状によると、押尾被告は東京都港区の六本木ヒルズのマンション一室で今年8月2日、MDMAの錠剤を若干量飲んだとされる。その際、同マンションで一緒にいて死亡した女性の異変に気付いてから通報するまでに約3時間かかっており、警視庁は保護責任者遺棄致死や過失致死での立件を視野に入れ、押尾被告や現場に駆けつけた元マネージャーを任意で事情聴取した。
 「押尾被告は事件当時所属していたエイベックスからすでに解雇されているが、元マネージャーもすでにエイベックスを退社。元マネージャーは女性の携帯電話を現場マンション植え込みに放置し証拠隠滅を図った疑いを持たれて事情聴取された。押尾被告よりも先に逮捕されるという情報もあった」(警視庁担当記者)

 エイベックスは、事件関係者の押尾被告と元マネージャーをすでに解雇。さらに「顧問に元警視総監らを迎え、企業防衛を図り、押尾被告の事件の広がりを押さえ込んだと思われていた」(同)というが、思わぬところで事件の余波が飛び火してしまったようだ。
 「押尾被告事件の背後には自民党の大物議員の影もうわさされ、女性の死亡事件についてはうやむやにされたかと思われた。しかし民主党への政権交代で状況に変化が生じた。押尾被告の事件と同時並行して、エイベックスのトップ側近で、闇社会との太いパイプを持つとされるX氏がマークされている。X氏は昨年、総会屋を監禁どう喝したと一部週刊誌で報じられたこともある」(週刊誌記者)
 そして、早くもX氏の関係で逮捕者が出た。
 「東京地検特捜部は20日、人気AV女優の麻美ゆまが以前所属した(現在、グループ内の別の事務所に在籍)芸能プロ・ミューズコミュニケーション(東京都目黒区)が約3億1500万円の法人所得を隠し、約9200万円を脱税したとして、法人税法違反(脱税)容疑で同社社長中川雅雄容疑者を逮捕。同社の実質的オーナーはX氏で、さらに逮捕者が出ることになりそう」(同)
 押尾被告の周辺が何やらきな臭くなってきたが、たとえ死亡した女性の件で再逮捕されなくても、彼にとって、事件はまだまだ終わらないという。
 「女性の遺族から億単位の民事訴訟を起こされることになるだろう。公判が終わったら、タニマチのパチンコ機器メーカー会長のはからいで、海外で音楽活動をするという話もあるが、民事訴訟に追われ、それどころではないはず」(同)
 押尾被告の起こした事件の波紋はまだ広がりそうだ。

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