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セキュリティのスペシャリストに聞く「無線LANを安心して使うために知っておきたいこと」

 突然だがあなたは今このサイトにどこからアクセスしているだろうか。外出先の公衆無線LANや家庭内の無線LANルーター? もしそうならば、一度は聞いてもらいたいお話。

 昨年末に都営地下鉄と東京メトロの143駅で無料サービスがスタートするなど、近年、利用できるスポットが急速に増え続けている無線LAN(Wi-Fi)。外出先でも無料で使えて便利な半面、思わぬところでサイバー犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあるという。

 トレンドマイクロ株式会社シニアスペシャリストの高橋昌也氏によると、タダで使えると思って「Free」や「Public」などの名前が付いたパスワードがかかっていない無線LANに接続すると、ウイルスに感染させられたり、不正アクセスを受けたりする危険性があるという。

 「最近特に気をつけてほしいのがアクセスポントの“なりすまし”です。パソコンやスマホから無線LANを利用すると接続先のアクセスポイント一覧が表示されますが、実はここに出てくるアクセスポイントの名前は誰でも自由に付けることができてしまうのです。しかも、この一覧は電波の強い順に自動で表示されるようになっているのです」

 その会社と全く関係のない第三者が『Free_Metro_Wi-Fi』といった本物らしいアクセスポイントを立ち上げて、そこにアクセスしてきた人たちの個人情報を盗み見ることもできてしまうのだ。接続先一覧の上位に表示された、いかにもそれらしい名前のアクセスポイントに、安易に接続してしまった経験はないだろうか。

 無線LANの思わぬリスクは外出先に限らない。家庭内で使われている無線LANルーターでも注意が必要だ。無線LANの電波は簡単にマンションの別の階や隣の家にまで届いてしまう。もちろんネットワークにはパスワードをかけて他人がアクセスできないように設定していると思うが、正しい設定をしていなければ効果は少ない。

 「無線LANルーターに接続するセキュリティ設定(暗号化)の覧が『WEP』になっている人は、いますぐ『WPA』や『WPA2』に変えてください。『WEP』は古い暗号化規格で、海外サイトで入手したフリーソフトを使えば一般人でも簡単にハッキングできてしまうのです」

 このようなサイバー犯罪に遭わないためにも、無線LANを使う際には以下の点に注意してほしいと高橋氏はアドバイスする。

 「怪しいアクセスポイントには接続しない。スマホはWi-Fiの自動接続設定を解除しておく。住所や氏名などの個人情報は『https』から始まるサイトにだけ入力する。これら必要最低限のセキュリティを守って安心してネットを楽しんでほしいですね」

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