打線に元気のなかった横浜だが、3本塁打と一発攻勢で連敗を5でストップした。監督代行昇格2試合目にして、初勝利を手にした田代監督代行は「ウイニングボールを手渡されても、うれしいんだけど、先のことを考えるとね」と本音をもらした。
初勝利を手放しでは喜べない。クローザーに不安を抱えているからだ。今季は抑えの石井裕也が不調のため、現在は山口俊が務めている。だが、ここまで2度救援に失敗しており、安定感に欠く。
この日も9回に登板し、先頭打者にいきなり四球。1死後にヒットを許し、一、二塁のピンチを招いた。踏ん張りきれずに逆転を許すのがここまでのパターンだったが、後続を断ち切り2セーブ目を挙げた。
実はこの場面で、一塁手の佐伯貴弘が山口にゲキを飛ばしていた。
「(山口は)自分で変な壁を作っていたから、それを取っ払ってやりたかった。『お前が緊張したら守っている人間もカチカチになる。それがストッパーの宿命やから』って」と明かした。
これには山口も「初心に戻って投げました。最初から厳しいところを攻めるんじゃなくて、とにかく腕を振って」と自信を取り戻したという。
◎村田、2年連続本塁打王の意地
キングは譲らん! 2年連続本塁打王の村田修一が、決勝のソロ本塁打を放ち勝利に貢献。量産体制に入った。
田代監督代行が貧打に苦しむ打線のテコ入れをしたが、4番の村田だけは打順をいじらなかった。その信頼に応えるように1点を先制され迎えた2回、初球を振り抜くと打球はライトスタンドへ。
「久しぶりに初球からバットを振ったら、うまくボールが当たってくれました」と14日以来となる6号ソロを振り返った。
積極的に打ちにいく“田代イズム”が早くも結果となって表れている。これで5月に入り、5本目。ケガで出遅れた分を取り戻そうと打ちまくっている。