現在の島耕作は72歳であり、これは来月9日に誕生日を迎える作者と同じ設定となっている。1983年に『課長島耕作』として始まった連載は、その後、部長、取締役、常務、専務、社長、会長と順調に出世を重ねてきた。さらに、その間に学生時代、就活、係長といった過去を振り返る作品も登場している。相談役は「運営上の諸問題について適切な助言や調停をするためにもうけられる役職」であり、会社員としては、最終的な上がりのポジションに当たる。
これを受け、ネット上では「島耕作大喜利」と言うべきものも見られている。「そのうち死んだあとも、『初七日島耕作』とか『四十九日島耕作』とか出てきそう」「会社員の島耕作じゃなくて、定年後に何もすることがない抜け殻のような『無職島耕作』が見たい」「不倫してたから『老いらくの恋島耕作』とかもありそう」といった声が聞かれた。また、もはや会社員ではなくなった『総理島耕作』『宇宙島耕作』といった名前も挙がっており、スケールの拡大に期待する声もあるようだ。この「島耕作大喜利」は、出世をする度にネット上をわかせているネタであり、「課長から現在までちゃんと読んでいる者だけが,島耕作大喜利に参加しなさい」といった厳し目の声も聞かれた。
さらに、島耕作シリーズは長く続いているため、さまざまなスピンオフ作品がオフィシャルでも作られている。2017年には、『金田一少年の事件簿』の樹木伸原作による『島耕作の事件簿』が登場し、2019年には、小説『転生したらスライムだった件』の漫画版のコラボ企画として、『転生したら島耕作だった件』が掲載され話題となった。
作者の弘兼氏は「描けなくなるまで続ける」とも明言しており、必ずしも「相談役」が最後の作品とは言い切れない。これから島耕作シリーズがどう展開して行くかにも注目だろう。