大城にとって侍ジャパントップチーム選出は初めて。立教大学時代の2013年に日米大学野球選手権大会に日本代表として出場している。大城は沖縄の興南高校で、春夏連覇に貢献。立教大学に進学すると、東京六大学野球で、明治大学の高山俊(阪神)とし烈な最多安打争いを演じ、当時の大城は「ライバルは高山」と高山を意識していた。学生時代は名遊撃手として、ベストナインにも選ばれている。2015年のドラフト会議で、センターラインを強化したい球団の意向もあり、ドラフト3位でオリックスに入団。ポスト安達了一の筆頭として1年目から積極的に起用されている。
プロでは学生時代に守ったことがない外野や、セカンドでも起用されユーティリティプレーヤーとしての才能も開花させた。特に肩の強さを首脳陣から評価されており、二遊間に大城が入ると、併殺率が高いというデータもあるという。バッティングは「プロの球に慣れてきた」こともあり、年々粘りのあるバッティングと逆方向への強い打球を打てるようになっており、今年の春季キャンプでも力強いバッティングを披露していた。
「野球をしている間に一度は入ってみたいと思っていましたし、選んでいただき光栄に思います。嬉しいというより、今は驚きの方が大きいですね。ミスを恐れず、“走・攻・守”全てにおいて積極的に自分のプレーをしたいと思います。日本のトッププレーヤーが集まりますので、いろいろな人から話を聞いて、吸収できることをどんどん吸収したいです」
既にオリックスからは、大城と同級生の主砲、“マッチョマン”吉田正尚、ピッチャーから“フューチャー・エース”山岡泰輔、“神童”山本由伸の猛牛三銃士が選出されているため、オリックスからは4選手が出場することとなった。東京オリンピックに繋がる大会にもなるだけに、“琉球の強肩”大城滉二は「頑張ります」と一言だけ力強い言葉を寄せてくれた。なお、今回選出されている日本ハムの清宮幸太郎内野手も、3日のDeNAとのオープン戦の打席中に右手に違和感を訴え、都内の病院で精密検査を受けた結果、右手有鈎(ゆうこう)骨の骨折と診断されたため、さらなる追加招集が予想される。田中、清宮の穴を内外野守れる大城が埋めるぐらいのアピールをして、シーズンはもちろんその先にあるプレミア12、東京オリンピックに繋げてもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真 / 垪和さえ