道中はポツンと最後方。人気薄の気楽さからか、自分の競馬に徹したタガノエリザベートが大金星をもぎ取った。うなるような末脚で15頭をごぼう抜き。ゴール前で粘るベストクルーズを交わした瞬間、鞍上・川田が、右のこぶしを握り締め、小さくガッツポーズを決めたシーンが印象的だった。
「4角で楽な手応えだったので、うまくいけば突き抜けるかなと思った。それにしても、ビックリするような脚だったね」とジョッキーは満面笑みでレースを振り返った。
ラスト3F33秒5は、もちろんメンバー最速。前々で展開したベストクルーズ、ラナンキュラスなどが掲示板に残った結果からも、いかにその切れ味がズバ抜けていたかが分かる。
愛馬の思わぬ(?)激走に、松田博調教師も「次走? 一応、阪神JFを考えているが、馬の状態を見てからやな」と照れ笑いを浮かべながら話した。
新馬Vの後は、ききょうS→デ杯2歳Sで(5)(6)着止まり。底割れの感を見せ始めていたなかでの逆転勝利の要因は、乗りかわった川田との相性か、それとも京都芝1400メートルへの適性か。いずれにしても、ニューヒロインの誕生で2歳牝馬戦線は混とんしてきた。