中田カウス・ボタンは1967年結成、芸歴50年を超える大ベテランである。大阪の吉本興業の劇場であるなんばグランド花月(NGK)では、大トリを務める。
ベテランコンビといえば、何か取りざたされがちなのが不仲説である。長い間、一緒にやり続けることでギクシャクとした関係に陥ってしまうのだ。先ごろ放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)では、「芸人の解散ドッキリ、師匠クラスの方が切ない説」で取り上げられた、プライベートで8年間会話のない、おぼん・こぼんの不仲ぶりは話題となった。中田カウス・ボタンの場合はどうなのか。
「中田カウス・ボタンはベテランコンビとしては珍しく、コンビ仲は非常に良好なようです。もともとカウスがアルバイトしていたバーの常連客がボタンであり、カウスからボタンを誘う形でコンビが結成されました。そのため、ボタンにとってはカウスが芸の師匠のような立ち位置のようですね。さらに、コンビ仲が変化することもなく、解散危機に陥るような“大きなケンカ”もなかったようです」(芸能関係者)
中田カウス・ボタンが良好な関係を築く一方で、吉本興業の同世代のコンビは不仲が多かった。
「“アホの坂田”こと坂田利夫と前田五郎が結成していたコメディNo.1は、中田カウス・ボタンに同じく1967年結成ですが、2009年に解散しています。ただ、コンビでの活動は舞台に限られ、坂田はピン芸人扱いでテレビには出演していました。2人はプライベートでの付き合いはほとんどなく、吉本を代表する不仲コンビだったといわれています。“やすきよ”こと横山やすし・西川きよし、オール巨人・阪神も不仲コンビとして有名でしたね」(前出・同)
一部では「変に馴れ合わない不仲でこそ芸人として面白い」といった見方もあるが、中田カウス・ボタンのようにお互いを信頼し50年以上漫才を続けられる関係こそ、もっとも理想的ともいえよう。