若葉S組といえば、ノーリーズン(2002年)、ヴィクトリー(07年)など、本番でアップセットを演じてきた。ベストも同様に重賞勝ちこそないものの、直線に坂のある2000メートルではいまだ負けなし。宮本調教師も「今まで在籍した馬とはモノが違う」とほれ込む逸材だけに、決してノーチャンスではない。
ここにきての成長ぶりも見逃せない。「以前はレース後の疲れが大きかったが、使うごとに腰、トモに力がついてたくましくなった」と宮本師。体質が強化されたおかげで、よりいっそう負荷をかけたケイコができるようになった。
レース後も順調そのもので、先週(8日)は坂路で800メートル53秒7と全体時計こそ目立たないが、ラスト1F12秒2の切れ味は際立っていた。
「この前のレースが楽だったので、疲れは残らなかった。馬主に『今回は勝負してくれ』と言われているので、直前、ビッシリやって完ぺきに仕上げる」
3強に対しても指揮官はまったくひるむところがない。「その3頭が前に行ってペースが速くなれば、ウチの馬にとっては待ってましたの展開。今、厩舎に勢いがあるし、何とか結果を出したい」とキッパリだ。
穴をあけるとしたら、この馬しかない。
【最終追いVTR】四位騎手を背に坂路で追われ、800メートル52秒6→37秒8→12秒2。行き出しから軽快なリズムで徐々に加速。ゴール前での仕掛けには、クビをグッと下げ、シャープに脚を伸ばした。状態はパーフェクトに近い。