4月半ば、原辰徳監督(60)が早くも“コーチの配置換え”を行ったのは、既報通り。ブルペン担当だった水野雄仁コーチ(53)をベンチに待機させ、宮本知和コーチ(55)と合わせて「投手コーチを両脇に置く」異例の布陣に変更させたのだ。
投手担当のコーチを複数置くチームは多い。「一人は参謀役としてベンチに、もう一方はブルペン」と割り振るのが一般的だが、原監督はそれをやめた。両投手コーチをベンチに置き、代わってバッテリー担当の相川亮二コーチにブルペンを仕切らせることにした。
「救援投手陣に不安があるからです。僅差のゲームを守り切れず、落としてしまう試合もあるので」(スポーツ紙記者)
リリーバーに一抹の不安があることは開幕前から指摘されていた。本来の目的は、担当コーチの配置換えでチームに喝、そして緊張感を与えることだろう。
目下、巨人ブルペンを支えているのは、野上、田原、戸根、中川、高木といったところ。野上はともかく、他投手は経験値が少ない。そこで、期待されるのがスコット・マシソン(35)だ。来日8年目、393試合に登板したベテランのセットアッパーである。奪三振の山を築く圧倒的なピッチングスタイルではないが、マシソンが復活すれば、ブルペン陣の刺激になるのは間違いない。
「リハビリと病気で出遅れましたが、今月半ばには実戦登板できる見通しも立ちました。本人が投げられると言えば、たとえ二軍戦で結果が出なくても一軍昇格となるはず」(球界関係者)
マシソンは年間70試合にも登板したことのあるタフネス右腕だ。相手打線をパーフェクトに封じ込むピッチングはできないが、彼が必要とされる理由はいくつかある。
「連投の調整ができることです。リリーフ投手は試合の勝敗に関係なく、試合状況を見ながら登板の準備をしなければなりません」(前出・同)
マシソンは来日した当初から日本のやり方になじもうと努力してきた。日本独自の長時間の全体練習も受け入れ、クイックモーションやけん制の練習にも多く時間を割いてきた。こうした努力は巨人選手も認めている。
「リリーバーは登板ギリギリまで投げ込み練習をしますが、彼は10球程度のキャッチボールでマウンドに行けるんです。手抜きでもなければ、生まれつき体が丈夫なわけではない。ストレッチや柔軟体操などボールを使わなくても登板の準備ができるんです」(前出・同)
登板準備は、人それぞれ。しかしいかに投球練習を少なくしてベストパフォーマンスに持って行けるかも、連投が避けられないリリーバーにとっては大事なことだ。経験値の少ない田原、戸根、中川、高木らは、マシソンの調整を身近で見ることで見習うべき点も多く見つかるはずだ。
リリーフ陣に不安材料の多い現状を変えるにはどうすればいいのか。「巨人が新しい外国人投手を緊急獲得するらしい」という情報も交錯しているが、現有戦力を底上げする手段はいくらでもある。
来日8年目のマシソンはもっと評価されてもいいのではないだろうか。
(スポーツライター・飯山満)