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漫画村の1番の被害者は読者?海賊版サイト遮断措置に加えて、漫画界も変革を

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画像はイメージです

 4月18日に放送された『クローズアップ現代+』(NHK)では、著作権に詳しい弁護士が出演し「漫画村」をはじめとした海賊版漫画サイトへの今後の対策を語った。

 現在、漫画村はアクセスできない状況にあるが、海賊版漫画サイトは200以上あるとも言われている。弁護士の福井健策氏は「仮に(漫画村が)閉鎖されても、後継サイトが現れてイタチごっこになる」と強調。漫画村を規制するだけでは不十分で、海賊版サイトをなくすには抜本的な法整備が必要だと話す。

 政府が「漫画村」「AniTube」「MioMio」などの海賊版サイトを対象に、一般の人がサイトを閲覧できないようにする“サイトブロッキング”を検討している点については「海賊版の遮断措置というのは、EUなど42カ国で導入され、効果が報告されている」とした。一方「新たな技術はどんどん生まれている。一つの対策では絶対的な対策になりえない。異なる立場の人が加わって対策や、あるべき姿を議論する“フォーラム”のような場が必要」と、先を見据えて議論する機会が必要だと福井氏は語った。

 最後には、「漫画はクリエイターたちにとって生存の糧。もし、クリエイターたちの生活が成立しなくなれば、漫画は生まれない」とキッパリ。「海賊版の最大の被害者は読者自身だ」と漫画家の権利を守るべきと訴えかけた。

 一方、過去のインタビューで『やれたかも委員会』の著者・吉田貴司氏は「海賊版は潰すべきではなく、(海賊版と)ビジネスで競争して勝つべき。法的措置や閉鎖させる運動は全く意味がなく、逆効果」と、読者がより喜ぶサービスを提供する必要性を説いていた。

 吉田氏は「出版社の漫画本と、電子書籍の売り方は果たしてベストなのか?」と問題提起している。「なんで紙と電子が同じ値段なの?売り方が20年変わってない。コミックのビニールカバーひとつ外せない。そりゃお客さんは離れても当然」と時代に合わせた漫画の売り方をしてこなかった出版社を批判していた。

 今回の漫画村の騒動は、これまで意識されることがなかった漫画家の権利保護はもちろん、漫画の売り方を見直すきっかけになるかもしれない。

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