東京都目黒区に住む会社員の中元志織さん(24)を殺害し、バラバラにして遺棄したとして、10月25日に死体遺棄容疑で警視庁に逮捕された、元交際相手の佐賀慶太郎容疑者(埼玉県川口市・無職=50)だが、事件前後にインターネットで「殺人 起訴 犯罪」など犯行を匂わせるような言葉を検索していたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。また、その自暴自棄ぶりも次第に分かり始めている。
「中元さんへの数々のストーカー行為から、警察の介入により彼女に会えなくなった佐賀容疑者は、9月16日夜、マンションのオートロックをかいくぐって中元さんの住む10階の廊下で帰宅を待ち伏せ、一緒に部屋に入り込んだのです」(捜査関係者)
中元さんはその時、強い口調で「一度逮捕されているのに、何でまた来たの!?」と言い放ったという。
「それに逆上した佐賀容疑者は、粘着テープで彼女をぐるぐる巻きにし、部屋にあった果物ナイフで左脇腹を刺し殺害。遺体を10部位に分け、主に内臓はトイレで流し、それ以外を埼玉県戸田市の荒川や千葉県野田市の利根川に捨てたといいます」(社会部記者)
中元さんは広島県から2年前に上京し、当時、キックボクシング選手を夢見て昼は練習、夜は埼玉県川口市の飲食店でアルバイトをしていた。客として現れた佐賀容疑者と出会ったのは昨年11月。佐賀容疑者は妻帯者だったが、2人は今年3月まで東京都大田区のマンションで同棲していた。
「ところが、別れることになって中元さんが5月に転居したのですが、そこから佐賀容疑者のストーカー行為が始まった。7月16日には中元さんに対する暴行容疑で逮捕され、警察に『中元さんに近づかない』という上申書を提出、27日に釈放されている。その際、罰金10万円の略式命令を受けたのですが、8月3日には中元さんに『200万円を返せ』との内容証明を送りつけ、再びストーカーに走ったのです」(夕刊紙記者)
佐賀容疑者は、一方で、今年4月、約10年前に結婚した妻に、一方的に離婚を告げていた。
「しかし、妻が家を出て9月初めに離婚が成立すると、寄りを戻したいと言い出していたという。中元さんも妻もいなくなり、孤独に耐えられなくなったのか。逮捕前の10月20日、事情聴取を受けた佐賀容疑者は、手首を切って自殺を図っている。結局、それが逮捕の決め手となったのです」(同)
警視庁は佐賀容疑者の供述に基づいて、10月26日から千葉県野田市の利根川でダイバーによる捜索などを始めた。
“執着と嫉妬と殺意”どうして同様の事件が起きるのか、社会と人間の歪みが垣間見える。