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芸能 2015年12月07日 11時45分
M-1グランプリ2015 “ハゲ”しいバトルを勝ち抜いたのはトレンディエンジェル
6日に行われた『M-1グランプリ2015』で、3,472組の頂点に輝いたのは、トレンディエンジェル(たかし&斎藤司)だった。敗者復活戦を制し、ごぼう抜きの圧勝だった。 準決勝戦を勝ち抜いて、すでに正面突破で決勝舞台に立っていたのは、メイプル超合金、馬鹿よ貴方は、スーパーマラドーナ、和牛、ジャルジャル、銀シャリ、ハライチ、タイムマシーン3号。5年ぶりの復活にふさわしく、結成わずか3年のメイプルから、参加資格結成15年以内(※今年に限り10年以内から拡大)のギリギリだったタイムマシーンまで、いずれも高いクオリティーだった。 ファーストラウンドでは、ジャルジャル、銀シャリ、トレエンの3組が勝ちあがり、ファイナルラウンドで2本目のネタを披露。審査員は、歴代“M-1”覇者の片方で全9人。そのうち、パンクブーブー・佐藤、NON STYLE・石田、サンドウィッチマン・富澤、ブラックマヨネーズ・吉田、ますだおかだ・増田、中川家・礼二の6人がトレエンに投票して、11代目王者に輝いた。 敗者復活の結果発表からわずか10数分で人生を変えた斎藤は、「ここ30分くらい記憶がない」と告白。「いつも通りの自分を貫けた。あと、今日も変わらずハゲていた」と、ユーモアたっぷりに勝因を語った。また、喜びを伝えたい人に「父」を挙げ、「教育パパだったけど 僕は中学受験の前の日にゲームをやったりして、親父の希望どおりの子どもになれなかった。こういう賞をいただけたのは親父冥利…? に尽きると思います」と感激した。 また、メイド喫茶が大好きなたかしは、「メイドと常連たちに(優勝を)言いたい」と、らしいコメント。これまで、某コンテストで手にした記念品を2つメイドにプレゼントしてきたため、「このトロフィーはメイドさんにあげてもいいですか?」と、斎藤に確認する場面もあった。「(“M-1”は)学生のころから観ていたので、(優勝の)実感は沸いてない」と笑顔を見せた。 なお、準優勝は銀シャリ。司会は、5年前と同じ今田耕司と上戸彩で、ママになった上戸の仕事復帰でもあった。(伊藤雅奈子)
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アイドル 2015年12月07日 11時40分
HKT48 指原莉乃がAKB48のレジェンドメンバーに歓喜「何曲か客席で見せてもらったの。指原が好きだったAKBがいた」
アイドルグループ、HKT48の指原莉乃が、AKB48の10年祭りに出演。多くの卒業生が参加した同イベントに歓喜した。 AKB48に加入前から同グループのファンであった指原は、「ああ、感動した。何曲か客席で見せてもらったの。指原が好きだったAKBがいた。ちょっとだけ全国ツアーでみたAKB。劇場公演にならんで観たAKB。ああー胸がいっぱいだ」と喜び、そして、「指原はねぇ! 佐藤ゆかりさんにねえ! ゆかりんさんが当時好きだったしいたけのストラップを送ってねえ! ブログにのせてもらったことあるんだからね!! 自慢!! AKB入る前!!」とヲタ時代の思い出も綴った。 また指原は、「10周年イベント、ともちんさん(板野友美)のレッスン着と横山(由依)のレッスン着が被るという事件発生」との舞台裏も披露していた。
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芸能 2015年12月07日 11時29分
M-1グランプリ2015・敗者復活戦 “頭ひとつ飛び抜けた”トレンディエンジェル
5年ぶりに復活した漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2015』(ABC・テレビ朝日系)の敗者復活戦が6日の午後、東京・六本木ヒルズどんばれアリーナで開催された。決勝進出者の8組はすでに決定しており、準決勝で敗れた全20組から1組だけが生還して、最後の9組目として決勝舞台に立つことができる。 極寒の野外で行われるのが名物で、過去には、当時はまだまったくのノーマークだったスピードワゴン(02年)、アンタッチャブル(03年)、ライセンス(06年)、オードリー(08年)らが実力で制して、翌年以降、一気に仕事を増やしている。そして、“M-1”史上最大の衝撃といえる07年には、サンドウィッチマンが超ダークホースから、まさかの激勝。文字どおり、M-1ドリームを手にしている。 今年は、“M-1”経験者のナイツ、東京ダイナマイト、モンスターエンジン、POISON GIRL BAND、ダイアンらが激戦を展開。持ち時間は、3分。ネタ順は準決勝戦で低い点数だった組からで、ラストを締めくくったさらば青春の光が、予選を9位で通過した格好。決勝舞台を目の前にして、悔し涙を飲んだわけだ。 審査員は、一般視聴者。ホームページから1人1組を投票できる新システムを採用し、お茶の間の笑いが最終結果にそのまま反映された。その結果、3位のナイツ(23,742票)、2位のとろサーモン(23,916票)を大きく引き離したトレンディエンジェル(39,753票)が1位に輝いた。学校の成績に、おなじみの頭皮ネタを混ぜた安定したネタで、まさに“頭ひとつ飛び抜けた”形だ。 トレエンといえば、10年の“M-1”が終了後にスタートした『THE MANZAI』(フジテレビ系)で、11年と13年に認定漫才師になり、12年に決勝戦に進出。“M-1”なきあとに頭角を現した新時代の漫才師だが、ここにきて再び千載一遇のチャンスをゲット。真の実力者であることを証明した。(伊藤雅奈子)
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芸能 2015年12月07日 10時53分
内野聖陽 「すごい映画に参加できた」
5日映画『海難1890』の舞台あいさつが都内の丸の内TOEI1で行われ、主演の内野聖陽、忽那汐里の他、トルコから来日した俳優・ケナン・エジェ、アリジャン・ユジェソイ、監督の田中光敏氏らが登壇した。 同作は1890年にトルコの軍艦「エルトゥールル号」が和歌山沖で座礁した事件と、その95年後に、イラン・イラク戦争でテヘランに取り残された日本人をトルコ人が救出した話を題材としており、時代を超えた両国の絆を描く感動作となっている。 エルトゥールル号の乗組員を介抱した医師役を演じた内野は、「ひとことではいえないハードな撮影でした」と同作の撮影を振り返る。また、本作が日本とトルコの合作であることから「すごい映画に参加できたとひしひしと感じました」と心境を語った。 2つの時代でヒロイン役を演じた忽那は「日本とトルコ両国が協力しながらこうして完成に至りました。日本だけでなくトルコ、世界中のいろんな方々にみていただきたいです」とアピール。さらに、「トルコでは(エルトゥールル号は)小学校5年生で教わる話なんです。日本ではなかなか教育としては学べない分、作品に込められたメッセージを考える入口になってほしい」と話した。 トルコから3度目の来日となるエジェは「この映画のテーマは、今日、世界中の人々に改めて思い起こされるべき非常に大切なものです。自己犠牲、感謝、愛というテーマが、次世代に伝わることも、この映画は重要な役割を担っています」とコメント。さらに、再会を果たした内野に対しては「内野さんとご一緒できて、とても楽しい撮影ができました。一緒に素晴らしいシーンを作り上げることができたと思っています」と感謝の言葉を送った。 また、映画の内容にちなんで「『真心』とは?」という質問があったが、そのことに関して内野は「何かをすることで見返りを求めない。邪気を持たない純粋な心」と回答。しかし、「ここ(壇上に)ヒット祈願でいたりするんですけど、邪気ありまくりですね」と苦笑した。(雅楽次郎)
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アイドル 2015年12月07日 10時51分
AKB48 劇場オープン10年祭 高橋みなみ「チケットを捨てずにいてくれた皆さん、本当にスゴイ!」
2008年発売の「AKB48 2nd Anniversary スペシャルフォトアルバム」に添付されていた、AKB48劇場オープン10年記念イベントの招待チケット。約8年の時を超え、そのチケットが使われるイベントが開催され、当時から応援していたファンとの約束を果たすこととなった。 会場となった都内のホテルに招待されたのは、フォトアルバムを購入した500名(事前申請)、最新アルバム「0と1の間」を購入した300名(抽選)の計800名。フォトアルバム購入者は「レジェンドファン」として、メンバーが出迎える中、久々の再会となったメンバーとファンも少なくなかったようで、「久しぶり!」「元気だった?」などの声が飛び交った。 高橋みなみは「私たちの未来を信じ、(今回のイベントの)チケットを捨てずにいてくれた皆さん、本当にスゴイ!」と挨拶。イベントのセットリストは、まず現役メンバーが最新シングル「唇にBe My Baby」などのシングル曲を、その後、「言い訳Maybe」「フライングゲット」「ヘビーローテーション」を当時のオリジナルメンバーが披露。前田敦子や大島優子が久しぶりにAKB48のセンターを務めた。そんな中、久しぶりのダンスに息を切らしたり、立ち位置や振りを間違ってしまい、現役メンバーにツッコまれてしまう卒業生も。 また、AKB48の黒歴史として「AKB48運営の失敗の歴史ベスト5」も発表され、1日で終了した「MVP制度」や、いつの間にかなくなった「金魚鉢のライブ配信」などがランクイン。「あった! あった!」「懐かしい!」「え、何これ!」と、メンバーと会場からは笑いが起こった。続いて、フォトアルバム発売当時の在籍メンバーである1期、2期、3期が、現役メンバーと卒業生が一緒になり、それぞれパフォーマンス。歌唱後には、当時の思い出を語ると共に、近況を報告し合い、ステージ上での同窓会となった。 最後には、レジェンドファンとメンバーの記念撮影やお見送りも行われ、約8年前に約束した記念イベントは、無事に現実のものとなった。なお、AKB48劇場では、12月8日に、オープン10周年を迎え、特別記念公演が行われる。【高橋みなみコメント】 私たちの未来を信じ、(今日のイベントの)チケットを捨てずにいてくれた皆さん、本当にスゴイ! レジェンドファンの皆さん、私たちAKB48の10周年祭にお越しいただき、ありがとうございます。僭越ながら、私、高橋みなみがご挨拶させていただきます。あと2日で、AKB48は10周年という節目を迎えます。10年前、7人のお客様しかいず、私たちの未来はどうなるのか…と思いながら過ごしていました。今、(レジェンドファンの)この顔ぶれを見たとき、感動して泣くんじゃないかと思っていましたが、ちょっと面白くなってしまいました。みんな、歳とったね! でも皆さんがこうして来てくださって嬉しいです。AKB48も、もう10年が経ちました。自分の夢に向かって歩き出す者、女性の夢をつかむ者、そして今現在もメンバーとして活動する者、個々様々ですけど、一瞬でも皆様に応援していただいたことを忘れたことはありません。皆さんに応援してもらったというのが私たちの人生の財産です。苦悩していた私たちを応援してくださった皆さん、そして今、支えてくださる皆さんがいなければ、私たちは今日ここには立ててませんでした。本当に今日この日を迎えられて、すごく、すごく幸せです。感謝の気持ちと恩返しの気持ちを込めながら、そしてこれからもAKB48として未来向かって頑張っていくメンバーが皆さんに応援してもらえるように祈りを込めながら、10周年祭を開催させていただきます。
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芸能 2015年12月07日 10時42分
キングオブコント優勝者勢揃い! コロチキが置き去りにされるハプニング
5日、池袋シネマ・ロサ1で映画『田沼旅館の奇跡』の初日舞台あいさつが行われ、女優の夏菜、遠藤久美子の他、お笑いコンビ・バッファロー吾郎や東京03など、歴代の「キングオブコント」王者が勢揃いした。 同作は寂れた温泉街を舞台に、廃業前日の田沼旅館を流行らせたい女性記者と一筋縄ではいかない宿泊客たちが繰り広げるコメディー作品となっている。撮影中には芸人たちのアドリブが出演女優たちを襲ったそうで、夏菜は「ロバート秋山(竜次)さんの演技で笑いすぎて、何度もNGを出してしまいました」とコメント。当事者の秋山は「役作りで食事制限をした」と話していたが、山本博と馬場裕之から「うそつけよ!」とツッコミを受けていた。 山本は会場で、改めて一般女性との結婚を報告。このことに関して秋山は「1年前にボクシング試合で勝った記念日に入籍したんですよ。なんで、キングオブコントのチャンピオンの日にやんないんだよ!」と不満を語ったが、山本は「奥さんは、僕がキングオブコントに向かってる姿は見てないけど、リングに向かってる姿はずっと見てたから」と返した。 また、同作の宣伝大使を務めるお笑いコンビ・コロコロチキチキペッパーズのナダルと西野創人も途中から登壇。実はこの日、芸人たちは、吉本興業東京本社で集合したとのこと。しかし、その会場に向かう際、コロチキのふたりだけ、他の登壇者やスタッフに気づかれず、置き去りにされるというハプニングが発生したそうで、ナダルは「僕らだけ忘れられたんだ、やっべぇぞ!」と定番のネタで会場の笑いを誘った。(斎藤雅道)
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芸能 2015年12月07日 10時00分
『ファブリーズ』にもサインしたファンサービスも熱い松岡修造
松岡修造が先日、自身の“褒め言葉”を記した日めくりカレンダー『ほめくり、修造!』の発売記念イベントを都内で開催し、ファン約150人と交流した。 発行部数108万部を記録した昨年発売の『まいにち、修造!』に続く第2弾で、今作も、今年9月の発売以降、すでに48万部を発行している。 報道陣から「流行語大賞」の候補50語に「まいにち、修造!」が入ったことについて聞かれ「大記念ですよ! (自身が1995年に進出した)ウィンブルドンベスト8と同じくらいうれしい」と喜びを口にした松岡。 流行語大賞ノミネートのほか、このイベントの前には女優の土屋太鳳と「ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2015」の授賞式に出席、このイベントのあとには、ラグビー日本代表・五郎丸歩、ピース又吉直樹らと「GQ Men of the Year 2015」の表彰式に出席と、大人気だが、その理由が分かるポイントがこの“ほめくり”イベントで見られたという。 「カレンダー購入者対象のイベントだったんですが、松岡はステージ登場前から、舞台袖で“よし、がんばるぞ。今から行くぞ”とマイクパフォーマンスをして、ファンの笑いを取るんです。さらに、熱い言葉を書いた色紙をファンにプレゼントするのですが、どんどん配り過ぎて色紙がなくなり、最後は自身がCMに出ているファブリーズにサインしてあげていたんです」(スポーツ紙記者) サービス精神がすごいというわけだが、一方、マスコミ泣かせの点もあるという。 「ステージ上でいろんな人と話をしたり、握手をしたり、常に動き回っているので、とにかく写真が撮りにくい」(同) この熱さが時代に求められているのか。
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スポーツ 2015年12月06日 16時00分
TBS対フジテレビ白熱の大晦日格闘技バトル
テレビ界で密かな盛り上がりを見せているのが、大晦日に放送されるフジテレビとTBSの格闘技番組だ。どちらの局が数字を取るのか、バトルの行方に周囲は関心を寄せている。 「何だかんだ言っても大晦日はNHK紅白歌合戦で決まりです。毎回、平均視聴率30%以上をキープ。そのおこぼれをすべてさらっていくのが、日本テレビ系の『ガキの使い 絶対に笑ってはいけないシリーズ』です。こちらも平均視聴率は常に15%以上を取っています」(制作会社幹部) そんな流れにくさびを打とうとフジとTBSが思案したあげく目を付けたのが、皮肉にも格闘技コンテンツだったという。 「似た内容の格闘技番組です。フジとTBSは殺し合いをするようなもので、負けた方の被害はさらに大きくなる。シングルと二桁という結果になるかもしれません」(キー局編成マン) となれば気になるのは、そのコンテンツの中身だ。まずは10年ぶりに格闘技中継を行うフジ。 「新イベント名は『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015』。世界から選りすぐりの団体代表選手らが集まります。2日間(12月29・31日)で8人がトーナメント戦を行い、優勝賞金50万ドル(約5000万円)を奪い合う」(テレビ関係者) 出場予定選手はエメリヤーエンコ・ヒョードルなど世界のストリートファイターが参集。また、スペシャルワンマッチとして桜庭和志vs青木真也を用意。他にもブラジリアン柔術女子世界王者ギャビ・ガルシア、シュートボクシング世界女子フライ級王者RENAも出場するという。 対するTBSは…。 「大晦日一夜限定の触れ込みで、K-1の黄金期を支えた魔裟斗と現役UFC選手の山本“KID”徳郁の直接対決です。'04年の大晦日に放送された『K-1Dynamite!!』で、瞬間最高視聴率31.6%をマークしたあの奇跡を再びと目論んでいます」(同) 現段階での下馬評は圧倒的にフジの優勢だという。 「魔裟斗は引退した選手。現役の山本と対決させる意味が分からない。制作費も3000万円足らず。過去の映像などを随所に流し、お茶を濁す作戦です。しかも、山本の体は入れ墨だらけ。時期的にアウトでしょう」(前出・キー局編成マン) 一方、優勢と伝えられるフジだが、 「来年から制作費が一律3割カットになる前の大盤振る舞いです。すべて込み込みで1億2000万円弱。また、RIZIN統括本部長に高田延彦が就任したことも見逃せない」(同) NHKと日テレにひと泡吹かせ、格闘技バトルを制するのはどちらの局?
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社会 2015年12月06日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 報復の連鎖を止めろ
11月13日の夜、パリの中心部で同時多発テロが発生し120人以上の市民が死亡した。フランスのオランド大統領は、イスラム国の犯行と断定し、フランス全土に非常事態宣言を発した。 フランスは9月から有志連合の一員として、イスラム国への空爆に参加しており、今回のテロはそれに対する報復行動だとみられる。 もちろん、テロは絶対に許される行為ではない。しかし、有志連合の一貫した姿勢は、「テロリストとは対話しない。殲滅する」というものだ。 これで本当に問題の解決につながるのだろうか。イスラム国フランス州による犯行声明は次のように述べている。 《愚か者のオランドがサッカー観戦に興じている間に、同胞たちは十字軍の中心地を恐怖に陥れた。同胞たちは神の助けにより、弾丸を使い切った後に自爆した》 キリスト教の諸国が聖地エルサレムを奪還するため、イスラムに十字軍を派兵したのは、700年以上前の話だ。それがいまだに怨恨として残っている。そして、犯行声明は、次のようにも言っている。 《これは攻撃の始まりに過ぎない。フランスと同じ道を歩む国々は、我々の標的リストの最優先にいることを自覚しなければならない。十字軍がイスラム教徒への空爆や預言者ムハンマドへの侮辱を続ける限り、死のにおいから逃れられない》 事件を受けて先進国の株価は一斉に下落したが、2001年の米国同時多発テロのときと比べると、下落率は小さい。しかし、10月にエジプトで起きたロシア機の墜落事件も、イスラム国の犯行である可能性が高まっている。今後、テロが他の先進国にも広がっていけば、世界経済の崩壊にもつながりかねない。 一部のメディアは、イスラム国をISと表現し、凶悪なテロリスト集団というラベル貼りをしている。しかし、イスラム国の支配地域には住民がおり、そしてイスラム国の思想を支持する人たちが世界中にいて、彼らを支援している。 イスラム国の住民の目からみたら、米軍の無人機が飛来して空爆を繰り返し、一般市民を巻き添えにしているのだから、彼らが有志連合に怨恨を抱くのは、無理からぬことなのではないのか。 私は、イスラム国を問答無用で斬り捨てるのではなく、まずその言い分を聞くことから始めるべきではないかと思う。それは、テロに屈するということではない。和解の糸口を探すことが、報復の連鎖を止める第一歩になるのだ。 1940年、ナチスドイツはフランス国境を越え、4年間にわたってフランスを占領した。そのため、戦後の独仏は犬猿の仲だった。だが、外交努力の積み重ねで、いまでは大きく関係を改善している。 ナチスドイツは、ホロコーストで1000万人とも言われるユダヤ人の大量虐殺を行った。しかし現在、ドイツとイスラエルが対立関係にあるわけではない。 いま日本に求められているのは、有志連合の後方支援に回ってイスラム国への攻撃に加担することではなく、むしろイスラム国と欧米諸国との対話のお膳立てをすることではないだろうか。そうすることが、長い目で見たときに、世界経済を崩壊から救う唯一の道だからだ。
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アイドル 2015年12月06日 14時00分
誰よりも劣等感を抱いていた福田花音 “もうひとりのアイドル”の存在
11月29日、1万人のファンを集めた武道館公演を最後に、アンジュルム・福田花音がグループおよびハロー!プロジェクトを卒業した。公演終盤、ファンに向けた手紙を読み上げ、「ある意味、ハロー!プロジェクトの歴史を変えちゃったと思います」と語った福田。ファンのことを「ヲタ」と呼び、「ライブは出勤」と言い切るなど、およそアイドルらしからぬ言動をたびたび見せ、よくも悪くもファンやスタッフをひやひやさせてきたことを自覚しての言葉だろう。 彼女は、なぜ「ごく普通のアイドル」ではなかったのか? 「アイドル・福田花音」が形作られた11年間の歩みのなかには、常に「もうひとりのアイドル」の存在があった…。 小学2年、モーニング娘。に憧れた福田花音は、「ハロー!プロジェクト・キッズオーディション」を受けるが、あえなく落選。ちなみに、同オーディションに合格したのは、嗣永桃子や鈴木愛理など、のちにBerryz工房と℃-uteを結成する豪華な顔ぶれ。 その2年後、「ハロプロエッグオーディション2004」に合格。ともに合格した者のなかには、スマイレージ初期メンバー4人もそろっていた。当初からプロ意識が高く、自信満々で鼻っ柱も強かった福田だが、2009年、スマイレージを結成する頃には、少しずつ“劣等感”を抱くようになっていた。 「スマイレージのメンバー発表のとき、私が最後に呼ばれた。その後、メンバー交代させられるなら私だと思った」 「私以外の初期メンバー3人は、エッグの新人公演でもソロ曲をもらっていた」 ミュージカル『白蛇伝』や、新ユニット「しゅごキャラエッグ!」に抜擢されるなど、「エッグ時代から、福田花音は抜きん出ていた」という多くのファンが持つ印象と、本人が抱いていた劣等意識とは大きなズレがある。 目標や夢が大きいほど、思い通りにはいかないことの方が多い。それはごく当たり前のことで、多くの人はいちいち気に病みはしない。しかし福田は、「理想の自分」とそのときの状況に隔たりを感じるたびに、「こんなはずじゃない」という思いを積み重ねていき、抱く必要のないコンプレックスを自ら肥大させてしまったのかもしれない。 その後、相次ぐ卒業により、残った初期メンバーは福田花音と和田彩花の2人となった。この状況も、福田の劣等意識を育てる要因になった。 「ニコッて笑ったらなんでも許しちゃえるような可愛い笑顔と愛嬌はアイドル界、芸能界ナンバーワンだとおもうよ! 正直ずーっと隣にいてお仕事してきて劣等感しか感じたことがないくらいです」 2013年8月1日、和田彩花の誕生日に際し、福田はブログでこんな言葉を贈っている。劣等感、コンプレックス。福田が和田を語るときに、たびたび用いる言葉だ。これは、単に和田の「笑顔と愛嬌」を羨んだだけではなく、ファンやスタッフの態度も影響していたに違いない。 「同じことをしても、あやちょは怒られないで、私だけがスタッフさんから怒られる」 こんな愚痴も、福田はたびたび口にする。学校や会社などでも、「怒られやすい人」というのはいる。厳しく叱ったら殻に閉じこもりそうな和田に対し、福田は叱りやすいタイプなのだろう。 ファンも、和田の言葉には素直に従うのに、福田には反発することが少なくない。もちろん、福田に対する反感によるものではなく、福田のキャラクターならマジメに従うよりも、そういった「ネタ」や「ノリ」で対応した方がおもしろいと感じていたからだ。福田に対してなら、それが許されるだろうと。福田が過剰なコンプレックスを抱き、“こじらせて”しまったのは、スタッフやファンの責任でもあるのだ。 さらに言えば、福田の個性的すぎる言動の数々も、和田への劣等感や周囲の反応に負けぬよう、「唯一無二」であることを求めた結果とも思える。 卒業公演でも福田と和田のデュエットで披露した『ふたりはNS』(オリジナルは、元モーニング娘の久住小春と℃-ute・萩原舞のユニット「きら☆ぴか」)。この曲にもなぞらえ、福田と和田はお互いの関係を磁石のNとSに例える。確かに、歌詞にもあるように「正反対」に見える2人。だが、それだけではいまひとつしっくりこない。 彼女たちの関係を別の例えで表すならば、「太陽と月」とも言うことができる。あくまでも天真爛漫、常に自分を信じて突き進む和田に対し、福田は不安定に満ちたり欠けたりしながら、笑顔と憂いを行き来する。 この両者の違いは、どちらが優れているという話ではない。太陽の明るさや暖かさに、人は憧れを抱く。だが、ときには強すぎる熱から逃げ、光を照らさない太陽を恨みもする。ましてや、あまりにも強く輝く太陽を見つめ続けることはできない。人がなにかを想うとき、空を見上げ、じっと見つめるのはいつも月だ。まばゆいほどに光り輝く満月に高揚し、儚げに消えていく有明の三日月に寂しさを感じる。移り変わるその姿に、世の中や自分を重ね合わせることもある。太陽が沈んだあと、足元を照らしてくれるのは、やさしい月のあかりだ。太陽とは違ったやり方で、月も人を照らしているのだ。 福田花音は、間違いなく唯一無二のアイドルだった。普段は見つめることができない太陽も、月面に反射する白い光としてならば、立ち止まって見続けることができる。 本人がことさらにアピールすることはない(自覚すらしていないかもしれない)が、福田はいつでも周囲を見渡し、自身の言葉や態度によって、他のメンバーを浮かび上がらせてきた。これは、常に前を見て突き進み、いささか“天然”なところもある和田彩花にはない才能だ。 事実、「2期メンバーの加入をすぐには受け入れられなかった」という福田の言葉に反し、当の2期メンバーたちは「福田さんのおかげで、グループになじむことができた」と口をそろえる。そんな福田だからこそ、いくら毒舌で突き放しても、後輩メンバーからは慕われ、ファンから愛されてきたのだ。 今後は、作詞家としての道を進む福田花音。おそらく、いつでも夢だけを与え続けるような、安定感のある作詞家にはならないだろう。しかし、そもそも人の心は、満ちたり欠けたりするものだ。それを知る福田花音だからこそ書ける、唯一無二の歌詞があるはずだ。【リアルライブ・コラム連載「アイドル超理論」第6回】