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スポーツ 2009年08月05日 15時00分
IGF 猪木 それより8・9有明で面白い事やるよ
IGFの総帥アントニオ猪木が4日、成田空港で会見を行い、今週末にゴングの「GENOME9」(9日、東京・有明コロシアム)をPR。サップとバーネットに闘魂注入したことを明かした。だが、話題は一部で噂されている衆院選出馬話で持ち切り。今後のイベントを占う大事な2周年記念興行を目前に控え、大会そっちのけで政界復帰パフォーマンスをやっている場合ではない。さすがのアントンも困っている。 今大会のメーンに登場するボブ・サップとジョシュ・バーネットの視察を終え、滞在先の米ロサンゼルスから帰国した猪木を待ち受けていたのは、TVカメラを含む大勢の報道陣。お目当ての話題は、一部で浮上している衆院選に出馬するか、しないか。 だが、これら政界復帰については「あまり具体的な話はできない」「いまさら俺が国政に出ても何もできないってのもある。でも世の中が乱れたときが俺の出番」などと明言を避け、どっちつかずの歯切れの悪いコメントに終始。 しまいには話すことがなくなったのか「出馬というより応援に行ってあげたい若い候補はたくさんいる。自民党、民主党を問わずね」と話をすり替え、報道陣を煙に巻いた。 政界復帰話に対して歯切れの悪いコメントに終始するのも当然。今後のIGFを占う2周年記念興行まで5日を切り、猪木は「いまは9日の興行のことでいっぱいいっぱい。いろんなことを自分でやらなきゃいけないから」。それこそ大会前のこの時期に政界復帰パフォーマンスなどしている場合ではない事ぐらい、本人は百も承知だ。 それだけに、会見では今大会の目玉戦士で再生を図るサップに触れ「サップは燃えているよ。ここで暴れてアツくなってもらわないといけないからな。ムッフッフ」と闘魂注入で覚醒したことを示唆した。 ただ、旗揚げから2年を迎えるいまなお肝心のリングの話ではなく、スポークスマン猪木のパフォーマンスばかりがクローズアップされるのはいただけない情勢。こうした話題にリング上の話がかっさらわれているようでは本末転倒といえる。 最後は「9日のリング上ではおもしろい話をします。北朝鮮の話もありますし…」と意味深予告を放って集客も呼びかけたが、旗揚げから2年がたつというのに猪木が旗振り役をしなければならないのは“痛ましい”限り。果たしてアントンはファンの期待を裏切らない「面白い」ものをみせられるのだろうか。
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スポーツ 2009年08月05日 15時00分
ノア 青木“スッポン戦法”
蹴撃戦士よ、待っていろ。プロレスリング・ノアの青木篤志が、GHCジュニアヘビー級王者・KENTAを大胆挑発した。タイトルマッチの次期挑戦者に指名されたものの保留。そればかりか、スッポン殺法でもう1度王者を倒し、挑戦権を強奪すると予告した。 1日のディファ有明大会でKENTAから次期挑戦者に指名された青木。7・12後楽園ホール大会では、ジュニアタッグリーグ公式戦で、KENTAをギブアップさせており、実績も申し分ない。 ところが青木の口からは意外な言葉が飛び出した。「チャンピオンから指名されて光栄です。勝ち逃げしたいわけでもないんですけど、すぐには…」と保留したのだ。 もちろんタイトル挑戦が嫌になったわけでもない。ただ、自身で納得できていない部分があるのも事実。それだけに「もう一発(試合を)やって、やるしかない。くるのがわかっていても、もう1回腕ひしぎ(逆十字固め)でギブアップとれたら、これほど屈辱的なことないじゃないですか。絶対にチャンスはつかみ取りたい」と再度KENTAを倒し、逆指名する。 最近は新日本プロレスのベスト・オブ・ザ・スーパージュニアでベスト4、ノアのジュニアタッグリーグ戦では準優勝を果たすなど、急成長を遂げている青木。「足りないのは経験の差だと思う。いい経験してもう一歩上に行くための研究中」とキッパリ。 さらに「関節技にはこだわりがあるんですよ。ギブアップとったからっていうのもあるんですけど、どんなに余裕ある相手でも極まった時は終わるんで。一発逆転を狙える」と自身の得意技に対する思いを口にする。 「極まるまでは絶対に離さない。腕ひしぎで(KENTAから)ギブアップをとれるよう磨きをかけています」と“スッポン殺法”で挑戦権奪取を誓った青木。決戦に備え静かに牙を研いでいる。
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スポーツ 2009年08月05日 15時00分
K-1 前田慶次郎から京太郎に改名後8・11代々木競技場初試合
「K-1 WORLD GP2009 IN TOKYO」(10日、国立代々木競技場第二体育館)に出場するK-1ヘビー級王者の前田慶次郎が4日、都内の龍道場で練習を公開。傾奇者(カブキモノ)から孝行者に華麗なるチェンジを遂げた。 同大会のスーパーファイトでヤン・ソウクップと対戦する前田。ヘビー級王者として初陣を迎えるにあたり、リングネームを本名の京太郎に戻すことを発表した。 京太郎といえば、これまで金や緑、ピンクなどの奇抜な髪の色をしていたが、これを機に黒髪に一新。もちろん変わったのは外見だけではない。 「格闘技に対してマジメに取りくもうと思うようになりました。ボクは日本人王者なのでK-1を引っ張らざるを得ない存在だと思います」とキッパリ。エースとしての自覚も芽生えてきた。 この日は、チームドラゴンの前田憲作代表をパートナーに鋭い打撃を披露。 「これからは稼いで母に恩返ししていきたい。旅行とか何でもプレゼントしたい」と格闘技を始めるきっかけとなった母に誓った。 改名後の初試合で改名効果を証明できるか。
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その他 2009年08月05日 15時00分
OZアカデミーの尾崎魔弓&西尾美香がナイガイを襲撃
OZアカデミーの尾崎魔弓と西尾美香が4日、東京・有明の本紙編集局を襲撃し、16日の後楽園ホール大会をPRした。 神取忍&ハーレー斎藤とタッグを組み、カルロス天野&コマンドボリショイ&日向あずみと対戦する尾崎は「普段どおりにやれば反則、(追悼試合で)反則がないと思っている客の期待を裏切ってやる」と自らの戦いにこだわることを宣言した。 味方のはずの神取についても「あいつは出てくるだけでお客が喜ぶのが悔しい。会場を私の色に変えてやる」と神取への対抗心を燃やし試合中の分裂も辞さない覚悟。
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スポーツ 2009年08月05日 15時00分
メジャーリーグ極秘情報 マリナーズ・イチロー編
去就に悩み抜くヤンキース・松井秀喜。再起へ難問抱えるレッドソックス・松坂大輔。2人を横目に1人だけ快進撃を続けるのがマリナーズのイチローだ。7月28日のブルージェイズ戦では、メジャー入り後初のサヨナラ安打を記録。強敵のツインズ・マウアーと首位打者争いを演じている。天才イチローは、開幕前の胃潰瘍までも味方につけてしまうのだから、神懸かりというしかない。 球界OBたちはあきれ顔だ。「胃潰瘍で開幕からしばらく戦線離脱したから、WBCの肉体的、精神的な疲れが取れて、今、最高のシーズンになろうとしている。最後の最後でのひと振りで勝負を決めた、2大会連続のWBC世界一に始まり、4月には張本勲氏の持つ通算最多安打日本記録(3085本)も超えた。これで首位打者まで獲得し、9年連続のシーズン200本安打のメジャー記録を達成したら、万々歳だろう。勝負の神様がイチローにだけえこひいきしているんじゃないか」と。 マリナーズ内部での立場も神風が吹いて一変している。昨年はチーム内で孤立無援。「イチローのような自分のことしか考えない利己的なヤツがいるから勝てない。マリナーズが優勝するためには、イチローをトレードに出すしかない」とチームメートから疫病神扱いされ、地元シアトルのメディアもイチローのトレード情報を書き立てたものだ。 「イチローの身勝手さに激怒したチームメートがイチローを襲撃する計画を立てている」という信じられない衝撃的な情報まで流れたほどだ。それが今やイチローを巡る不穏な話など、どこからも聞こえてこない。 「今季から日系人のワカマツ監督になったことがすべてでしょう。イチローに敬意を表して、対話路線を敷いている。そして、イチローのバッターとしての偉大さ、素晴らしさをナインに説いている。ワカマツ監督の全面的なバックアップがあったから、チームから完全に浮いていたイチローが逆に中心選手として認知されるようになった」と地元シアトルのメディアは伝えているという。 鈴木一朗という名前も平凡な選手が、日本人メジャーリーガーの頂点に立つスーパースターになれたのは、監督との出会いからだ。オリックス時代に才能を見抜き、イチローという名前を付けてくれた仰木彬監督(故人)。イチローの生みの親だ。 ポスティングでマリナーズ入りしたときのピネラ監督もそうだ。激情家で厳格主義者だが、「イチローを高く評価して実力を発揮させた。ピネラ監督でなかったら、メジャーリーガー・イチローがあれほど順調なスタートを切れたかどうか分からなかっただろう。メジャーリーグの監督の中には、日本人に偏見を持つ人種差別主義者もいるからね」。メジャーリーグ・ウオッチャーはピネラ監督との出会いの幸運を語る。 仰木監督、ピネラ監督、そしてワカマツ監督。節目、節目で運命的な出会いだ。オリックス時代は宇宙人とも呼ばれたこともある、天才扱いのイチローだが、成功を収められたのはもって生まれた才能のおかげだけではない。「打撃の神様」の川上哲治氏。「神様・仏様・稲尾様」の稲尾和久氏(故人)。この2人に続くイチローはコメントも神懸かり的になっている。
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スポーツ 2009年08月05日 15時00分
早大・斎藤佑めぐる争奪戦狂騒曲
来秋のドラフトの超目玉になる早大・斎藤佑樹投手をめぐり、アマ球界関係者の間で怪情報が流れている。「読売新聞社の出向として巨人入りさせる。そうすれば、他球団は手を出せないだろうと、巨人は考えている」という仰天情報だ。 六大学の選手としては、怪物投手として大騒ぎされた、あの法大・江川卓投手以来という注目度を集めている早大・斎藤にはメジャー球団も深い関心を寄せている。日本球界を経ずにいきなりのメジャー入りは、昨年のドラフト1位候補だったのに、日本プロ野球界に背を向け、レッドソックス入りした新日本石油ENEOS・田沢純一の先例がある。 メジャー球団側も注目度と実力を考えれば熱が入るだろう。日米球団入り乱れての前代未聞の斎藤大争奪戦が予想される。それだけに、「読売新聞からの出向で巨人入り」という怪情報は簡単には聞き流せない。 本社から出向で球団入りという具体例はいくつかある。プロ野球界初の東大出身選手として話題を呼んだ元大洋ホエールズ・新治伸治氏がパイオニアだ。 第1回ドラフト会議が行われた1965年に大洋漁業本社から大洋ホエールズに出向して、いきなり5勝。通算9勝6敗の成績で68年にユニホームを脱ぎ、大洋漁業に戻っている。 「新治の場合は野球選手としてよりも本社に必要な人材として採用された。ユニホームを脱いだ後は、本社で秘書室長など重要ポストに就いている。本人は期限付きでフロント入りして球団改革に意欲を示していたが、本社サイドは『本社に必要な人材を球団に行かせるわけにはいかない』と認めなかった」と当時を知る球界OBが述懐する。◎江川事件とは 1978年、巨人は怪物・江川獲得のために、ドラフト前日の空白の一日をついて電撃契約。最終的には金子鋭コミッショナーの強い要望で、ドラフトで交渉権を獲得した阪神に江川が入団し、巨人・小林繁と交換トレードするという異例の決着で、日本プロ野球史上に残る大事件になっている。そんな過去があるだけに、「斎藤を読売からの出向として巨人入りさせる」という仰天情報にも注目が集まるのだ。◎「希望枠の復活」がカギ 斎藤を巡る怪情報は新治氏のケースとは違うし、実現性となると、現状のままでは無理がある。ドラフトにかからなければ、プロ入りはできないからだ。ただし、高校生も大学生も社会人もすべてドラフト会議で指名され、重複すれば、クジ引きという今の制度は今年までの2年間の期限付き。来年以降は見直しが検討される。 巨人は、西武の裏金事件の悪の温床として廃止された希望枠(逆指名制度)の復活をもくろんでいる。 コンプライアンス(法令遵守)の強化が叫ばれる時代だし、100年に1度の世界同時不況だ。となれば、希望枠を復活させることが出来た時には、生涯保証になる「読売から巨人へ出向」というのは妙案になるかもしれない。 それにしても1年以上前の今から斎藤を巡るこの仰天怪情報。来年秋のドラフト本番が近づいたら、どんな奇手情報が飛び出すかわからない。想像を絶する斎藤争奪狂騒曲になることだけは間違いない。
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レジャー 2009年08月05日 15時00分
関屋記念(GIII、新潟芝1600メートル、9日) ヒカルオオゾラ 悲願のタイトル獲得へ向け、意欲の最終調整
3歳時にノドの手術を行ってからは<4301>と安定した走りを見せているのがヒカルオオゾラ。 唯一、掲示板を外した2走前のマイラーズCで(6着)もスーパーホーネット相手に0秒4差だった。しかも、同馬の素質の良さを証明するように、鞍上には5戦続けて武豊騎手が騎乗。すでにGI・マイルCSでのコンビまで決定済みだけに、ここは結果を出すことが急務となる。 「まずはひとつ重賞を勝って秋の飛躍につなげたい」と池江寿調教師も待望の重賞タイトル獲得に気合が入る。 この中間は米子Sへ出走するプランもあったが、熱発のため自重。しかし、その後はグリーンウッドでじっくり調整。帰厩後は急ピッチで乗り込まれ、仕上がりに不安はない。 1週前の追い切りは7月30日、CWコースで行われ、6F79秒2、ラスト1F12秒4(一杯)をマーク。「動きは良かったし、日曜にも坂路(800メートル53秒9)でやって気持ちの入った動きを見せてくれた。完全に立ち直っているね。間隔は少しあいたけど、状態に関してはまったく心配ない」と吉村助手も万全のデキに胸を張る。 何より今回は<4101>と安定した走りを見せてきたマイル戦。陣営も適性の高さに対して絶大な信頼を寄せる。 「この距離が実績的に一番だし、安定している。何より、秋には大きな舞台を狙っているだけに、ここで何とか賞金加算しておきたい」(吉村助手) この夏の経験を引っさげて、いよいよ秋にはGIへと殴り込みだ。 【最終追いVTR】栗東CWで長めから意欲的に追われた。7F92秒7→76秒9→63秒1→50秒7→38秒1→12秒7を一杯にマーク。終いまでしっかりした脚取りでゴールを駆け抜けた。ゴーサインが掛かってからの反応も鋭く、デキは文句なしだ。
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レジャー 2009年08月05日 15時00分
関屋記念(GIII、新潟芝1600メートル、9日) スマイルジャック 復活へ手応え
昨年のダービー2着馬スマイルジャックが必勝態勢を敷いてきた。 陣営が新たに、優勝請負人として白羽の矢を立てたのが今をときめく、スーパー新人・三浦皇騎手。「関東の若手騎手にチャンスを与えたい」。馬主の齊藤四方司氏の鶴の一声で決まった交代劇だが、当代を代表するベテラン岩田騎手からバトン受けた三浦騎手が、どんなパフォーマンスを披露するか。興味は尽きない。 担当の梅沢調教厩務員は「楽に勝てるでしょう」と自信を見せる。「岩田(騎手)さんが我慢する競馬を覚えさせてくれた。あとは皇成(三浦騎手)が、うまく折り合いを付けて乗ってくれれば結果はついてくる」 前走の安田記念(9着)は4角で前の馬に乗っかかり右前脚を外傷するアクシデント。幸い大事には至らず、ここまで順調に乗り込めたのは何より。29日の1週前追いではWコースで5F68秒6(一杯)をマーク。梅沢さんは「状態に関して心配な点は何もない」と太鼓判を押している。 新馬勝ちを飾った相性のいい新潟で、復権を果たすか注目だ。 【最終追いVTR】坂路を1本上がった後、Wコースに入り3頭併せ。6F83秒4→67秒0→51秒8→37秒9→12秒0(馬なり)をマークした。前2頭を追いかけ、4角で外から合流。楽な手応えのまま1馬身抜け出たところがゴールだった。動き、気合乗りともに申し分なく、ほぼ万全といえる仕上がりだ。
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社会 2009年08月05日 15時00分
“ご指名特使”クリントン元米大統領訪朝の真の目的
クリントン元米大統領は4日、対立関係が激化していた北朝鮮を電撃訪問し、金正日総書記と会談した。両国の緊張関係は一気にほぐれ、北朝鮮は5日未明までに、不法入国などの罪で3月から拘束中の米国人女性記者2人を釈放することを決定。クリントン氏が北朝鮮側ご指名の“特使”だったこともあらたに判明した。オバマ大統領が託した“隠密メッセージ”と、真の訪朝目的が注目されている。 北朝鮮問題に詳しいジャーナリストは、今回の電撃訪朝を「簡潔に言えばオバマ大統領の腰くだけ」と切り捨てた。 「長距離弾道ミサイル発射や核実験などの挑発に対し、強硬姿勢を貫いていたオバマ氏が我慢比べに負けたとみていいでしょう。表向きはクリントン氏の私的訪問としながら、米朝協議再開に向けた“隠密メッセージ”をクリントン氏に託しているはずです。人質解放交渉を含め何も問題が解決しないままでは米国内での求心力も弱まりますからね。世界に“暴力に屈するな”的なことを呼び掛けておいて身勝手きわまりない。拉致問題を抱えている日本はいいツラの皮です」(同) 共同通信によると、クリントン氏の訪問は、北朝鮮側が交渉相手に“指名”したことで実現につながった可能性があることが分かった。米政治専門サイトのポリティコが4日までに、ワシントンの消息筋の話として伝えた。ポリティコによると、北朝鮮当局は米「カレントTV」記者のローラ・リンさん(中国系)とユナ・リーさん(韓国系)の家族にクリントン氏が相手なら2人を解放する考えを伝えたという。 これを受けて家族は元大統領に接触。ホワイトハウスもクリントン氏による「救出任務」を承認し、秘密裏に訪朝計画が進められたという。 北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、米国人記者2人に対し「特別恩赦を実施、釈放するとの国防委員会委員長としての命令を下した」などとする報道文を発表。会談で米朝間の諸懸案について「対話の方法で問題を解決することで見解一致がなされた」とし、クリントン氏が「両国間の関係改善方法と関連した見解を盛り込んだオバマ大統領の口頭メッセージを伝えた」と報じた。その上で元大統領の訪朝は、両国間の「理解を深め信頼を醸成するのに寄与するだろう」と評価した。
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社会 2009年08月05日 15時00分
社会面連載「ソウルクエスト〜韓国漫遊記」(3)不動産の秘密
ソウルの新興エリア、江南(ガンナム)地区を訪れた。ソウル中心を流れる韓江の南側、ベンチャー企業が集まり、おしゃれな街として人気の新規開発地域。地下鉄2号線が中心を走り、コンベンションセンターなど高層ビルが立ち並ぶ。 江南の東側住宅地域でおびただしい高層マンションがそびえる。韓流スターの多くが住んでいることもあり、マンションの価格も100平方メートルで1億〜2億円と東京よりむしろ高いといえる。 世界金融危機以降、韓国不動産バブルの崩壊説が囁かれているが現状崩壊はしていない。そこには韓国不動産独自のシステムがある。韓国には不動産ローンの伝統がない。最近不動産ローンが商品化されているが、まだ一般的ではない。韓国では不動産購入の場合、短期の月賦が一般的で、賃貸の場合も独特の方法がとられる。賃貸の場合借り手は高額の保証金が必要で、その保証金を積めば、家賃を払う必要がない。 江南エリアの一般的な物件で保証金は5000万円程度。借り手は住居を移動するとき保証金を丸々返してもらえる。その間の家賃はただだから、5000万円は高額にしてもメリットがある。家主はその保証金を銀行に預ければ、その金利が家賃代わりになる。高金利の韓国ならではの話だ。しかし実際は家主の多くはこの保証金を新しいマンションの購入に当てるケースが多い。 これが不動産の高値を維持している原因で、家主にとってこの保証金はいずれ返さなくてはならない負債だが、無利子の負債であることがポイントである。したがって保証金の金額の相場が下がることがあっても、金利負担がないため、投売りには結びつかない。 ソウルでは不動産バブルの崩壊は無いという意見が一般的である。 江南の中心街はおしゃれな店がならび、若い人であふれている。 夕方江南の中心江南交差点の喫煙スペースでぼんやりタバコをふかしていた。ソウルもやはり喫煙に厳しく、やたらなところでタバコをすっているとすぐに注意される。 行きかう若者たちを眺めていると、ペットボトルを持ったカップルやベンチで休むサラリーマンなど、限りなく日本と同じ風景だ。しかし同時に限りなく違うものも感じる。リラックスしている若者たちから感じるのは「厳しさ」だ。その真剣なまなざしには怖いものすら感じるぐらいだ。 そこで思いついたのが徴兵制だ。韓国ではいまでも2年間兵役の義務がある。どんな高官の子弟でも逃れることはないという。陸続きの北朝鮮とは緊張状態にあるといっても過言ではない。やはりその緊張感がこの国を包んでいる。海を隔てただけの日本も本質的には大差が無いはずだが隔たりは激しい。ノホホンとこの国に来た記者の不明を恥ずべきしかないと痛感した。