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社会 2012年07月17日 11時45分
NHK職員に自覚なし? 脱法ハーブ吸引で救急搬送
NHK職員には、国営放送に従事している自覚はないのだろうか? NHK福岡放送局と宮崎放送局に所属する20代の男性職員2人が、大麻に似た成分を含有した「脱法ハーブ」を福岡市内で吸い、病院に救急搬送されていたことが分かった。 福岡県警によると、2人は7月3日未明、福岡放送局職員の自宅で飲食。宮崎放送局職員は福岡に出張中で、2人は以前から親交があったという。食事を摂ったり、酒を飲んだ後、購入した脱法ハーブを吸引。しばらくすると意識がもうろうとなり、気分も悪くなったため、自分たちで119番。2人とも市内の病院に搬送された。翌4日には体調が回復し退院した。 2人は県警に、「吸ったのは初めて」「単なる好奇心で吸った」などと話している。 脱法ハーブをめぐっては、吸引後に体調を崩したり、死亡する事故が全国で相次いでいる。 NHKでは6月25日に、ドキュメンタリー番組「クローズアップ現代」で脱法ハーブ問題を取り上げたばかりだった。番組でその危険性を周知しながらも、自局の職員が吸引するとは開いた口がふさがらない。 同局は4日夜、両職員を停職1カ月(今月20日発令予定)とする処分を発表。違法ではないが、その理由について、「公共放送として脱法ハーブの危険性に警鐘を鳴らしている中、不適切な行為で、協会(NHK)の信頼に傷を付けた責任は重く厳正に対処した」と説明。同局は「業務上はもとより、私生活の面においても、自らを厳しく律すべきことを職員に徹底してまいります」とコメントした。 同局では今年2月に、40代の編成局ディレクター(懲戒免職)が都内の自宅に麻薬を所持していたとして、麻薬及び向精神薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕される事件が起きたばかりである。(蔵元英二)
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社会 2012年07月17日 11時00分
オリンパス、ソニーの同床異夢 資本提携交渉に亀裂が入る理由(2)
第2の理由はオリンパス側にある。同社は財務の健全性を示す自己資本比率が昨年3月期の11.0%から今年3月期には4.6%まで低下した。ライバルのキヤノン68.8%、ニコン50.3%に比べれば大きく見劣りする。とはいえ、ドル箱の医療事業部門は順調であることから「乗っ取りリスクを伴う資本提携に走らずとも十分やっていける」との自主独立論が社内に根強いことだ。実際、当初は3月末とされた資本提携先の発表は「4月の臨時株主総会前」「6月の株主総会前」と先延ばしされ、それでも結論が出ないままパナソニックの脱落を機にソニーが急浮上した図式だ。 「たとえソニーがオリンパスの“民族主義”に配慮して500億円=10%出資で妥協したとしても、これではビジネス上の果実をどこまで得られるかとなると怪しい限り。見返りが配当収入程度ならばソニーは憤然として席を立つ。当然、交渉決裂です」(前出・関係者) にわかには信じ難い事情もある。オリンパスとの提携に名乗り出た4社は、投資銀行やメーンバンクを介して接触を重ねてきた。すなわち、双方が直接顔を合わせて交渉すること自体が珍しい。従って今後の交渉には当事者だけでなく、銀行団の思惑も絡む。これが懸念される第3の理由である。 「交渉の最終局面では双方が顔を合わせて詳細を詰めるにしても、そこに至るまでの間は黒子であるべき銀行が“デートの現場”に同行して監視の目を光らせてきたこと自体、通常では考えられません」(同) なぜ、そうなったのか。この関係者は苦笑する。 「去年の秋、オリンパスはマイケル・ウッドフォード社長(当時)の解任騒動を機に株価が急落し、そのドサクサに紛れて米国のゴールドマン・サックスが大量の空売りを仕掛けて20億円超もボロ儲けしています。これに激怒した政府=金融庁が『どんなことがあってもオリンパスをハゲタカ外資に渡すな』とゲキを飛ばした。要するに外資による乗っ取り防止の厳命にほかなりません。だからこそ銀行は交渉の一部始終をチェックし、オリンパスのガードマン役に徹してきたということ。ソニーにしてもオリンパスにしても、まだ相手の本音を聞き出していない以上、熱が一遍に冷めないとも限らないのです」 これでソニーとの交渉が決裂すれば富士フイルム、テルモが急浮上する。中でもテルモはオリンパス株の2.1%を保有する大株主で、以前からビジネス面での関係が深い。それを踏まえて市場筋は「ソニーこそ当て馬。隠れた本命はテルモじゃないか」と指摘する。 「ソニーはデジカメなどに搭載する画像センサーに800億円を投資する。これを発表したのがオリンパスへの出資報道があった6月22日というのが、どうもクサい。ただでさえ業績悪化で資金力に乏しい会社が、オリンパスと合わせて1300億円も拠出するのは正直厳しい。ましてパナソニックと有機ELパネルの共同生産で提携したばかりとあってはなおさらです」 “混迷レース”に浮上したソニーが野心をあらわにすればするほど、ドンデン返しの不気味さが増すようだ。
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社会 2012年07月17日 11時00分
スペインに売春婦大量流入
「欧州債務危機の山場」といわれたギリシャ危機は、再選挙で緊縮財政派が勝ち、当面のユーロ分裂の危機を免れた。 ところが、ギリシャとともに信用不安を招いているユーロ圏4位の経済規模を誇るスペインは、国債がさらに下落。一気に世界経済に大混乱を招きそうな台風の目となり出した。ただ、財政破綻の崖っぷちに立ちながらも、国内には活況を呈している産業があるという。それが「売春産業」なのだ。 同国の事情に詳しい風俗記者がこう話す。 「実はスペインは売春を取り締まる法律が極めて緩く、ユーロ諸国でも『最大の売春大国』と呼ばれているのです。バルセロナでは、ユーロ圏の女性だけでなく、ルーマニアやコロンビア女性を囲った売春宿が裏通りに点在している。また、マドリッドやフランス国境沿いにあるラ・ジョンクレアなども同じ状況なのです。しかも、これは一時報道されましたが、中国マフィアが現地の売春組織と組んで、数年前から違法に中国人売春婦の斡旋を行いだした。そのため、スペイン国内にはアジア系の娼婦が多数流入。売春婦人口を押し上げているのです」 とはいえ、冒頭に記した通り、今やスペインは財政破綻寸前。売春婦を相手にする客も激減しているはずだが、そこには思わぬユーロ事情が存在するのだ。 「たとえば、バルセロナは『買春ツアーのメッカ』として知られており、毎年欧州諸国から慰安を兼ねた旅行者がこぞって訪れる。また近年は、選り取り見取りの売春婦事情を聞きつけ、同国に立ち寄るバックパッカーも急増中。経済的な救済より下半身の結びつきが強いというワケです」(同) 要は、万国共通の「男のスケベ心」が同国の売春産業を支えているのだ。
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社会 2012年07月16日 18時00分
ボーナス争奪戦 家電業界裏事情
家電量販店における『ボーナス商戦』という言葉も、今後は死語になるかもしれない。 公正取引委員会は今年の2月16日付で、業界2位(当時)のエディオンに対し、独占禁止法違反に該当するとして排除措置命令及び課徴金約40億円の納付命令を行った。これらを不服としたエディオンは、3月7日付けで審判請求を行い、現在、公正取引委員会審判廷にて審判が行われている。 一般消費者にとっては縁遠く無関係な話に聞こえるが、審判結果によっては、家電量販店は格安の店ではなくなる可能性を秘めているのだ。 エディオンは、『イシマル』(関東地方)、『エイデン』(中部地方)、『ミドリ』(近畿地方)など地域別にブランド名を使いわけ、全国約1180店舗を展開する家電量販店チェーン。2012年3月期の連結売上は7590億円である。 公取委から違反と指摘されているのは、メーカー等の取引業者から従業員(店舗販売員)を無償で派遣させた行為。これは、平成20年6月にヤマダ電機が指摘されたのと同じだ。ただし、「今回は公取委の本気度が違う」と取引業者は言う。ヤマダの際、取引業者にヒアリングして回った担当は役職者ではなかったが、エディオンの取引先には審議官が対応するなど、最初から審判を見越した対応をしているからだ。 「エディオン側の主張が退けられると、メーカーからの無料人材派遣やリベートといった“家電量販店ビジネスモデル”が、根底から崩れる事態になりかねません。消費者が家電を安く買えるのは、メーカーよりも家電量販店の力が強く、無料で販売員を派遣させ人件費を浮かせたり、量販店が値引いた分をメーカーが補填したりしているからなのです。これがなくなれば、家電量販店は費用の増加を余儀なくされ、メーカー希望小売価格で販売する量販店が続出するといわれています。まさに、テレビ1インチ=1万円時代に戻ってしまうことさえ想定されるのです。業界全体が青ざめているのも無理ありません」(経済記者) そうなれば当然、ビックカメラがコジマを子会社化したように“規模の論理”で業界再編が加速する。しかし消費者にとっては、これも決していい話ではない。 たとえばビック=コジマは、収益性の改善策として全国にある店舗のうち40〜50店舗を閉鎖する予定。関係者は「収益性を考えるなら最終的に100店舗近く閉鎖が必要」と見ており、消費者にとっては、なじみの店がなくなる上にポイントカードも使えなくなる。もちろん購入した家電のメンテナンスにも支障が出ることになるのだ。 家電を安く買えるのは、今年の夏が“最後”なんてことがあるのか−−。 夏のボーナスを争奪するため各店の販売員が、たくましき全国の風俗嬢のように、何か特別変わった“アプローチ”で商品を薦めてきたら、業界全体に異変が起きているということなのかもしれない。
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芸能ニュース 2012年07月16日 15時30分
山田優が毒舌キャラになった理由
今年の3月に俳優の小栗旬と結婚したモデルで女優の山田優だが12日に放送された「ダウンタウンDX」での毒舌ぶりが話題となっている。 同番組ではモデル時代から親交のあるタレントの西山茉希と共演。西山とは週に4回飲みに行くほどの仲だというが、山田が結婚後、突然西山のことを「ブスになった」と言い始めたのだそうで、西山は「最近ちょっとムカついています」と暴露。すると山田はそれを否定しなかったばかりか、「いやいや、最近戻ってきたのですけど、一時期すごいブスで!!」、「何やってもブスだったから、ブス! って」と「ブス」を連発。 西山が「ブスになったら仕方ない、けどあたし、(アメとムチなら)アメで育ちたいタイプなのですよ。だから『でもかわいいよ』って一言、最後にほしかった」と残念そうな表情を浮かべたが、山田は追い打ちをかけるように「でもほんと、死ぬほどブスだったのですよ!!」とダメ押しした。 山田の矛先は2人の弟にも向けられ、上の弟でタレントの親太朗のことを「役に立たない」とバッサリ。声優志望でドラマなどの台本読みに付き合ってくれることもあるという高校生の下の弟については、写真を見せながら爆笑し「めっちゃくちゃデブ!」と言い放った。 視聴者に不快を与えるような間違った方向の毒舌キャラとなってしまった山田だが、どうやら、その背景には結婚生活でのストレスがあるようだ。 「小栗が浮気しないか常に頭を悩ませているようだ。おまけに、小栗は現在主演の月9ドラマ『リッチマン、プアウーマン』で共演中の石原さとみにゾッコンという報道もあったため、過剰に浮気を疑い、仕事どころではないようだ」(テレビ関係者) 単独の結婚報告会見ではおのろけを連発しつつ、小栗の浮気が発覚した場合について聞かれると「シメます」と余裕たっぷりだったが、すでにそんな余裕はなくなってしまったようだ。
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芸能ニュース 2012年07月16日 15時30分
ヒミツの薔薇園(20) KinKi Kids
イケメンの知られざる素顔、ライブやテレビなどでもらした意外な本音、驚きの幼少期や交遊録などをフィーチャーして、丸裸にしちゃおうという連載。第20回目は、KinKi Kidsだ。 今週土曜日、堂本光一と堂本剛のKinKi Kidsが、デビュー15周年をむかえる。97年7月21日に発売されたデビュー曲「硝子の少年」は、オリコン初登場で第1位。しかも、いきなりのミリオンヒット。以降、15年にわたって発表したシングル32作のすべてが、首位。ギネス公認記録になっている。 歌手デビュー前のジャニーズJr.時代から、つねに脚光を浴びていたふたり。先輩ジャニーズのバックダンサーを務めていたときは、配置がセンター。いじめ、少年愛も描いたTBS系ドラマ『人間・失格 たとえば僕が死んだら』では、役者としての評価を高めた。『LOVE LOVE あいしてる』ではじまったバラエティ番組は、『堂本兄弟』をへて現在の『新堂本兄弟』(フジテレビ系列)まで、じつに16年も続いている。 CDデビュー後は、それぞれの個性をふんだんに伸長したのも、KinKiの特色だ。 光一は、自身の番組『ピカイチ』(日本テレビ系列:終了)で、特殊な資格を次々と取得。F-1への造詣も深まらせたそのいっぽうで、もはや代名詞となったミュージカル「Endless SHOCK」は、日本を代表するステージに仕立て上げた。帝劇で初のフライングを導入し、同劇場の単独主演記録のトップに踊りでた。さらに、初演以来全日程が即日完売する記録も、前人未到だ。 同じく、誰もなしとげていないという面では、剛も負けていない。ソロの音楽プロジェクトでは、ENDLICHERI☆ENDLICHERI、244 ENDLI-x、剛紫の名義を使い分け、10年も活動。08年、愛してやまない地元・奈良県の観光特別大使に任命されてからは、神社仏閣ライブを敢行。昨年の平安神宮の模様は、堤幸彦監督によって映画化された。今年は、生まれ育った近鉄西大寺駅から徒歩の場所に「shamanippon ship」という期間限定の会場を設営。5月29日〜今月29日まで、全41公演を開催中だ。 KinKiの成功がなければ、関ジャニ∞も、関西ジャニーズJr.も誕生しなかった。そういう意味では、関西系アイドルのトップランナーであるKinKiはジャニーズの、いや、芸能界の改革家だ。
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
部員死亡事故起こした青森山田高野球部が甲子園予選に出場 遺族と学校に大きな隔たり
昨年12月18日夜、青森山田高校(青森市)野球部の寮で、1年の男子部員が(当時16)が寮の消灯時間後に同級生と焼き肉をしたため、腹を立てた上級生(18)=退学=が顔や背中を殴るなどの暴行をはたらいた。男子部員は意識を失い病院に運ばれたものの、19日未明に死亡が確認される痛ましい事件が起きた。 青森県警は今年1月、上級生を暴行容疑で青森地検に書類送検。上級生は2月に自主退学した。両親側は上級生の暴行により、男子部員が死に至ったと主張。学校側にも管理体制の不備があったとして、4月9日、上級生を傷害致死容疑で同地検に告訴。上級生ら、学校を運営する青森山田学園に計約8700万円の損害賠償を求め係争中だ。 県高野連は同校を春のセンバツ大会の推薦校に選んでいたが、この事件で、同校は推薦を辞退。練習も4月中旬まで自粛した。 「全国高校野球選手権」青森県大会から自粛を解いた同校野球部は、7月13日、同大会の2回戦に登場。昨年10月の秋季東北大会以来、9カ月ぶりの実戦に臨んだ同校は、南部工に11-0で6回コールド勝ち。3回戦では昨夏、今春の甲子園で準優勝を果たしたライバル・光星学院との対戦が待ち受けている。 ナインは今大会に挑むに当たり、亡き部員のため、ユニフォームの胸の部分の内側に喪章を縫い付けて臨んでいる。学園の木村雅大副理事長が手渡したものだ。寮には男子部員の遺影が飾られ、毎朝部員が水や花をあげ、手を合わせているという。 一方、遺族側弁護士は13日、同校に対して、遺族への対応に抗議する文書を送付した。同校側が遺族に直接会って説明していないのに、青森大会に出場することについて、「誠実さはみじんも感じられない。部員同士の事件なのに、事件は過去のものであるかのように振る舞われている」と訴えた。両親側は「息子の死がなかったかのように、県大会に出場することに腹が立つ」と語っているという。また、学園が調査委員会を設置したことについては、「裁判対策や大会出場に向けたアピールとしか思えない」と批判。 くしくも、遺族と学校には、いまだ大きな隔たりがあることが明らかになった。しかし、事件に関わりがない野球部員に罪はない。遺族の思いとはうらはらに、青森山田高野球部の熱い夏は続く。(蔵元英二)
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
失明しても野球観戦中のケガは自己責任か?
北海道札幌市の30代主婦が、札幌ドーム(札幌市豊平区)でプロ野球観戦中にファウルボールが当たり失明したのは、「ドームが安全対策を怠ったため」として、札幌ドームと施設所有者の札幌市、試合主催者の北海道日本ハムを相手取り、計約4700万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。 訴状によると、女性は10年8月21日、一塁側内野席10列目で日ハム対西武戦を観戦中、日ハム選手のライナー性のファウルボールが顔面を直撃。顔面骨折し、右目の視力を失った。女性側は「被告側が防球ネット設置などの安全対策を怠った」としている。 札幌ドームは06年3月、内野席フェンス上にあった防球ネットを撤去した。ドームが女性側に開示した記録では、日ハム主催試合で起きた観客の打球衝突事故が09年に94件、10年に99件あった。女性側は「ドームは06年以降の事故多発を認識していたが、ネット再設置など十分な対策を怠った」と主張している。 野球観戦中にファウルボールが当たってケガを負った観客が、主催球団などを提訴した例は数件ある。類似例としては、宮城県の40代男性が、08年5月にKスタ宮城で楽天対西武戦を内野席で観戦していた際、ファウルボールが右目に当たり、視力が0.3から0.003に落ちたケースがある。男性は視力が低下したのは、ネット配置などの安全対策を怠ったのが原因として、主催者の楽天野球団と球場所有者の同県に、約4400万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。 昨年2月24日、仙台地裁は男性の請求を棄却した。裁判長は「安全対策に合理性が認められる場合、来場者に危険なことが起きても、球場の設置者にとっては不可抗力というべきだ」とした上で、フェンスの高さやファウルボールへの注意を促す看板を設置していることを挙げ、「球場として通常備えるべき安全性を備えている」と指摘。また、「臨場感も観戦における本質的要素で、必要以上に過剰な安全施設は観戦の魅力を減少させ、プロ野球の発展を阻害する要因になりかねない」との解釈も示した。 これまで、同様の裁判で観客側が勝訴した例はない。野球を内野席で観戦する以上、ファウルボールが飛んでくるのは前提としてあり、観客側にも注意義務がある。ただ、今回のケースでは女性の代理人弁護士は「球場には子供や女性、高齢者もおり、注意義務にも限度がある」と主張している。確かに、それにも一理ある。果たして、たとえ失明しても、野球観戦中のケガは自己責任になるのかだろうか?(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
レンジャーズ「ベンチ裏情報」 注目度ナンバー1はダルビッシュではなく、アノ男
7月末の“トレード締め切り日”が近づくにつれ、上原浩治(37=テキサスレンジャーズ)の『与四球』の少なさがクローズアップされそうだ。 「右脇腹の筋肉を痛めていた上原は14日にマイナー登板する予定で(10日時点)、故障個所への影響がなければ近いうちにメジャーに復帰すると思われますが、今のところ、具体的な日程に関しては球団から発表がありません」(現地特派記者の1人) この「球団発表がない」というのが、“怪しい”のだ。他球団は「上原のトレード期限直前での放出もあり得る」と見ており、その動向に注目している。 一般論として、メジャーリーグでは7月末のトレード期限に『駆け込みトレード』が多く成立する。優勝圏内にいるチームは『弱点』を補うためにピンポイントでのトレード補強を行い、首位戦線から完全に脱落してしまったチームは、来季に向けてベテランや高年俸選手を放出し、有望な若手選手を獲得して来季に備えようとする。レンジャーズは『前者』の立場にあるものの、ペナントレースの折り返し地点ともいえる球宴休み目前に、何人かの主力投手がDL入り(故障者リスト)してしまった。 前出の現地特派記者がレンジャーズの戦況をこう説明する。 「先発のルイス(元広島)が18日にメジャー復帰する予定で、セットアッパーのオガンドは早ければ17日からチームに合流するそうです。マイナーでの調整登板の時期はほとんど変わらないのですが、上原に関してはメジャー復帰の時期は明らかにされていません」(同時点) 結論から先に言えば、上原に関する評価はレンジャーズと他球団では大きく異なり、トレード放出される可能性も高い…。 「試合の要所で上原を使わないのなら、トレードで獲得したい!」という球団は少なくないそうだ。 前半戦の上原は20試合(21回3分の1)に登板し、防御率2.11。勝敗もセーブも付いていないが、与四球は僅か「2」。DL入りするまでは、WHIPは0.54で、全メジャーのリリーバー・ランキングで4位。『B/KK』ではリーグ2位という好成績をおさめていた。しかし、米国人ライターはこう言う。 「レンジャーズのロン・ワシントン監督は上原をモッパー(敗戦処理)か、ミドルマン(6、7回に投げる中継ぎ)としか見ていません。20試合に登板したと言っても、『5点以上リード』した場面での登板が7試合、あとは同点か、ビハインド・ゲームでの登板ばかりで…」 その理由は、ホームラン・リスクにある。昨年、上原はオリオールズから途中移籍してきて、プレーオフを含めると19イニングで8本の本塁打を献上している。今季の被弾もすでに3本、オープン戦でも4本塁打を浴びている(9イニング)。レンジャーズの本拠地は広域球場と見られているが、テキサスは高温乾燥地帯にあるため、「本塁打の出やすいヒッターズ・パーク」と位置づけられている。ワシントン監督からすれば、被弾のリスクが怖くて、「上原は僅差の場面で登板しにくいタイプ」(同)に映るのだと言う。 「他球団の評価は違います。被弾の多さは環境が変われば解消されるとし、WHIPの数値の高さに注目しています。救援投手が不足しているチームからすれば、魅力的な投手です」(前出・米国人ライター) 上原放出の可能性が高いのは、他球団の高評価だけが理由ではない。レンジャーズは通算159勝のベテラン、ロイ・オズウォルトを途中獲得している。現在はマイナーだが、「夏場以降に昇格させる予定で調整させている」とのことで、その場合、レンジャーズの先発投手5人のなかから1人がリリーバーにまわされる。そうなると、リリーバーに飽和状態となる。また、オズウォルトを昇格させるとき、誰か1人を抹消しなければならない。その標的は「首脳陣からの信頼が薄い上原」と見るべきではないだろうか。 「今年1月、ブルージェイズとレンジャーズの間で上原のトレードがいったん成立したんです。しかし、上原が『ノー・トレード条項』を行使し、トロントに転居することを拒み、ご破算になりました。セットアッパーを探しているチーム? ヤンキース、レッドソックス、レイズ、ジャイアンツ。上原の古巣のオリオールズも人材難ですし、カージナルス、メッツ、パイレーツも食指をのばす可能性があります」(現地関係者) 上原のトレード・バリューは高い。ブルージェイズへの移籍は拒んだとはいえ、「敗戦処理のような立場」から抜け出すには、環境を変える必要もある。同僚・ダルビッシュを蹴落として、後半戦の主役に躍り出るかもしれない。※WHIPは1イニングあたりに許した走者(安打プラス四球)の数、『B/KK』は三振と四球の割合(奪三振数÷与四球)。メジャーリーグではリリーバーを評価する指標としても使われております。
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その他 2012年07月16日 12時00分
本好きオヤジの幸せ本棚(13)
◎オヤジ人生にプラス1のこの1冊『楽園のカンヴァス』(原田マハ/新潮社 1680円) 小説や映画を楽しむには、ある程度の時間が必要である。一瞬でストーリーを理解することはできない。映画であればおおむね2時間上映の作品が多い。2時間使わなければ楽しめないのだ。しかし絵画は違う。数秒だけ目を向けるか、じっくり見つめるか、鑑賞者の自由なのである。それがいい、という絵画ファンは少なくないのではあるまいか。ストーリーがないからこそ、頭の中をフル回転させる。過去の自分の体験を回想したり、勝手な独自のストーリーを空想したりする。 本書は5月に第25回山本周五郎賞を受賞した作品だ。ニューヨーク近代美術館のアシスタント・キューレターであるティム・ブラウン。彼はコレクターからの依頼を受けてアンリ・ルソー作とされる1枚の絵が本物か偽物か鑑定することになる。依頼者はもう1人ルソー研究で名高い女性も招いていた。2人を競争させるつもりなのだ。負けてなるものかと必死になるティムだが…。第一級のミステリーである。殺人ではない美術品の謎を追う話なのに、まさしく手に汗握ってしまうのだ。作者は美術館勤務などを経てフリーのキューレターとして活躍後、2005年に小説家デビューを果たした。しかしアート業界を本格的に題材とした作品は初めてで、やはり元々の得意分野にがっちり取り組んだからこそ力作に仕上がったのだ。絵画に対する愛情に満ち溢れている。(中辻理夫/文芸評論家)◎気になる新刊『TRINITY-SLIM』(SHIHO/SDP・1680円) とにかく“痩せ本”ブームである。意気込んでチャレンジするものの「これは合わない!」とあきらめ、複数冊買い続けている人がいるのだろう…。どうせならエロい方がイイ。この新刊の付録DVDは、そういう意味でとても実用的だ。◎ゆくりなき雑誌との出会いこそ幸せなり デパ地下、つまり食料品売場を特集したのが、雑誌『MONOQLO』特別編集版『デパ地下覆面調査!!』(晋遊社/680円)だ。 行列ができると評判のスイーツは、本当に美味いのか…といった覆面調査をはじめ、サラダ、ハンバーグ、和・洋惣菜、フライ、天心まで、東京・名古屋・大阪デパ地下の話題の商品をA・B・C評価で抜き打ちランク付けした雑誌である。 評価を下すのは料理研究家やフード・コーディネーターら、食のプロたち。話題性やブランドに流されず、あくまで味で評価する姿勢を貫いているため、骨太なグルメ雑誌に仕上がっている。 加えて接客態度や百貨店フロアの構造なども分析し、“お客様”の目線に立って誌面を構成している。したがって、批判・辛口評も少なくない。 掲載された百貨店にとっては耳の痛い記事もあるだろうが、提灯記事ばかりのグメル雑誌の中で、あえて批判精神にこだわったところが痛快だ。(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表) ※「ゆくりなき」…「思いがけない」の意