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芸能 2014年07月22日 15時30分
【週刊テレビ時評】夏ドラマ… キムタク「HERO」以外は早くも総崩れの様相か?
初回(7月14日)で26.5%(数字は以下、すべて関東地区)の高視聴率を弾き出した復活「HERO」(木村拓哉主演/フジテレビ/月曜日9時〜)の第2話(同21日=15分拡大)は19.0%で、7.5ポイント大幅ダウンする結果となり、先行きに不安をのぞかせた。 とはいえ、19.0%はそれでも高い数字。他の連ドラはというと、夏ドラマは始まったばかりだというのに、早くも総崩れの様相も呈してきた。 初回で15.3%と、「HERO」に次ぐ視聴率を挙げたTBS「おやじの背中」(日曜日午後9時〜)の第2話(同20日)「ウエディング・マッチ」(役所広司&満島ひかり主演)は9.2%で、6.1ポイント下落。毎回、脚本家と役者が変わるオムニバスドラマであるため、安定した数字をマークすることは困難だと思われる。 フジテレビ開局55周年記念ドラマ「若者たち2014」(妻夫木聡主演/水曜日午後10時〜)は初回(同9日)で12.7%を挙げたが、第2話(同16日)は7.8%と4.9ポイントもダウン。共演は瑛太、蒼井優、長澤まさみ、吉岡秀隆、満島、橋本愛といった豪華メンバーで、この数字はあまりにも寂しい。 AKIRA主演の「GTO」(フジ/火曜日午後10時〜)第2話(同15日)は7.1%、「信長のシェフ」(玉森裕太主演/テレビ朝日/木曜日午後7時58分〜)第2話(同17日)は6.1%、「家族狩り」(松雪泰子主演/TBS/金曜日午後10時〜)第3話(同18日)は5.6%と早くも苦しい状況に陥った。 先週スタートしたドラマでは、上戸彩が不倫妻を演じる「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(フジ/木曜日午後10時〜)初回(同17日=15分拡大)は13.3%。武井咲主演「ゼロの真実〜監察医・松本真央〜」(テレビ朝日/木曜日午後9時〜)初回(同17日=15分拡大)は13.1%。藤原竜也主演「ST赤と白の捜査ファイル」(日本テレビ/水曜日午後10時〜)初回(同16日=15分拡大)は13.6%。Hey!Say!JUMPの山田涼介主演「金田一少年の事件簿N(neo)」(日本テレビ/土曜日午後9時〜)初回2時間スペシャル(同20日)は12.4%とまずまずだったが、第2話でどう推移するか。 一方、「東京スカーレット〜警視庁NS係」(水川あさみ主演/TBS/火曜日午後10時〜)初回(同15日=15分拡大)は9.8%、「あすなろ三三七拍子」(柳葉敏郎主演/フジ/火曜日午後9時〜)初回(同15日=15分拡大)は7.7%と、いきなりの1ケタ台。 また、ここ数週、好視聴率を挙げていたNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(岡田准一主演/日曜日午後8時〜)第29話(同20日)は19.4%。これは初回(1月5日)の18.9%を抜いて、7カ月目にして過去最高を記録。一度もマークしていない20%台も視界に入ってきた。(坂本太郎)
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ミステリー 2014年07月22日 15時30分
日本のUFO事件の原点!? 「うつろ舟の怪女」 当時のオタク集団が出した結論とは?
7月10日、千葉県知事の森田健作氏が定例会見にて「高校生の頃『UFO研究会』に入会していた」と発言しUFOファンの間で話題になっている。 報道によると森田氏は「宇宙にはたくさん星があるのだから我々の知らない生命体は必ずいるはず」、「僕が生きている間に宇宙人がいることを証明してほしい」と身振り手振りで熱く語っていたという。 往年の青春スター、そして現職の知事である森田健作が若い頃UFO・宇宙人にお熱だったというのは驚きであるが、芸能人のUFO好きは多く「若大将」こと加山雄三氏も自他ともに認めるUFOマニアで、噂によると加山氏も一時期、森田氏と同じ研究会に加入し、「UFOのつくり方」という謎の技術までマスターしたという(ふたりともスポーツマンタイプ青春スターという共通点が。UFO探索は昭和のスポーツなのだろうか…)。 さて、このように有名人がUFOの存在を研究する、または目撃するという事例は非常に多い。今回はその原点ともいうべき、「元祖・日本のUFO事件」をご紹介しよう。 『南総里見八犬伝』で今も親しまれている江戸の小説家・滝沢馬琴。 彼は森田健作・加山雄三両氏と同じく、不思議なものが大好きであり、文政八年に「兎園会」なる世の珍奇なモノを語り合う会を仲間たちと発足させている。 今でいうオタク、当時の言葉で好事家であった滝沢馬琴は、他にも「耽奇会」という文人倶楽部にも顔を出し、日本中の不可解な話を集めていた。 こうして採取した色々な奇談を一冊にまとめたのが『兎園小説』である。 この本に記されているのが日本のUFO談の第1号とされる「うつろ舟の蛮女」である。 1803年(享和3年)、2月22日午後常陸国(今の茨城県、福島県あたり)のはらやどりという浜に奇妙な物体が漂着する。 漁師達がその物体を浜辺まで引き寄せて確認すると、今まで見たこともないような異形の船であった。 香の入れ物やお釜に似た円形で、直径は三間程、上部はガラス張りで、松ヤニか何かを使って隙間なく固めてあった。 しかも、船体には判読不能な蛮字が描かれており、乗っていた女性は眉と髪が赤く、全く言葉が通じなかった。 この女性は、地元住民が協議している姿をのどかに見つめながら、笑顔で二尺四方の箱を大事そうに抱えていたというのだ。 結局、面倒なことになるのを恐れた村人は、この船を女性ごと再び海に押し流してしまったという。 まことに不気味な話であるが、ディティールの細かさ(乗っていた女性は可哀想ではあるが)流れ着いた舟を送り返すという人間心理から考えて100%作り話だったとは考えにくい。 時は流れ、現代のオカルト愛好家達は、妄想を膨らませて、このうつろ舟の女の正体に関して、色々な推理を展開している。 なかでもよく聞かれるのが、「うつろ舟=UFO」説である。 画像のように、うつろ船の船体に描かれている謎の文字(蛮字と文中では表現されている)には、「王」のような文字も見える。20世紀以降に評判となったウンモ星人のマークと非常に似ているのだ。偶然とはいえ、不気味この上ない。 なお、江戸時代の知識人は、不義密通をしたロシアの王族の娘を殺すには忍びないので、船に入れて流したとのではないかと推測している。穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
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スポーツ 2014年07月22日 15時30分
メッツ・松坂大輔はあくまでも“便利屋” 再びリリーフに降格
メッツのテリー・コリンズ監督は、故障者リスト(DL)入りしていた左腕のジョナサン・ニース投手(27)の復帰に伴い、先発ローテーションに入っていた松坂大輔投手(33)を、再びリリーフに回すことを明言した。 今季の松坂はマイナースタートとなったが、3Aで好投を続け、4月16日(日本時間17日)にメジャー昇格。リリーフで実績をつくって、5月25日(同26日)のダイヤモンドバックス戦で初先発し勝利投手となった。その後、いったんはリリーフに戻ったが、右腕のディロン・ジー投手(28)の離脱で、先発に回った。ジーの復帰と、ニースの故障者リスト入りがほぼ同時期だったため、松坂は先発ローテーションに残留していた。 松坂は26試合に登板し、3勝3敗1セーブ、防御率3.55の成績。リリーフでは17試合で防御率2.22だが、先発9試合では2勝3敗、防御率4.24だった。 コリンス監督は「現時点でダイスケがブルペンに行く予定だ。チームにとても貢献してくれた。先発投手として、素晴らしいピッチングだった」とコメントしており、松坂の役回りはあくまでも“便利屋”の扱いであることがハッキリした。 ただ、メッツは今季先発で8勝を挙げている右腕のバートロ・コローン投手(41)を交換要員にして、トレードを画策しているともいわれている。7月31日の期限までに、コローンのトレードが成立した場合は、松坂が先発に戻される可能性もあり、流動的な部分も秘めている。 いずれにせよ、今季の松坂はメッツに在籍しているかぎりは、チーム事情に沿った不安定な起用法が続くことになりそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2014年07月22日 15時00分
球宴パ監督騒動 星野監督vs三木谷オーナー丁々発止全真相(1)
楽天イーグルス・星野仙一監督の怒りは、三木谷浩史オーナーに対する“不信感”そのものかもしれない。 7月12日、東北楽天ゴールデンイーグルスはNPB(日本野球機構)事務局に電話を入れた。星野監督のオールスターゲームの辞退を正式に伝えるためだ。楽天側は神妙な口ぶりで「申し訳ございません。これ以上引っ張るのは、失礼ということで…」と謝罪の弁を並べたが、NPB上層部の怒りは増すばかり。「どうしてこの時期に!?」との疑念がパ5球団の本音である。 「連絡が入ったのが土曜日ですよ。球宴本番まで1週間を切っており、再び早急にパ・リーグの指揮官の代役を決め直さなければなりません。月曜日に試合が入っているチームもあれば、移動中のチームもある。とにかく、14日の月曜日中に決めないと…。今回のドタバタは楽天球団と星野監督の対立に発展するかもしれません」(球界関係者) 全パの監督は、楽天の監督代行だった佐藤義則投手コーチが務めることで一度は落ち着いた。しかしその後、監督代行が大久保博元二軍監督に交代。チーム指揮権を預かってまだ日が浅いため、さすがに大久保代行に球宴の指揮までは任せられない。このとき、すでに“楽天への不信感”は寄せられていた。 「星野監督の臨時指揮が提案され、楽天も合意していました。無理ならば、この時点で言ってほしかった」(同・関係者) 星野監督は胸椎黄色靱帯骨化症などと診断され、手術を受けたばかりの身体。この関係者によれば、回復具合は「全て楽天を介して知らされている」という。 球宴での臨時指揮が難しいのであれば、この時点で伝えればいいだけのこと。楽天が不信感を買った理由はその時点で断らず、パ・リーグ理事会、NPBの通告を自軍に持ち帰り、後になってから「できません」と伝えてきたことにあるようだ。 パ指揮権を巡る喧騒をあらためて振り返ると、意外な抗争図式が見えてくる。 楽天首脳陣が佐藤コーチから指揮権を剥奪すると決めたのは、7月1日のオリックス戦後。4点差をひっくり返された試合内容に愕然とさせられ、立花陽三球団社長、安部井寛統括本部長らが深夜に“トップ会談”を行い、大久保体制を決断した。大久保代行は二軍戦の行われていた宮城県仙台市にいた。2日早朝、大久保代行の元に電話が入り、神戸の一軍に合流して今日に至るわけだが、今思えば彼らの行動には“周到”さを垣間見ることができる。
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レジャー 2014年07月22日 15時00分
伝説の美熟女女優 紫彩乃が再々デビューの心境を語る
03年デビュー、熟女系女優として絶大な人気を誇り、06年の病気療養の為の引退を経て、10年10月に再デビュー、13年2月に2度目の引退宣言をした紫彩乃が今年の7月より再々デビューを決意。復帰に至った経緯などを彼女が働いている都内のキャバクラ「shunga」で聞いてみた。 −−まず再々デビューを決意した理由などをお聞きしたいのですが、なにか心境の変化などがあったのでしょうか。 「キャバクラに紫彩乃として出るよようになったのがきっかけですね。最初はキャバクラだけのつもりで、AVの方には出ない予定だったのですが、ファンの方が沢山いらっしゃってこう…、『新作がみたいんです!』と強く言われるんですね(笑)。(キャバクラで)働いてから一週間くらい経つと、『再デビューおめでとう』なんて、もう再デビューするものだと思っている方もいらっしゃって、もう一度やってみようかなと思いました」 −−最初の引退は病気療養で、2度目の引退も病気の事を考えてのことが大きいと聞きましたが、その後はどうなのでしょうか。 「はい、17歳の時から股関節あたりの骨肉腫で、幸い良性だったのですが、今回3度目の手術をしまして、人工骨をいれました。病院の先生にはもう大丈夫だといわれています。それでも、半年に1回くらいは検査しないといけないそうですが」 −−ということは今回の活動が長期的なものになると考えても。 「そうですね、長期的になると思います。病気とかで長期で休む場合は今度は休業という形にしようかなと思っております(笑)」 −−まさに骨身を削って仕事をしている感じですね、凄いです…。 「いえいえ(笑)、身を削ってやっているのは私だけではなく、皆なにか想うことがあってこの業界(AV業界)でやっていると思うので、私もそのひとりというだけです」 −−もうセンタービレッジやマドンナの作品が撮影済みだそうですが、昔となにか変わったことなどありますか。 「個人的には落ち着いて現場でやれるようになったというのが大きいですね。周りの変化でいうと、私がデビューしたころは、18歳〜20歳くらいのADさんだった人が、監督や助監督さんになっていたりして、現場で“監督!”なんて呼ばれたりしてるんです。ほんと皆さん頑張っているんだなと思います。もう、『○○ちゃん』なんて気安く呼べないですね(笑)。皆が色々苦労しながら続けて来たんだなと思うと、なんで私はその時そこにいなかったんだと寂しく思う時もあります」 −−でも、現場に彩乃さんがいらっしゃると、懐かしく思う人も多いのではないですか。 「そうですね、昔ながらのプロデューサーさんとかには、『君がいてくれなきゃ』といってもらったりしています。最初は再々デビューするといってもオファーなんてこないと思っていたのですが、いまのところ7本くらいお仕事頂いていて、本当にありがたいと思っています」 −−仕事のオファーの数が多いのも彩乃さんの魅力あってのものだと思いますよ。 「過去に私は、業界内のアンケートの、“もう一度仕事をしてみたい女優”でナンバーワンになったことがありまして、最近変わった新しいマネージャーさんにも、『こんなにお礼いって帰る人初めて見ました』なんていわれました(笑)。でも、そのおかげで今回も沢山のメーカーさんが手を挙げてもらえたのかなと思うと、ああ、この仕事しててよかったなーと思いますね。でも、現場があると凄く緊張するんですよ。前日寝られないですもの(笑)」 −−再々レビューということで、今後やってみたい新しいことなるありますでしょうか。 「最近アダルトと芸能業界が近くなっているで、芸能活動もしてみたいかなと思います、昔サンテレビさんとかで朗読とかやっていたので、またやってみたいです。あと、お笑いとか楽しいイベントなどもやってみたいですね。あと、ちょっと変わったイベントとしては、私は病気だったので、障害や病気を持っている方を励ましたりする感じ活動もしてみたです」 −−ファンの皆さんに何か伝えたいことがあればお願いします。 「今後もいろいろと全力でがんばっていきますので、一緒に見守っていてほしいです、お願いします。あと、私に実際にあうと『え、こんな人だったの』よく喋る私に驚いてくれる方が多いので、是非、キャバクラの方にもいらしていただいてお話できれば嬉しいです」※紫彩乃さんが働いているキャバクラ「shunga」で、本誌の記事を見たと話すと割引のサービスを受けられます。紫彩乃の出勤予定につきましては、公式URLで確認してください。■「shunga」URL http://www.s-shunga.jp/
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社会 2014年07月22日 13時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第85回 日本経済の悪魔とは何なのか?
安倍晋三総理大臣は6月30日、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙に「私の第三の矢は悪魔を倒す」という、極めてセンセーショナルなタイトルの論文を寄稿した。 総理は「改革」の実例として、法人税率を2.4%引き下げたことを挙げ、来年度以降も税率をさらに引き下げる「予定」と書いている。法人税引き下げの理由は、「経済成長を促進し、グローバルな投資家を引き付けることにつながる」ためだそうだ。 さらに、総資産130兆円の年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)について、「前向きな改革」を推進するとのことである。 具体的には、GPIFのポートフォリオの見直し、すなわち株式の割合を高めることで、グローバル資本を呼び込むわけだ。 また、総理は各種の規制の撤廃、特にエネルギーや農業、医療分野を外資に開放することを言明したわけだから、愕然としてしまった。 加えて、「女性の社会進出」が重要として、「働く母親のために家事を担う外国人労働者の雇用を可能にする」と約束したのに至っては、言葉もない。 日本はいつから、外国人労働者に家事を任せ、主婦が働きに出るような文化の国に「落ちぶれて」しまったのか。 ちなみに、総理の寄稿は外務省のホームページでは、タイトルが〈私の「第三の矢」は、日本経済につきまとっていた悪鬼を退治する〉となっている。 悪魔だろうが、悪鬼だろうが、総理大臣自らこの手の抽象的な「レッテル貼り」をする姿勢は容認できない。リーダーが抽象用語で印象操作を図るような国の政府に、まともな政策を打てるはずがない。 そもそも、日本経済の悪魔とは、何のことなのか。「第三の矢」で倒すと言明している以上、我が国の国民や企業を「保護」している各種の規制のことなのだろう。 しかも、エネルギーや農業、医療、つまりは「エネルギー安全保障」「食料安全保障」「医療安全保障」という、日本国民の安全保障と直結する分野について「外資に開放する」と言う。 ここまで来ると、常識を疑うという表現を使わざるを得ない。安倍総理は「保守派」の政治家だったと記憶している。「保守派」とは、安全保障を重視するのではなかったのだろうか。 別に、保守派の定義といった神学論をしたいわけではない。ちなみに、筆者は自ら保守派と名乗ったことはないが、それにしても「安全保障を軽視する」安倍総理の寄稿には、強く反発させて頂く。 安倍総理の寄稿は、要するに「規制緩和やグローバル化(=国境を越えた規制緩和)により、日本の構造改革を成功させる」という話なのだが、この手の「改革」が厄介なのは、際限がないことである。 例えば、エネルギー分野の「規制緩和」とは、果たしてどの時点に行き着けば、完成という話になるのだろうか。 電力の小売り部門の自由化や、発送電分離、電力卸売市場の設立など、いわゆる「電力自由化」を実現した(ちなみに、筆者は電力自由化に猛烈に反対している論者の一人だ)として、まだまだ「規制緩和」しなければならない部分はある。 すなわち、国境という規制だ。 国境という規制を「緩和」し、外国資本の国内電力サービスへの参入を「完全自由化」する。結果的に、日本の産業や生活、さらには安全保障の「基盤」たる電力サービスの多くが外資の傘下となり、初めて「規制緩和のゴールを達成した」という話になるのだろうか。 まるで植民地支配を受けている国のごとく、我が国が電力サービスを主体的にコントロールできない状況になって初めて、構造改革主義者たちは満足するのだろうか。 当たり前だが、自由化が大好きなアメリカですら、電力に代表される「国家の基盤」たるインフラストラクチャーについては、外資系の資本参加を無制限には認めていない。理由は、安全保障上の問題が生じてしまうためだ。 かつて、UAE(アラブ首長国連邦)の国営企業であるドバイ・ワールドの子会社『ドバイ・ポーツ・ワールド(DPW)』が、'05年にニューヨーク港、ニューアーク港、フィラデルフィア港、ボルチモア港などにおいてコンテナターミナルを運営していたP&Oを買収しようとした際には、米下院で猛烈な反発が沸き起こった。 下院議員たちは、アメリカの「インフラ防衛」を優先すべしと主張し、投資の自由を主張するブッシュ大統領(当時)と対決。最終的に、DPWはアメリカ撤退に追い込まれてしまった。 規制(※「国境という規制」を含む)とは、国民の安全保障や生活の安定、福祉の充実などを目的に定められた「法律」なのである。 規制が守っているものは、構造改革主義者の言う「既得権益者」ではなく、その国の国民や産業、環境なのだ。 一例を挙げると、安倍政権が「岩盤規制」として批判している「労働規制」が守っているのは、日本国民の労働者である。 企業などで働き、所得を得ることは、国民が健全な生活を送るための基本と言える。「国民が生きるための基本」を法律で保護することは、国民主権国家の政府としては、当たり前の役割の一つだ。 むろん、あまりにも労働規制が強固になり過ぎると、企業活動の妨げになり、スタグフレーション(不況であるにもかかわらず、物価が上がり続ける状態)を引き起こすケースもある。 また、労働規制を緩和し、企業の人件費削減を容易化すると、確かに短期的な利益は増える。企業の利益と、国民の「安定的な生活」は、ときにトレードオフ(一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ない状況)の関係になってしまう。 だからこそ、全体のバランスを考慮し、企業利益と国民生活の安定の両立を実現する政策を実施することもまた、政府の役割の一つになるのである。 労働規制に限らず、現在の安倍政権の「第三の矢」はあまりにも拙速で、企業利益追求にバランスが傾きすぎているように見える。 日本経済に「つきまとっている悪鬼」とは、規制ではなく「デフレ」であり、国民の「貧困化」だ。そして、第三の矢と呼ばれる「成長戦略(=規制緩和)」はデフレを促進する。これは、彼の竹中平蔵氏や、岩田規久男日銀副総裁すら認めた事実である。 果たして、本当の意味での「日本経済の悪魔」とは何なのか。読者も是非、ご自身の頭で考えて頂きたいのである。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2014年07月22日 13時00分
福島原発「作業員6000人」の現実 現役作業員が内部告発(第4弾) 「週刊実話のスパイがいる!」犯人捜しとなった敷地内 ジャーナリスト・水石徹(1)
前号で触れた通り、原発作業員の採用ハードルは“猫も杓子も”といった具合で、極めて低い。だが採用が決まって、いざ現場(福島第一原発)に入るとなると、その際のチェックは、 「想像していたよりはるかに厳しい」 と原発作業員の桜井正雄さん(仮名)は言う。 作業員宿舎が多いのは、浜通り南部のいわき市内とその周辺。共同生活を嫌がって、アパートを借りている者もいる。ほとんどが自分の車を持っているので、宿舎、アパートから直接現場へ行きたいところだが、しかし決まりがあって、それができないんだ。 まず、いわき市の北にあるJヴィレッジ(広野町・楢葉町)に集まり、そこからマイクロバスか大型バスで現場へ向かう。自宅通勤の作業員も同じだね。 バスを用意するのは、元請けの大手ゼネコン。しかし、大成建設の下請けや孫請けの作業員が鹿島のバスに相乗りするのはご法度。だから元請けがそれぞれバスを用意しなきゃならない。 バスがJヴィレッジを出発したら、そのまますんなり現場へ直行できるかというと、そうじゃない。事故原発は双葉町、大熊町にまたがり、その南に富岡町があって、そこを通る国道6号線に検問所があるんだ。 そこで東京電力の関係者10人近くが旗を振って待ち構えている。そこには警察官の詰所もあって、常時、パトカーが4〜5台待機している。作業員を装った不審者が紛れ込んでいないかどうかチェックを受けて、やっと現場へ向かって走り出す。毎日がその繰り返しで、早番は朝5時から、遅番は昼から、そして夕方出勤の者もいる。 現場に着くと、今度は警備員詰所があって、そこで顔写真入りの入域カードをもらわないと敷地内に入れない。入域カードの受取りは、それぞれが首にぶら下げた身分証明カードと交換する決まりになっている。 実は、6月中旬、こんな事件があってね。原発警備員(いわき市在住=24)が金属バットでブン殴られ、送り出していた人材派遣会社の役員(36)ら2人が監禁、傷害容疑で逮捕された。 警備員が「仕事を辞めたい」と言い出したら、 「この野郎、フザけんな!」 となったらしい。その警備員は茨城県古河市で監禁され、いわき市まで車で運ばれた。その間にバットで殴られたってわけ。 警備員は、俺たちみたいに“あれやれ、これやれ”と奴隷みたいにこき使われるわけじゃないが、やはり放射能が怖いんだよ。だから職場を変えたくなるのは当然だ。それなのに、「辞めたい」と言ったばかりにブン殴られるなんて、気の毒でならんよ。
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芸能 2014年07月22日 11時45分
徹底的に“逃げ切り”戦略で戦うことになりそうなASKA被告の愛人裁判
男性デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA被告とともに逮捕され、愛人とされている、覚せい剤取締法違反(使用)の罪で起訴された栩内(とちない)香澄美被告の初公判が22日の午後、東京地裁で開かれる。 逮捕後、栩内被告は尿と毛髪から覚醒剤の陽性反応が出ているが、一貫して容疑を否認。 各スポーツ紙が裁判に関する記事を掲載しているが、約30席分の傍聴券が抽選で配布予定で、注目度が高いだけに高倍率は必至な状況だとか。さらに、「栩内被告は某大手人材派遣会社グループのトップの紹介でASKA被告と知り合い、そこで関係を深め“シャブSEX”に溺れていたとされる。そのため、少しでも中に入るマスコミ関係者を減らすため、同グループが傍聴券をゲットするため、大量にアルバイトを投入する可能性もささやかれている」(週刊誌記者)。 次回公判でASKA被告が証人として出廷する可能性を指摘する専門家もおり、そうなると、「ASKA被告が栩内被告の覚せい剤使用について証言した場合、栩内被告の心証は明らかに悪くなるが、どうやら栩内被告は同グループが腕利きの弁護士を用意しているというから、『ASKA被告に「強要された」という流れに持って行き徹底的に“逃げ切り”の戦略で戦うことになりそう。栩内被告をしっかりケアしておかないと、今後、同グループを揺るがすような“爆弾発言”が飛び出す可能性がありそうなだけに、徹底的にガードされることになる」(全国紙社会部記者)という。 栩内被告は初犯のため、否認したまま結果的に有罪となったとしても、量刑は懲役1年6月、執行猶予3年が見込まれているというが、となると、後はASKA被告との関係について赤裸々な供述が飛び出すかが注目される。
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芸能 2014年07月22日 11時45分
握手会再開で泣きが入るレコード会社
復活したAKBグループの握手会だが、レコード会社が悲鳴を上げている。5月25日に岩手県滝沢市で発生したメンバー襲撃事件の影響で延期されていた握手会が7月に入って復活した。ただ、この握手会復活に泣きが入っているのがレコード会社だ。 「握手会というのはCDに入っている特典で、買ってくれた人に対するもの。そういう考えだから、CDを発売するレコード会社が握手会イベントの費用を受け持っているんです。実際、AKBグループはCDも売れるし、イベント費用を差し引いても十分利益が上がるものなのですが、事件以降は『ちょっと費用がかかりすぎる』と嘆いています」とはある音楽関係者。 その掛かる最大の費用というのが「警備員」だという。5日の握手会では警備員はこれまでの7倍にあたる350人に増員された。「単純計算で、仮に1人3万円だとしても、もともとは50人ぐらいでまかなえたものが、7倍ですからね。それだけで1000万円になる計算じゃないですか。かかる警備員の費用がハンパじゃない。ここまでの経費ではいくらCDが売れても元が取れないってことになってしまうんです」と同関係者。 とはいっても事件が起きたばかりで、いまタレントに何か起きたらそれこそ大問題になってしまうし、マスコミの目もどれだけ警備が強化になっているかということに注目が集まっている。「当面は、この厳重警備もいたし方がないでしょうと割り切るしかいないですが」と同関係者。 平常なトーンで握手会が行われるようになるのはいつの日になるのか。
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その他 2014年07月22日 11時45分
セーラー戦士とタキシード仮面に1200人のファンが大熱狂
21日、「ミュージカル美少女戦士セーラームーン-La Reconquista-」のDVD発売と、新作ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-Petite Etrangere-」の公演を記念し、ミュージカル出演キャストによるフリーライブ&トークイベントが、サンシャインシティ池袋噴水広場で行われた。 イベントにはセーラームーン役の大久保聡美の他、小山百代(セーラーマーキュリー)、七木奏音(セーラーマーズ)、高橋ユウ(セーラージュピター)、坂田しおり(セーラーヴィーナス)、元宝塚女優で、前作に続いて本作でタキシード仮面を演じる大和悠河の6人が登壇。会場に駆けつけた1200人を超えるファンの盛り上がりは、開演前から最高潮で、とくに大和演じるタキシード仮面が颯爽と姿を現すと、会場全体から熱い声援が巻き起こった。 会場では、『We are the Pretty Guardians』、『参上! タキシード仮面』、『ムーンライト伝説(ももクロうたなしver)』の3曲を熱唱し、息のあったパフォーマンスを披露。トークでは新作ミュージカルについての意気込みを順に聞かれ、坂田は、「今年は大阪公演もあるのでとても楽しみです」とコメント。大和は、「昨年よりもさらに、さらに熱く、セーラームーンを、そして戦士たちを守っていきたいと思います」と答え、最後は大久保が、「皆さん、観に来てくれないと『月にかわっておしおきよ!』」と同作の決め台詞を披露し、ファンの大声援を受けつつイベントを締めた。 新作ミュージカル、「美少女戦士セーラームーン-Petite Etrangere-」は、8月21日から31日まで東京・AiiA Theater Tokyoで、9月5日から7日まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、前作同様、宝塚さながらのオール女性キャストでの公演が予定されている。(斎藤雅道)
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