社会
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社会 2017年03月13日 16時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第59回
政権の崩壊は、田中角栄にとっては意外な方向からやってきた。土地や物価の暴騰による日本列島改造論に対する反発の一方でのスキャンダルの勃発であった。 昭和49年10月10日発売の月刊誌『文藝春秋』11月号が「田中角栄研究〜その金脈と人脈」「淋しき越山会の女王」の2本を特集記事として掲載した。前者は日本列島改造論の裏で田中ファミリー企業が土地転がしなどの不透明などがあるとし、後者は田中の秘書にして愛人だった佐藤昭子の生い立ち、田中との関係過程を記したものだった。とりわけ、世間の耳目を集めたのは前者であった。 すでに発売前にゲラを入手していた田中サイド、田中派内はテンヤワンヤとなった。二階堂進、江﨑真澄ら最高幹部、小渕恵三、橋本龍太郎といった中堅幹部らが次々に田中事務所にやって来、中には「われわれがついているのにこんなことになって申し訳ない…」と、佐藤昭子に頭を下げる者もいた。 10月28日、こうした中で田中はかねて予定されていたオーストラリア、ニュージーランド、ビルマ(現・ミャンマー)の3国外遊に出発した。その直前の25日、田中は幹事長だった二階堂に、最後の窮地脱出を懸けたかのように「帰国したら内閣改造を行う。党内の取りまとめを頼む」と指示する一方、前尾繁三郎衆院議長、河野謙三参院議長に立て続けに会い、胸中の苦しみを訴えた。 ところが、河野がこの会談後に記者団に話したことが、田中の首相辞任を決定的に方向づけた格好になった。河野は、田中が「(決まっていた11月18日のフォード米大統領の訪日は)自分が頼んだことだから、自分が迎えなければならない」と語ったことを胸に、記者団に「総理は元気な様子であったが、現在の政局を深刻に受け止めているのは間違いない。私の見たところ、ハラは固まっているようだ」と話したからたまらなかった。翌10月26日の新聞各紙朝刊は一斉にこの田中・河野会談をトップに掲げ、「首相、辞任表明か」の活字をデカデカと躍らせたのである。これが、最終的に田中の闘志を砕いたということでもあった。 それは、秘書の佐藤昭子に「(3国外遊から帰国したら)衆院を解散するかも知れない。一応、用意をしておいてくれ」と田中派議員への選挙資金手当てなどの指示をしていたのだが、帰国後「解散はやめた」と申し渡したということでも明らかだった。また、同様に外遊前に二階堂に指示した「内閣改造の準備」も、この意向を聞いた反田中の福田赳夫、三木武夫らは極めて冷淡。三木などは「延命策にすぎない。大義名分に乏しい改造は派として協力できない」と突っぱねたなどの背景もあった。 人心はすでに、田中から離れていたのである。 それでも、田中はどうにかこの内閣改造を成し遂げたものの11月18日のフォード大統領来日、応接を果たした後の11月26日、ついに無念の退陣を表明した。 その心境を吐露した「私の決意」と題された辞任声明文は、竹下登官房長官により代読された。以下、全文――。 「私は、フォード大統領の来日というわが国にとってまさに歴史的な行事がつつがなく終了し、日米友好の基礎が一段と固まったこの機会に、内閣総理大臣および自由民主党総裁を辞任する決意をいたしました。 政権を担当して以来、2年4カ月余、私は決断と実行を肝に銘じ、日本の平和と安全、国民生活の安定と向上のため全力投球を続けてまいりました。しかるところ、最近における政局の混迷が、少なからず私個人に関わる問題に端を発していることについて、私は国政の最高責任者として、政治的、道義的責任を痛感しております。 一人の人間として考えるとき、私は裸一貫で郷里を発って以来、1日も休むことなく、ただ真面目に働き続けてまいりました。顧みまして、いささかの感慨もあります。しかし、私個人の問題で、かりそめにも世間の誤解を招いたことは、公人として、不明、不徳のいたすところであり、耐え難い痛苦を覚えたのであります。私はいずれ真実を明らかにして、国民の理解を得てまいりたいと考えております。 いま、国の内外には緊急に解決すべき課題が山積しております。政治には瞬時の低迷も許されません。私が厳粛にかつ淡々として自らの退路を明らかにしたゆえんもここにあります。わが国の前途に想いをめぐらすとき、私は一度、沛然として大地を打つ豪雨に心耳を澄ます思いであります。 自由民主党は、1日も早く新しい代表者を選出し、一致団結して難局を打開し、国民の負託に応えるべきであります。私も政治家の一人として、国家、国民のため一層の献身をいたす決意であります」 田中は代読する竹下の姿を、秘書官らに囲まれながら首相官邸執務室のテレビでジッと凝視していた。目からは、涙が数行流れ落ちていたという。(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2017年03月12日 12時00分
若手・中年も危ない孤独死が待ち受けるセルフネグレクト
先頃、千葉県北西部で、昨年5月に一軒家のごみがたまった一室から、足が壊死した状態の高齢女性が救出されていたことが判明した。 「事件性はありませんでした。女性は生活意欲などの衰えから、身の回りのことができなくなる、いわゆるセルフネグレクトだったのです」(全国紙社会部記者) セルフネグレクトとは、自己放任。生活するために必要な行動意欲や能力をなくし、健康を損なってしまう状況で、超高齢化社会を迎えて急増しているという。 ノンフィクション作家の窪田順生氏がこう言う。 「他人の世話になりたくない。ごく普通の理由から、そんなセルフネグレクトは誰でもなり得ます。これは、緩慢なる自殺ですよ。高齢化が進み、行政がこの問題に向き合わない限り、千葉県のような事例は今後も増え続けるでしょう」 例えば、必要な食事をとらず医療を拒否し、不衛生な環境で生活を続け、家族や周囲から孤立…、そのまま孤独死に至るケースも少なくないのだ。 「持ち家ならともかく、賃貸の家で孤独死して発見が遅れた場合は、遺体が腐乱して身内が大屋さんに弁済しなければならなくなる。自分だけの問題ではなくなるのです」(同) 原因は様々だが、治療期間の長い病気にかかることでの失望感や、家族や近隣住民との関係が上手く行かず、精神的に苦しくなることがきっかけでもなるという。 「身内や大切な人の死がきっかけで生きる意欲を失い…という場合もあります。その機会の多さを考えても、やはり高齢者のほうが陥りやすい。ただし、若者や中年でも、離婚や職場でのストレスが原因で招くこともあります。休日に洗顔や歯磨きが億劫だったり、部屋の掃除をまったくしない場合は“予備軍”の可能性もある。まずは自分の現状を把握することが大切です」(健康ライター) あなたは大丈夫?
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社会 2017年03月11日 12時00分
多くの制作会社が見放されるテレ朝『土曜ワイド劇場』の打ち切り
一見、華やかに見えるテレビ業界。だが、その実情は勝ち組、負け組にハッキリと別れ、階級社会を具現化している厳しい業界だ。中でもテレビ局の下請けを担う制作会社となれば、その苦労は想像を絶するという。そんな状況にあって、秋口から発生すると見られているのが、ドラマを専門に担ってきた制作会社の倒産だ。 「未曾有の会社がバタバタ倒れるというんです」(テレビ事情通) その理由は、キー局がコスト面の問題から相次いで発表した2時間ドラマ枠の撤廃。現在、2時間ドラマ枠と銘打っているのは、なんとテレビ朝日とテレビ東京の2局しかないのだ。 「日テレもTBSもフジも、コストがバカ高くつくわりに視聴率が取れないという理由で、レギュラー制作を打ち切ってしまった。たまにやるのは予算が余ったときや、スポンサーの要望があったときだけ。当然、その下にぶら下がっている制作会社にしてみたら、死活問題に直結する話です」(同) そんな厳しい状況下、テレビ界を震撼させたのがテレビ朝日の決断。1977年7月にスタートした土曜夜21時の『土曜ワイド劇場』を打ち切り、新たにニュース情報番組『サタデーステーション』を立ち上げる。 「少なくとも『土曜ワイド劇場』には十数社の制作会社がぶら下がっていました。以前は、1本当たり6000〜8000万円で制作していたが、最近は局の意向で値段を下げられ、1本当たり3000万円〜。多くても5000万円で受けていたんです。正直、赤字ですが、次に仕事が回ってくるために、何とか自転車操業で回していたんです」(某制作会社幹部) 地上波で唯一、レギュラー枠として残っているのはテレ東だけ。ところが…。 「当然のごとく、今後、発生するのは赤字覚悟のダンピングです。そのうち、1本2000万円で受けるという制作会社も出てくるでしょう」(テレビ関係者) どうやら、いい思いをしているのは高給を食む芸能人だけのようだ。
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社会 2017年03月10日 14時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第212回 移民政策のトリレンマ
厚生労働省の最新データによると、2016年10月末の日本の外国人労働者数は約108万人。過去1年間で約17万人、割合で約20%も増加した。わが国は着々と移民国家への道を歩んでいる。 日本がこのまま外国移民の受け入れを続けると、われわれは「自由」もしくは「安全」のどちらか一つを諦めなければならなくなる。 差別などと関係なく、事実として外国移民が増えると治安が悪化する。フランスのムスリム(イスラム教徒)の人口は、全体の8〜10%を占めるにすぎない。ところが、フランスの刑務所内のムスリム人口は、何と60%。パリの大きな刑務所では70%に達している。 イギリスでも、ムスリム人口は全体の5%にすぎないが、イングランド・ウェールズ地方の刑務所の受刑者のうち、ムスリムが15%を占めている。 外国人労働者や外国移民の受け入れ拡大が国内の治安に悪影響を及ぼすのは、これら欧州の事例から見る限り、否定できない事実なのである。 さて、世界には移民国家であり、さらに移民が増え続けていながら治安が日本並みによい国が存在する。シンガポールだ。シンガポールは移民人口比率が4割を超えていながら、治安がよい。移民国家と安全な国家を両立させることは可能なのだ。 ただし、シンガポール国民には「安全な移民国家」の代償として失っているものが一つある。すなわち、国民の自由だ。ここで言う自由とは、表現の自由、集会の自由、組合結社の自由といった政治的自由に加え、人生の自由をも含んでいる。 政治学的に「自由」とは「選択の自由」を意味する。国民の選択の自由を高めるためには、ナショナリズムに基づき、「母国語」でビジネス、文化を繁栄させる必要がある。 日本国民が比較的「職業選択の自由」を享受できているのは、わが国が曲がりなりにもナショナリズムに基づき「日本語」の文化を拡大しているためだ。しかも、例えば入試に失敗するなどの挫折を味わったとしても、日本国内で生きている限り別の道で成功することもできる。日本語のみで生きていけるため、日本国民の「選択の自由」は幅広い。 シンガポールの公用語は英語、中国語、マレー語、タミル語の四つだ。とはいえ、現実にはシンガポール国民は英語を学ばなければ、職を得ることができない。しかも、シンガポールの子供たちは小学6年生のときに「PSLE」という試験を受け、成績次第で「人生」が確定してしまう。その後もテストが繰り返され、最終的に勝ち抜いた子供だけが大学に行くことができる。 また、メイドや土木作業員、街の清掃員として働くフィリピン人、インドネシア人の出稼ぎ労働者とシンガポール人との間には、露骨なまでの“階級格差”がある。特にメイドは6カ月ごとに医師の診断を受ける必要があり、妊娠していた場合は理由のいかんを問わず国外追放だ。 母国語で学び、働き、職業選択の自由もあり、言論の自由も保証されている上に、外国人に対しても極めて寛容な日本国民に比べ、シンガポール国民の自由は明らかに制限されている。何しろシンガポールでは「飼っていいペットの数」までもが政府に決められている。ゴミのポイ捨ては罰金刑、ガムは持ち込み禁止、落書きや破壊行為は下手をするとムチ打ち刑だ。無許可で5人以上が集まり抗議活動などを行うと即座に逮捕される。18歳以上でドラッグを保持していると絞首刑になる。ちなみに外国人も例外とはならない。 シンガポールについて「明るい北朝鮮」と表現する人すらいる。さすがに、それは言い過ぎだと思うが、確かにシンガポール国民はわれわれとは比較にならないほど不自由だ。 シンガポールは国民の7割は中華系、残りがマレー系、インド系である。さらに、フィリピンやインドネシアからの出稼ぎ移民が暮らしている。 それにもかかわらず、治安は維持されている。理由は、シンガポール政府がさまざまな法律で国民や移民の自由を制限しているためなのだ。 もともと、シンガポールは移民を「国民」とし、マレー連邦から追放される形で独立した国家である。なぜ、マレー連邦がシンガポールを捨てたのかと言えば、まさしく複数民族が混在したシンガポールと、マレー人優遇政策を採ろうとするマレー連邦との軋轢が激化し、沈静化が不可能になってしまったためだ。 シンガポールは移民国家であったが故に、民族主義的なマレー連邦から捨てられたのだ。民族的にバラバラだったシンガポールを、後に「建国の父」と呼ばれた政治家リー・クアンユーが「事実上の一党独裁(人民行動党)」「言論弾圧」「管理社会」「厳罰主義」によりまとめた。 シンガポールは自由を制限することで、「安全な移民国家」を実現した。逆に言えば、移民受け入れと治安の維持を両立したいならば、国民の自由を制限しなければならない。あるいは現在の欧州のように、国民の自由を制限せず、移民を大々的に受け入れると治安は悪化せざるを得ない。 外国移民受け入れ、治安維持、そして国民の自由。この三つを同時に成立させることは不可能なのである。すなわち、移民政策のトリレンマだ。トリレンマとは、三者択一を迫られて窮地に追い込まれることを言う。 ○外国移民を受け入れ、治安を維持しようとすると、自由を失う(※シンガポール) ○外国移民を受け入れ、自由を保とうとすると、治安が悪化する(※欧州) ○自由を保ちつつ、治安を維持したいならば、外国移民を受け入れることはできない(※これまでの日本) 移民政策のトリレンマからは、いかなる国も逃れることはできない。日本が移民を受け入れる場合、国民は自由か安全のいずれかを諦めなければならないのだ。 逆に言えば、安全で自由な国を維持したいのであれば、移民を受け入れてはならない。 安倍総理をはじめとするわが国の移民推進派は、本人たちがどう言い訳しようとも日本国民の「安全」もしくは「自由」を破壊しようとしている。繰り返すが、移民政策のトリレンマからは、日本国といえども逃れることはできない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年03月10日 10時00分
M10超巨大地震「震源地とXデー」
3月11日で東日本大震災から6年。昨年も4月に熊本地震、10月に鳥取中部地震、12月にも茨城県北部での地震など、地震の規模を示すマグニチュード(M)6以上の大きな地震が後を絶たない状況だ。“いつ起きてもおかしくない”とされる南海トラフ巨大地震の最悪の想定はM9。しかし、3・11の翌年、それを上回る超巨大地震の発生の可能性が、専門家によって指摘されていたことをご存じだろうか。 当時、東北大学地震・噴火予知研究観測センターの松澤暢教授は研究結果を以下のように発表し、地震予知連絡会に報告している。 「地球で起こる地震の最大規模は、理論上、M10程度になる。しかし、M10の地震が必ず起こるということではない。もし起こるとしても1万年に1回程度ではないか」 さらに、そのM10が当てはまるケースは、日本海溝から千島海溝にかけての計約3000キロの断層がすべて60メートル動いた場合だといい、揺れは20分〜1時間程度続くという。 果たして、そんな地震が起きるのか。地震学者で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏はこう言う。 「観測史上最大の地震は、1960年に起きたチリ地震のM9.5です。M10となれば、エネルギーは東日本大震災の32倍ということになる。確かに学問的にはあるかもしれません。チリ地震以前のそれを超える地震のことは、何も分かりませんからね」 松澤氏が指摘する日本海溝には、伊豆・小笠原海溝が南へ連なっている。その日本海溝寄りの伊豆・小笠原諸島近辺での巨大地震の発生を予測している、琉球大学名誉教授の木村政昭氏はどう考えるか。 「M10の可能性については否定的です。ただし、自然界のことなので、絶対にないとは言い切れない。伊豆・小笠原海溝について言えば、周辺はストレスが溜まった状態。その原因となっている日本列島側へもぐりこむ太平洋プレートのプレッシャーが、昨年、熊本地震となって表れたわけです。伊豆・小笠原諸島を震源とする超巨大地震は、もう間近に迫っているのです」 木村氏は千島海溝沿いにおいても、北海道釧路沖でのM8.5クラスの地震発生を予測している。その時期は“2010年±5年”で、まさに今、起きても不思議ではない状態にあるという。 「こちらも伊豆・小笠原諸島と同様で、太平洋プレートからのプレッシャーにより、ストレスが溜まりに溜まっていると考えられます」(同) 果たして、伊豆・小笠原諸島近辺、もしくは釧路沖の地震を発端とした“M10”の超巨大地震はあるのか。 一方の南海トラフでの巨大地震はどうか。歴史を紐解けば、最後に立て続けに起きた昭和東南海地震(1944年=M7.9)と昭和南海地震('46年=M8.0)が比較的小規模だったため、次に起きた場合はM8.6とされる仁和地震(887年)クラスになる恐れがあるとされる。 「中部電力浜岡原発(静岡県)近くのボーリング調査では、国が想定する約3倍の地殻変動をもたらす超巨大東海地震が、この5000年間で少なくとも3回起きていることが分かっている。また、専門家の間では、南海トラフの南端からさらに南西に続く琉球海溝沿いでも、M9クラスの超巨大地震が数千年に1度の割合で発生する可能性があると言われています。例えば、南海トラフから琉球海溝までの全長約1000キロの断層が連動して破壊されればM9規模は確実で、M10という未知の超巨大地震になる可能性も出てきます」(サイエンスライター) 専門家の間には、“自然界には、10回起きたらそれを一つ上回る規模のものが起きる”という法則があると言われている。 「記録に残っている太平洋プレートの西側で起きたM9クラスの地震は、分かっているだけで6回で、それ以前は分からない。法則にあてはめれば、M9クラスがあと4回起きれば、M10クラスが襲うことになる。ただし、1611年に起きた慶長三陸地震などには諸説あって、実はこれが千島海溝沿いを震源としたM9規模の地震だったという指摘もあり、釧路などでは津波の被害と同時に揺れも1時間以上続いたという記録も残っている。仁和地震もそうですが、資料に乏しく、M9クラスだったのではないか、という地震はいくつかあるのです。その意味では、東日本大震災がM9の10回目だったとも考えられるのです」(同) 松澤氏は、もしM10地震が起きた場合、津波が揺れの収まる前に陸地を襲い、何日も続く可能性があるという。 「その際、津波の高さは80メートルを超えるという予測もあります。これにも諸説あるが、1771年に沖縄県の八重山列島沖で起きた八重山地震(M8)において、石垣島に85メートルの津波が襲来したという記録もある。東日本大震災の津波の最大の高さは40メートル。昨年完成した浜岡原発の防潮堤の高さ22メートルを考えれば、それらのはるか上を行く圧倒的な規模であることが分かります」(地震専門家) 想定外が起きる日は近いのか。
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社会 2017年03月09日 14時00分
三菱自動車がフィリピンでひっそり『ミラージュ』生産開始の思惑
スラム街や治安の悪さなどのイメージが先行するフィリピンだが、近年は経済が堅調に拡大しており、昨年の自動車販売台数は40万台超えと前年比で25.2%増の推移を見せた。 「最も売れている自動車メーカーはトヨタ、そして第2位のシェアを誇るのが三菱自動車です。トヨタと三菱自だけで新車販売の半数以上を占めていますから、そのブランド力は圧倒的と言えます」(経済誌記者) そんなフィリピンは2015年に導入された「包括的自動車産業振興戦略プログラム」により、自動車の国内生産に力を入れている。内容は国内生産した車に対して補助金などの恩典を与えることで、自動車の国内生産を促進させる目的だ。 「このプログラムにトヨタと三菱自から、それぞれ1車種ずつ選ばれました。三菱自からは『ミラージュG4(アトラージュ)』で、2月17日に現地工場の製造ラインが稼働を開始しました」(同) 『ミラージュ』と言えば、三菱自を代表するコンパクトカーとして知名度は高く、'00年に一度生産を終了したものの、'12年に“6代目”として復活。その際はタイ工場で生産し、日本への逆輸入で話題となった。 しかし、目の肥えた日本のユーザーはタイ製『ミラージュ』に見向きもせず、当初の目標値の半分ほどしか売れなかった。 「そもそも6代目は世界戦略車として開発され、特に東南アジアをはじめとした新興国市場を意識していました。日本人が車に求めるものと、かけ離れているのは当然です。今回も日本のマーケットなどは意識していないでしょう」(自動車アナリスト) 日本国内で販売不振の三菱自が海外で積極的な展開を図るのは理解できるが、一方で昨年、米フォードが日本事業を撤退させるなど、あえて日本市場を軽視しようという動きもある。米トランプ大統領がにおわす“ジャパン・バッシング(日本叩き)”だけでなく、海外企業が日本の存在感を軽んじる“ジャパン・パッシング(日本素通り)”まで加速するかもしれない。それは考え過ぎか…。
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社会 2017年03月09日 10時00分
東芝危機で飛び交う『サザエさん』の打ち切り説
東芝の経営危機が、テレビ界にも影響を及ぼし始めている。同社をメーンスポンサーとするフジテレビのアニメ『サザエさん』に“打ち切り秒読み”が囁かれ出しているのだ。 『サザエさん』は1969年にアニメ化され放送開始。当時から日曜18時半のスタートは変わらず、多くの国民から愛されてきた。 「東芝は放送開始から'98年まで単独スポンサーで、現在も主要スポンサーとなっている。『サザエさん』への提供が企業イメージを世間に定着させ、発展の重要な役割を果たしてきたんです」(番組関係者) しかし、東芝は一昨年夏に粉飾決算が発覚。昨年に白物家電事業を中国メーカーに売却して一般消費者から遠ざかったことで、『サザエさん』からのスポンサー撤退が噂された。 「だが、事業計画説明会で室町正志社長(当時)は『ブランドを重視する』と、撤退を否定した。一方で昨年は医療事業をキヤノンに約6000億円で売却するなどの縮小を打ち出したが、経営は改善するどころか、ますます悪化したのです」 そこへ来て今年2月、アメリカでの原発事業の巨額損失約7000億円が判明した。 「政府が手を差し伸べなければ、3月末には債務超過で東証2部降格、最悪は倒産の可能性さえ出てくる。『サザエさん』のスポンサー継続を指示した室町氏も経営危機に追い込んだ1人ですから、今度こそ撤退は時間の問題です。ここまで引っ張ってきたのは全国の系列販売店のためだと言われているが、もはやその余裕もない」(経営アナリスト) そこで気になるのが、メーンスポンサーが外れた場合の『サザエさん』の行方だ。 「フジテレビも低視聴率の“負の連鎖”が断ち切れず、スポンサーが逃げていくばかり。新規の提供元を見つけるのは難しいんじゃないですか」(テレビ局関係者) 国民的アニメが消える日は近いのか。
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社会 2017年03月08日 14時00分
未成年少女の「自画撮り」が援交の温床 東京都が全国初の規制に舵切る
LINEで裸の画像を自撮りして送っていた女子中高生は、 「誰かに構ってほしかった」 「アプリのスタンプをくれると言われた」 いずれも非行歴や補導歴のない“普通の子”だった。 また、自分の裸の画像をツイッター上に掲載した少女は、 「フォロワー数を増やしたかった」 「みんなにちやほやされたかった」 と、安易な気持ちから自撮り写真をアップしている。 自画撮りを巡って、送信相手から画像をネット上に拡散させると脅される事件も全国で起きている。 「ずっと野放し状態だったのが不思議なくらいです。なぜ、もっと早く手を打とうとしなかったのか」 とは、未成年少女の売春事情に詳しく、『少女たちの裏稼業』などの著作もある、ルポライターの石原行雄氏。 2月21日、東京都は全国初の「自画撮り」規制に向け、条例改正も含め検討に入った。 「ここ数年、女子中学生や女子高生が、SNSで知り合った男から裸の写真を要求される被害が続出している。そこで、未成年少女に自画撮りのわいせつ画像や動画を要求する行為自体も“児童ポルノ法違反”とする動きがあるのです」(全国紙社会部記者) 石原氏が続ける。 「私が取材した14歳の中学生も、ツイッターで30代の男性と出会い、上手くノセられて自分の性器を指で開いた画像を送ってしまった。もちろん、少女は個人情報が漏れないように裏垢(裏のアカウント)を使っていたのですが、男に本アドレスを調べ上げられ、本名から通っている学校名、さらに友達関係も知られてしまったのです」 結果、案の定「写真をバラ撒くぞ」と脅され、直接会うことを迫られたという。 「彼女の場合、自分の親に事の経緯を話し難を逃れたのですが、誰にも言えず泣き寝入りしている少女も多いのです」(同) 一方で問題なのは、自画撮りが援交の温床となっていることだ。彼女たちが自分の全裸をツイッターなどで公開するのは、それを見た男たちの反応を見たい興味本位の面もある。よって、味を占め自画撮りを売る少女も少なくない。 「まず、男との商談が成立すると、ネット上で使えるプリペイドカードやギフト券で支払いをさせるのです。そうやって小銭を稼ぎつつ、信頼できそうな常連には、直接会って援助交際を持ち掛けるわけです」(石橋氏) この手のプリペイドカードには“認証番号”があり、それを教えてもらい打ち込めば、ネットで買い物ができる。自画撮りを買った男たちには現金の郵送先や振込先などを教える必要がなく、安全というわけだ。 「ツイッターなどで“JK”“JC”などと検索すれば、自画撮りヌードを売る少女たちが星の数ほどヒットする。ここ2〜3年でそんな投稿は増えるばかりです。もちろん、送らせる側を厳しく取り締まることも大事ですが、それが根本的な解決になるかどうか」(ネット事情に詳しいライター) 自撮りをして被害者になる? お金を払って加害者になる? 東京都は果たして未成年少女の「自画撮り」に対して、どのような規制で対応していくのか。
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社会 2017年03月08日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 東芝を見捨ててよいのか
今年度末に東芝が債務超過に陥ることが、ほぼ確実となった。東芝が買収した米国の原発企業ウェスティングハウス(WH)の子会社が7150億円以上の赤字を出す見込みとなったためだ。 東芝はもともと、半導体事業の株式の20%未満を売却することで債務超過を避ける算段だったが、過半の株式を処分しないと債務超過が避けられないことが判明した。 売却手続きのやり直しのため、年度末に売却が間に合わず、債務超過が避けられなくなったのだ。東京証券取引所の規定では、一部上場企業が債務超過に陥ると、二部へと格下げになる。さらに翌年も債務超過なら、上場廃止だ。経営再建に努める東芝にとっては、極めて厳しい状況となっている。 連結ベースで19万人の従業員を抱える日本有数の企業が、なぜ窮地に陥ったのか。 話は、2年前の不正会計事件にさかのぼる。経営陣が達成不可能な目標を現場に与えて、「チャレンジ」を要求した。その圧力の下で、粉飾決算が行われたのだ。 信頼を失った東芝は窮地に陥り、当時の虎の子事業だった医療機器事業をキヤノンに売却し、白物家電事業を中国の美的集団に売却した。それで危機を乗り切ったはずだったのだが、ここにきて飛び出してきたのが、東芝が原子力事業の国際展開のために買収したWH社がらみの損失だ。 その背景には、東日本大震災の際に起きた福島第一原発の事故がある。 この事故を受けて、世界の原発建設ブームに冷水がかけられた。そのためWH社は、10年近く新規の原発建設を受注できていない。さらに、福島第一原発の事故以降、米国でも原発の安全基準が厳しくなったため、WH社が米国で建設中の4基の原発も、完成のメドが立っていないのだ。さらにトランプ政権は、いまエネルギーの化石燃料シフトを目論んでいる。 こうした中で、東芝は新規の原発建設事業からの撤退を決断したが、稼ぎ頭の半導体事業を失えば、残る事業の柱は、社会インフラ(重電)だけだ。それだけで東芝を牽引できるとは、到底思えない。 ところが、日本を代表する企業が危機を迎えているというのに、政府に救済の動きがまったくみられない。 それはなぜなのか。 「原発輸出」は、これまで国策であり、安倍政権の下では成長戦略の柱だ。東芝は、その国策に従う形で原発事業を進めてきた。にもかかわらず、リスクが表面化すると、政府は責任のすべてを東芝に押し付けて、頬かむりするのだ。それは、福島第一原発の事故の責任を東電に押し付けたのと同じ構図だ。 もちろん東芝に責任がないとは言わないが、原発事業に関しては、東芝と同じくらい国にも責任があるはずだ。福島第一原発の廃炉作業の一部を東芝が担っていることも考えれば、国は積極的に東芝支援に動くべきだろう。 そして、今回の事件が明らかにしたことは、原発というビジネスは、兆円単位の民間では抱えきれないリスクを孕んでいるということだ。だから、政府が原発を続けたいということであれば、電力会社の原発も含めて、すべて国策、国営にすべきだろう。
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社会 2017年03月07日 14時00分
悲惨! 1歳女児が受けた“死のお祓い”と両親の“妄信”
藁をも掴む思い、マインドコントロール、妄信。我が子を何とか救ってもらいたいと思う切なる想いが悲劇を生んだ。 群馬県前橋市で2011年5月、当時1歳4カ月だった城田麻雛弥ちゃんに暴行を加え死亡させたとして、群馬県警は2月23日、傷害致死の疑いで自称コンサルタント業の中島順聖こと北爪順子容疑者(63)を逮捕した。 「麻雛弥ちゃんは全身痙攣状態で病院に運ばれ、4日後に死亡しました。司法解剖の結果、死因は急性硬膜下血腫で、脳に強い衝撃を受けた可能性があると判明。身体にも多くのアザが見つかったのです」(捜査関係者) 当時、麻雛弥ちゃんは母親と連日のように北爪容疑者の自宅アパートを訪れ“お祓い”を受けていた。 「北爪容疑者は『悪魔よ出ろ!』と叫びながら麻雛弥ちゃんの身体を叩いたり、床に叩きつけ、さらにティッシュペーパーを巻いた指を喉に突っ込むなどして“悪魔払い”をしていたという。しかし、両親の北爪容疑者への信頼があまりに厚かったため虐待の証言を得られず、逮捕が今日までに至ったのです」(同) 捜査関係者によれば、昨年になり両親はマインドコントロールが解けたように証言を始めたといい、麻雛弥ちゃんのカルテの再鑑定や関係者の事情聴取によって、ようやく北爪容疑者の犯行が裏付けられたという。 度がすぎる“悪魔祓い”は、なぜ行われるようになったのか。北爪容疑者を知る人物はこう語る。 「今住んでいるところには10数年前に娘と引っ越してきて、当初は1階に住んでいたのですが、のちに2階も借りるようになったのです。大家には『エステ店でもやろうと思う』と言っていたそうですが、知り合いが腹痛になった際、彼女がお腹に手を置いたところ治ったり、腰痛の知人も同じように軽くなったということがあった。そのうち“神の手を持っている”などと評判になったのです」 もちろん偶然が重なってのことだろうが、その気になった北爪容疑者は自分の名を「中島順聖」とし、1回3000円から数万円で本格的に悪魔祓いを始めたという。 「2階の部屋の中央には祭壇が置かれ、提灯や仏具、壺、水晶などを飾って“治療所”としていました。多い時には子供から大人まで40〜50人が訪れていましたよ。そこへ病弱だった麻雛弥ちゃんが両親に連れられて来たそうです」(同) 神の手ならぬ悪魔の所業、その罪は許されるものではない。
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