「未曾有の会社がバタバタ倒れるというんです」(テレビ事情通)
その理由は、キー局がコスト面の問題から相次いで発表した2時間ドラマ枠の撤廃。現在、2時間ドラマ枠と銘打っているのは、なんとテレビ朝日とテレビ東京の2局しかないのだ。
「日テレもTBSもフジも、コストがバカ高くつくわりに視聴率が取れないという理由で、レギュラー制作を打ち切ってしまった。たまにやるのは予算が余ったときや、スポンサーの要望があったときだけ。当然、その下にぶら下がっている制作会社にしてみたら、死活問題に直結する話です」(同)
そんな厳しい状況下、テレビ界を震撼させたのがテレビ朝日の決断。1977年7月にスタートした土曜夜21時の『土曜ワイド劇場』を打ち切り、新たにニュース情報番組『サタデーステーション』を立ち上げる。
「少なくとも『土曜ワイド劇場』には十数社の制作会社がぶら下がっていました。以前は、1本当たり6000〜8000万円で制作していたが、最近は局の意向で値段を下げられ、1本当たり3000万円〜。多くても5000万円で受けていたんです。正直、赤字ですが、次に仕事が回ってくるために、何とか自転車操業で回していたんです」(某制作会社幹部)
地上波で唯一、レギュラー枠として残っているのはテレ東だけ。ところが…。
「当然のごとく、今後、発生するのは赤字覚悟のダンピングです。そのうち、1本2000万円で受けるという制作会社も出てくるでしょう」(テレビ関係者)
どうやら、いい思いをしているのは高給を食む芸能人だけのようだ。