被害を受けたのは、売上金の回収サービスなどを行う「アサヒセキュリティ」。伊東容疑者は新三郷オフィスに勤務し、回収された現金の金額を確認する業務を担当。その立場を悪用し、金庫室に保管してあった現金3億6000万円を盗み、行方をくらませた。
警察によると、同容疑者は5、6日に会社を無断欠勤。不審に思った社員が念の為チェックしたところ、金庫から金が盗まれていたことが発覚した。同社に設置された防犯カメラには、段ボールに現金を入れる様子が映っており、容疑が確定。アサヒセキュリティは伊東容疑者を懲戒解雇とし、警察に被害を届け出た。
現在のところ共犯者の存在などはなく、1人の社員によって3億6000万円が盗まれたと見られており、ネット上では「令和の3億円事件」などと、驚きが広がる。札束の重さは約36キロと見られ、かなりの重さとなる。また、金庫から段ボールに入れるだけでも相当な時間を要する。仮に1人でこの犯行に及んだとすれば、大変な労力だったものと見られる。このようなことから、複数犯の可能性も指摘されている。
ネットユーザーからは、被害を受けたアサヒセキュリティの管理体制について、「1人の社員に3億6000万円を盗まれる警備会社って…」「どうして金庫にそんなお金が保管されていたの?客のお金でしょ?」「警備会社の責任のほうが大きい。業務停止命令などもありえる」と批判が殺到している。アサヒセキュリティ社にとっては、金を盗まれた上、信用をも失うという厳しい情勢となっている状況だ。
また、昭和43年に東京都府中市で発生した3億円事件が、未解決のまま公訴時効となっているだけに、「容疑者は絶対に出てこない」「おそらくすべてを見越して海外に逃亡している」と言う指摘も。
一方で、「すべてが計画的な犯行。絶対に捕まえなければダメ」「令和の時代に逃げ切れるわけがない」「昭和は犯人がわからなかったが、今回は特定されている。必ず捕まる」という声もあった。
令和の時代に発生した「3億円事件」。模倣犯を出さないためにも、警察は絶対に逃亡を許してはならない。また、全国の警備会社も、管理体制を強化せねばならないだろう。