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何故だ? 巷で噂の頑固プロレス、その謎に迫る!

 乱入・両者リングアウト・両者反則による不透明決着。そして謎の怪奇派レスラーによる反則攻撃、など。
 これらすべては、昭和プロレスで稀に起こった試合の決着である。現在のプロレス界に於いて、これらの決着は、ほぼ消え去ってしまったものだと思われていた。
 ところが、これらの試合結果がよく見られる団体が、現在も残っているのだ。
 団体の名前は頑固プロレス。U-FILE CAMP出身、つまり田村潔司の弟子に当たる大久保一樹(おおくぼかずき)が旗揚げした団体。自分のスタイルにこだわる頑固なレスラー、厳格で頑固なレフェリー、大会を盛り上げるために陰で支える頑固なスタッフが集結し、西調布格闘技アリーナで大会を月に一回、定期的に開催している。

 怪奇派レスラー。正体不明であり、下手をすると会場で観戦している一般観客の座っている席にまでなだれ込み、あまりの恐ろしさに子供が泣いてしまう存在。リングに上がれば敵味方の区別がつかず、対戦相手はおろかリングアナやレフェリーにまで手を挙げてしまい、試合の収拾がつかなくなってしまうこともしばしば。自分と似たような背格好をした仲間を連れてくることもあり、レフェリーが視線を逸らした一瞬の隙を突いて入れ替わる。観客の「入れ替わったぞ!」という突っ込みをよそに暴れまくる。
 頑固プロレスには、そんな怪奇派レスラーも登場する。ミイラ男のようなマミー、チェーンソーを振り回すレザーフェイス、そして現在暴れまわっているグラップリングマシン。

 8月1日に行われた大会のメインでは、エースの大久保とグラップリングマシンが一騎打ち。
 7月に正々堂々と一騎打ちを行い敗れていることをインプットしたのか、増殖した仲間を引き連れて入場してきたグラップリングマシン。怪奇派と言うには少々正攻法の攻撃が多いように思われるマシンだが、場外戦になると本領を発揮。
 大久保もマシンの野望を打ち砕かんと得意のキックで攻め込んだが、最後は飛びつき逆十字固めを潰したマシンがエビ固めでフォール勝ち。遺恨を残した試合となった。

 不透明決着。全力を出し切り、フォールやギブアップでの決着がつく、または制限時間内で決着がつかず惜しくも引き分けになってしまうパターンと違い、試合にはまったく関係のない第三者の乱入や、悪役レスラーによる故意の反則攻撃により、不本意な決着がついてしまう。リング上で戦うレスラー、観客にもフラストレーションが溜まってしまう結末。現在あまり見かけない。
 ところが8月の頑固プロレスでは、この決着があった。
 第2試合で行われたヤマダマンポンド(フリー)と竹嶋健史(バトラーツ)が対戦した試合。ヤマダが凶器攻撃で竹嶋の額を割り流血させる。なおも得意の標識攻撃を加える。挙句の果てには、名レスラーであるマスクド・スーパースターをイメージした若手のサイクロン北原が、まったくこの試合とは関係ないのに乱入し、収拾がつかなくなってしまう。
 メインレフェリーのアイアンマン西田が出した裁定は「没収試合」。試合そのものが不成立になってしまうというこの裁定は、現在殆ど見られない。
 現在(いま)のプロレスを見ている観客にとって、こんな結末などないに越したことはないだろう。だが、これらの結末を望んでいるコアなプロレスファンも存在している。
 確かに結末こそ曖昧なものではあるが、そこまでの内容は決してふざけている訳ではない。きちんと内容で勝負し、最後だけ「次はどうなる?」という想像をさせるような結末が、マニア心をくすぐっているのではないだろうか。ある意味での「逆転の発想」は、確かにファンの心をひきつけている。
 謎が謎を呼ぶ頑固プロレス。その存在とは一体何なのか…?
(Office S.A.D. 果野巌(はたしの・いわお))

◆頑固プロレス8月大会『G1シランプリ』
2010年8月1日(日)
会場:西調布格闘技アリーナ(観客54人)

<メインイベント シングルマッチ 60分1本勝負>
○グラップリングマシン(16分15秒 エビ固め)●大久保一樹【頑固プロレス】 ※飛びつき逆十字固めを潰して

<第3試合 頑固コロシアムルール 30分1本勝負>
○ジョータ【キャプチャーインターナショナル】(6分37秒 KO勝ち)●入道【ピンクタイガーモンスター軍】 ※ジャンピング・ハイキックより
※両者にポイント3を付与するロストポイント制を採用。ジョータD1 E0 入道D0 E1

<第2試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
▲ヤマダマンポンド【フリー】(6分45秒 没収試合)▲竹嶋健史【格闘探偵団バトラーツ】
※北原スーパースターの乱入により

<第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
○松崎和彦【フリー】(11分28秒 逆エビ固め)●サイクロン北原【頑固プロレス】

<9月に行われる気合の入った『第128回 IWA定期戦』の全カードが発表された>
◆頑固プロレス9月大会『第128回 IWA定期戦』
2010年9月5日(日)開場:17:30/開始:18:00
会場:西調布格闘技アリーナ(京王線「西調布」駅下車徒歩5分 ガスト斜め前)
【入場料金】
前売り2000円(当日500円増し)/高校生1000円(要証明)/中学生以下無料

【対戦カード】
<メインイベント シングルマッチ 60分1本勝負>
大久保一樹【頑固プロレス】vs.鶴見五郎【国際プロレス・プロモーション】

<セミファイナル 頑固コロシアムルール 15分1本勝負>
ジョータ【キャプチャーインターナショナル】vs.澤宗紀【格闘探偵団バトラーツ】

<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
松崎和彦【フリー】vs.空手マミー

<第2試合 タッグマッチ 20分1本勝負>
GENTARO【FREEDOMS】&YOSHIYA【KAIENTAI-DOJO】vs.ヤマダマンポンド【フリー】&「X」

<第1試合 シングルマッチ 15分1本勝負>
野村聡【頑固プロレス】vs.堀口祐介【夢名塾プロレスリング】

<第0試合 LINX関東提供試合>
マッチョ・マイケルズvs.SAGAT

お問い合わせは頑固プロレスホームページ http://gankopro.blog78.fc2.com/ まで。

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