「ファンの皆さまへのお願い」と題した文章の中で、「沖縄春季キャンプにおいて、一部のファンの方で転売を目的として選手へサインを求められる行為が見受けられています」と現状を報告した中日。その上で、「このような行為には決して及ばないようお願いいたします」、「また、転売目的以外で選手のサインを取得、その後結果的にそのサインを転売する行為にも及ばないようお願いいたします」と注意喚起を促している。
また、改善が見られない場合には「球団としては、本意ではございませんが、サイン等のファンサービスを制限させていただくことも視野にいれております」とし、最後は「ファンの皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします」と訴えた。
一軍(沖縄・北谷町)、二軍(沖縄・読谷村)共に、連日盛況となっている中日の春季キャンプ。そこに水を差すような今回の一件を受け、ネット上には「選手の善意をなんだと思っているんだ」、「子どもの夢を大人が壊してどうするの」、「最近はこの手のニュースが多すぎて情けない」といった批判のコメントが数多く寄せられている。
筆者が複数のオークションサイトを調べたところ、松坂大輔、根尾昂といった人気選手の直筆サイン色紙には大方数千円の値がつけられており、ユニフォームとなるとその価格は一気に数万円台に。また、出品された転売品の中には、既に取引が成立しているものも少なからず見受けられた。
先月31日配信記事を始めとして、これまで複数回に渡って取り上げているサイン転売問題。同記事では、文末に春季キャンプへの危惧を記したのだが、それが現実のものとなっているこの状況は悲しいというほかない。12球団の春季キャンプはまだまだ始まったばかりだが、今後も各地でこのような問題が発生してしまうのだろうか。
文 / 柴田雅人