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京成杯AH キングストレイルが秋のマイル王へ弾み

 秋の中山競馬のオープニングを飾る「第52回京成杯AH」(GIII 芝1600m 9日)は、単勝2番人気のキングストレイルが、好位追走から直線力強く抜け出して優勝した。勝ち時計は1分32秒6(良)。3歳秋のセントライト記念以来の重賞制覇を果たし、中山巧者ぶりを強烈にアピールした。昨年銀メダルのカンファーベストは今年も1馬身4分の3差遅れで2着。1番人気のマイネルシーガルは3着に敗れた。
 戦前は混戦ムードが漂っていた今年の京成杯AHだったが、終わってみればキングストレイルの横綱相撲だった。「こんなに強い勝ち方をすると、(GIを)意識しちゃうね」と手綱を取った田中勝騎手も絶賛の勝ちっぷりで、古馬マイル路線に大きく名乗りを挙げた。

 好スタートからスッと好位に控えると、直線までじっと我慢。満を持して追い出されると、あとは他馬を寄せ付けずゴールまで一直線に伸びた。
 「速い馬を見ながら、思った通りのレースができた。最初から勝ちにいって、強い内容だったね。いつもはこんな競馬をすると、へこたれるんだけど、今日は自分から走っていた」とカッチー。
 「(マイナス14kgと)随分、ダイエットしていい感じだったし、馬が以前よりしっかりしてきた。マイルくらいが一番合っているから、これからだね」
 新潟リーディングに輝き、中山の開幕週で重賞Vと自身のバイオリズムも最高潮だ。「一戦一戦、頑張るだけだけど、秋に向けて弾みをつけられてよかった」とカッチースマイルが弾けた。
 不在の藤沢和師にかわって口取りをした鹿戸雄師は「夏は順調に函館で乗り込んできたので、久々でも仕上がりは良かった。馬が大人になって、力もつけている。内容も良かったし、先々が楽しみだね」と心身ともに大きく成長したことを強調していた。
 次走は未定だが、秋の最大目標はマイルCS(GI 京都芝1600m 11月18日)。おばが名マイラーだったシンコウラブリイという血統背景からも前途は洋々としている。

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