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新卒社員の約8人に1人が1年以内に会社を辞めている?「仕事が嫌なら逃げてもいい」新社会人に贈る言葉に賛否

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 4月1日に新入社員の入社式が行われた企業も多いことだろう。学生生活を終え、「社会人」という新たな肩書に胸を踊らせる若者もいれば、不安を抱える若者もいるようだ。

 厚労省が2018年10月に発表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、2015年の大卒の新規学卒就職者(新卒)が1年で会社を辞める率は11.9%と、約8人に1人にも上る。さらに3年以内の退職率になると31.8%と、約3人に1人が新卒で入った会社を辞めていることが分かった(新規学卒として雇用保険に加入した者が対象の調査)。

 ツイッター上では4月に入ってすぐに、「新社会人に贈る言葉」がトレンド入りするなど、新卒社員への関心が高まっている。ユーザーからは、自分の職場での経験をもとに新卒社員たちへ「会社が嫌なら逃げろ」と呼びかけるコメントも多く、ここにも“会社勤め”に対する現代人の意識の変化が表れていた。

 ネット上で目立っていたのは、「『最低3年働け』はもう古い」「やり直すチャンスはいくらでもあるから無理なら逃げてもいい」「若さの特権は使えるうちに使え」など「身体を壊して無理をするより逃げるが勝ち」といったアドバイス。

 その一方で「簡単に辞めてもいいとツイートしてる奴はなんの責任もとってはくれないことを念頭に置いて」「スキルや学歴がある、都会に住んでる、一人暮らしじゃない、この3つがないと会社辞めた時点で人生が終わる」との声も散見された。

 確かに、若い世代にとっては就職先や働き方に多くの選択肢がある時代である。1960〜70年代の高度経済成長期は「終身雇用制度」や「年功序列」が当然の時代だった。しかし、現在は大企業でも早期退職希望者を募るなど、かつての「就職さえすれば定年まで安泰」という前提は通用しなくなっている。時代が変化する中、自分に合わない仕事を続けるメリットはないのも事実といえるだろう。とはいえ、安易に「退職すればいい」との短絡的な思考に陥るのも考えものだ。

 日本はまだまだ転職に関して古い価値観があり、転職回数が多いことが嫌厭される傾向にある。実際に、3年未満でキャリアチェンジをした人は転職市場でどう評価されているのか。

 「日本の企業は3年以内の転職に抵抗があるところも少なくないようです。特に3年以内に会社を辞めた人材はスキルがないと判断されることも多く、『忍耐力がないのか』『長期的なスパンで会社の成長を把握する力がない』などとマイナスなイメージを持たれることも多々あります」(転職サイトのエージェント)

 また転職回数が多いことを「汚れた履歴書」と呼ぶこともあり、IT系など一部の企業を除いて、まだまだ転職回数の多さが不利な状況は変わらないようだ。

 「第二新卒枠での採用を見越して入社1年目にして新卒で入った会社を辞めた方が、第二新卒枠では受からずに、いわゆる“転職浪人”となってエージェントを利用されるケースも最近では増えてきました」(前出・同)

 会社を辞めることのメリットはもちろん、デメリットも把握した上で行動するのが賢明とする意見にも一理あるようだ。

 これから始まる令和の時代、政府の方針からしても働き方は変化していくと思われる。心身を壊してまで仕事を続ける必要はない。ただ、会社を辞める権利があると同時に、辞めることにはリスクもあることを把握しておくべきではないだろうか。新時代を背負う若者の活躍を期待したい。

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