発端は9日の国会。自由党議員が3月24日に宮城県石巻市で行われたオリンピック関連の式典を桜田大臣が欠席したとして、その理由を聞いたのだ。
すると、桜田大臣は答弁の中で「いしまき市」と発言。訂正せず2回目も「いしまき市」と発言し、直後に「いしのまき」と言い直したものの、再度間違えてしまう。その後、次の答弁で間違ったことについて謝罪した。
単なるケアレスミスなのだが、メディアは「また間違えた」「石巻市に失礼だ!」「大臣失格!」と鬼の首を取ったかのように大々的に報道。ネットユーザーも「石巻(いしのまき)なんて常識だろ」「東日本大震災で甚大な被害を受けた地域を言い間違えるとは何事だ」「またこの人か」「責任をとって辞めろ」と非難轟々となる。
一方で、「言い間違いも許せないの?」「自分は間違えることはないの?」「桜田大臣がどんな仕事しているか知らないのに言い間違えだけ追及するの?」「許してあげても良くない?」「地元民じゃなきゃ読めない地名でしょ」と擁護の声も多く、ネット上で議論になった。
「桜田大臣は正直な性格で表現力が低い。池江璃花子選手の件に代表されるように質問に真摯に答えようとするあまり、言い間違いや誤解を与える発言をする。逆手に取った野党議員が、なんとか言い間違いや不適切発言を誘発しようと必死で、それを引き出すと『それ見たことか』とメディアが叩きまくるやり方です。
石巻市民が不愉快に思うのは当然でしょうし、脇が甘すぎるのは事実ですが、単なる読み間違えで『大臣辞めろ』と揚げ足を取ることも異常です。そんなことでは大臣のなり手がいなくなってまいますよ。むしろ、それをネットでボコボコに叩き、誹謗中傷まがいの言葉を浴びせる日本社会のほうが怖い。
メディアや野党は結局、安倍政権が憎くて桜田大臣をイジメているだけ。今回も3月24日に何をしていたかなんて、国会で聞くことではありませんし、聞いて何になるのか。答える義務もないでしょう。もちろん桜田大臣も、脇が甘すぎるし、質の低い質問には答えないほうがいい。もっと慎重に答弁すべきです」(政治記者)
言い間違いが適切ではないことは明らかだが、「それ見たことか」とボコボコに叩き、辞任を迫るメディアや一部ネットユーザーにも、違和感を覚えずにはいられない。
文・神代恭介