「ミネラルウォーター税」はミネラルウォーターを生産するため、山梨県内の地下水を利用する企業に対し課税するもの。山梨県議会は昨年4月から委員会設置し、検討を重ねてきたが、7日になり「地下水の保全を図るとともに県独自の財源を確保するため」という名目で導入するよう提言する方針を固めた。
山梨県はミネラルウォーターの生産量が国内シェアトップとなっており、県は財源となりうる「おいしい金の成る木」と判断した様子。課税対象についてはまだまとまっていない部分もあるが、山梨県内の地下水を利用した場合となる見通しで、山梨県の地下水を原料とした販売用のミネラルウォーターについても、課税対象になるものと見られている。なお、税率等々などは決まっていない。
ミネラルウォーター税で得た税収は「地下水保全・維持に関する事業のほか、県民・納税者に理解を得られる事業に充てる」とし、具体的な案は一切なし。県は「財政が厳しい」として、是が非でも導入したいと考えているようだ。使途不明な税金は、議員の私腹を肥やすために集められると取られかねないのだが…。
「ミネラルウォーター税」については、これまでにも導入検討が報じられており、業界団体は「承服しかねる」として反対する意向を示している。ミネラルウォーター税の導入事例は現在のところないが、山梨県が採用すれば、他も追随することはほぼ間違いなく、動向が注目されている。
「ミネラルウォーター税検討」のニュースに、ネットユーザーからは「何でもかんでも税金を取ろうとするな」「まず歳出を抑えることが先だろ」「そんなことをする前に議員の数を削減しろ」と非難轟々。また、「水に税金をかけようという発想が怖い」「ほとんど難癖に近い税」「水がなければ人間は生きられない。最低限度の生活を保障しないということか?」などと指摘するネットユーザーも出た。
今後、山梨県議会で導入が検討されるようだが、業界団体や山梨県民の大多数は導入に反対している。「地下水保全」の名目だが、実際は税収を上げるために資源に税を課すことに目をつけたと言われても仕方ない。このような発想がエスカレートすることは、非常に危険と言わざるをえないだろう。
ネットユーザーから「とんでもない税金」と揶揄されているミネラルウォーター税。山梨県は本当にこの案を導入するつもりなのだろうか? また、県外住民も「明日は我が身」だけに、是非について真剣に考えていく必要がある。
文・神代恭介