都心に新たな“異文化交流”の場が誕生した。
再開発、有効活用を目的とした「E-GATEプロジェクト」事業計画が2003年に発足。06年2月に着工し、地上5階、地下4階、総工費80億円をかけ、ミーツポートが完成した。
同施設内にあるJCBホールは、標準座席数約2500、スタンディングでは約3100人(うち固定座席1500人)を収容可能。着席、スタンディング対応ホールとしては都内最大級を誇る。
また、ソルトレーク、トリノ五輪の観客スタンドやオペラハウスのコンサートホールなどを手掛けたこともあるドイツ・レイヤー社の仮設ステージを採用。ライブコンサートからサーカスまで多種多様なイベントに対応すべく変形が可能だ。
同ホールを運営する東京ドーム広報担当者は「万能でいろいろな形に対応できるよう設計されています。千変万化ホール?そうですね」と説明。さらに「老若男女を問わず、楽しんでいただきたい。(様々なイベントが交流することで)幅を広げていければ」と新たな交流の場所としても期待を寄せる。
現在音楽ライブなどをメーンに使用しているが、後楽園ホールより1000人ほど多く収容できることから第2の後楽園ホールとしても注目が集まる。
5日にボクシングの東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ、5月3日には総合格闘技の修斗が興行を予定している。格闘技イベントの可能性について「最新の音響システムを採用していますので、試合、あるいは前後のセレモニーなどを盛り上げることは可能」(同関係者)と語る。スモークや330インチのモニターの設置、空中ブランコなどもできるほど天井が高く、後楽園ホールよりもさらに幅広い演出が可能になるという。
プロレスでは6日にゼロワンMAXがこけら落とし興行を行う。ゼロワンの興行を手掛けるファーストオンステージ関係者も「今まで日本にはなかったアリーナですね。スモークやドライアイスなど、後楽園ホールとは違ったことができる。レーザーなど色の変化の迫力を見てもらいたい。プロレス会場にいながら、ライブの臨場感が味わえる」と設備を絶賛する。
しかし、新たな“格闘技のメッカ”として根付かせるには課題もある。現在、プロレス・格闘技と、その他イベントの使用比率を比較すると1対8と圧倒的に少ない。やはりメッカとして定着させていくには定期的興行が必須といえるだろう。
新たな可能性と課題が交錯するJCBホール。プロレス・格闘技業界の、新たな“聖地”として定着するのか、今後に注目が集まる。