まるで、昨年の再現VTRを見ているような快勝劇だった。
ディフェンディングチャンピオンのカンパニーは課題のスタートを五分に切ると、すんなり逃げ馬の直後をキープ。そのまま道中はリズム良く運び、あとは抜け出しのタイミングを計るだけだった。
「2番手から行くのは初めから考えていた。去年の後半は前へ行かなくなってグイグイ押したりしていたが、今回は具合が良くていい感じで出てくれた」と鞍上の横山典騎手。「8歳になって58キロを背負っているのに、この悪い馬場でよく頑張ってくれた。昨年は目の外傷とかで歯車が狂ったが、仕切り直しでいいスタートが切れた」と胸をなでおろした。
一方、音無調教師は「ジョッキーには何もいわなかったけど、前々で競馬をするだろうと思っていた。あれで負けたら仕方がないし、稍重の馬場もこの馬には良かったのかもしれない」と喜びを隠せない様子。「去年より全然いい状態できている。今年こそ、GIタイトルがほしいね」と決意を新たにしていた。
今後については「ここを目標にしてきたし、まだ何も考えていない」としながらも、「安田記念(GI、東京1600メートル、6月7日)には出たいね」と春の最大目標を明らかにしたトレーナー。次走はマイラーズC(GII、阪神芝1600メートル、4月18日)か、大阪杯(GII、阪神芝2000メートル、4月5日)が有力だ。
昨年は中山記念→マイラーズCと連勝し、一躍、安田記念の主役候補に躍り出たが、目に外傷を負うアクシデントで休養を余儀なくされた。しかし、今回の勝利で能力に衰えがないことを証明できた。
「8歳になった今年はラストチャンスかもしれないから、悔いを残さないようにしたいね」と横山典。ダイワスカーレット&ウオッカがけん引した昨年は「女の年」といわれたが、その一方で、近年、地道な活躍が目立っているのが高齢馬。2009年は「ロートルの年」となるかもしれない。