11打席連続無安打といまだに長いトンネルを抜け出せずにいる。
孤高の天才バッターがもがき苦しんでいる。「普段のイチローに戻すため」(篠塚打撃コーチ)と前日の西武戦から一転、打線のテコ入れを図り、“指定席”の1番にイチローを据えた。
だが、結果が変わることはなかった。打球はことごとく野手の正面をつき5打数無安打。全練習試合を終え、通算23打席3安打で打率は1割3分。イチロー本人も「(この数字を想像)するわけがない」と首をかしげる。25日の豪州戦第3打席以降、ヒットが出ていない現状に「結果が出ないと悔しいし、つまらない」と悔しさをにじませる。
連覇に向けてイチローの活躍は必要不可欠。篠塚打撃コーチからも「この3日間が大事になる。(開幕前に)状態のいい人も悪い人もいる中で、最後の3日間で変わる人もいる」と檄(げき)が飛んだ。
「お客さんが見ている中でいいプレーを見せたいというのは当然。それができていないのはストレス」と焦りも感じ始めたイチロー。トンネルの出口はまだ見えない。