「『神様のパズル』はこのままだと興行収入5000万円に届くかどうか微妙。単館系の邦画でも興収が億に届かなかった話題作はなかなかない。あまりの不入りで、劇場によっては大ヒットを記録している『相棒』の劇場版に差し替えて上映しているところもあります」(映画ライター)
波乱万丈の人生を経て、一時は映画界から遠ざかっていた春樹氏だが、「男たちの大和」は配給元の東映の興収歴代1位の51億5000万円を記録。「『相棒』の勢いは止まらないが、それでも『男たちの大和』には及ばず、せいぜい40億円どまり」(同)というほど、近年の邦画ではメガヒット作となった。以降、その勢いで自ら製作総指揮を手がけた作品を連発したが、そこから歯車が狂ったという。
「レコード会社のエイベックスが春樹氏をかつぎ、松竹、東宝の順で配給。まず、06年公開の『蒼き狼〜地果て海尽きるまで〜』はオールモンゴルロケで、製作費・宣伝費は邦画としては破格の40億円使った。ところが、興収は15億ほどで大赤字。昨年公開の『椿三十郎』は黒澤明監督の名作をリメーク。織田裕二初の時代劇で期待されたが、約12億円にとどまった。エイベックスと配給会社は青ざめたが、春樹氏はさすがに大物で、涼しい顔をしていた」(映画会社関係者)
松竹、東宝と来て「神様のパズル」は、「男たちの大和」でおいしい思いをした東映。同社にとっては春樹氏にまさに“天国と地獄”を味わわされた格好に。
「監督は三池崇史監督、主演は若手で人気の市原隼人と谷村美月のSF作品。公開初日が東宝の『ザ・マジックアワー』、松竹の『築地魚河岸三代目』と重なる“ガチンコ勝負”でしたが、惨敗。興収は5000万円に届くかどうかで、大手の配給作品ではおそらくワーストに近いのでは」(同)
春樹氏にとって、「神様のパズル」の大コケはかなりのダメージになりそうで、次回作まではしばらく時間がかかりそうだ。
「エイベックスや松竹、東宝、東映もしばらくは関わらないでしょう。神主もしている春樹氏の迫力と“神通力”でこれまではやってこれましたが…」(映画誌関係者)
とはいえ、このまま春樹氏がタダで転ぶとは思えないだけに、次は何を仕掛けるのか楽しみだ。