さて前回は、お客様とめでたく結ばれ、現在も幸せな結婚生活を送ってらっしゃる嬢のお話を致しました。彼女がお店を寿退社されたあとも、私の周りにはキャラクターの濃い嬢達がまだまだ沢山おりました。
今回のヒロインはその中でも非常に厄介者…ならぬ厄介嬢であった、「静香」嬢です。
静香ちゃんは当時20歳で、日焼けサロンに通う典型的なギャルでした。目元には濃いアイメイク。一見お店の雰囲気とかけ離れている彼女でしたが、数人の固定のお客様のおかげで売上は常に上位。今だから言えますが、他のキャストは、何故静香ちゃんが売れっ子なのか理解に苦しみました。確かにスタイルは抜群でGカップの持ち主でしたが、話し方や態度、その他諸々常識外れな面も多く見られていたからです。
ある日、私のお客様、新井様から「見せたいものがあるんだ。でもお店じゃちょっと…」と連絡がありました。翌日、同伴で訪れたお店で、席に座るやいなや新井様がおもむろにバッグから取り出したのは、なんと風俗雑誌でした。
「ちょっと! こんなところに何持ってきてるの!?」
「いや、待って、待ってってば。見てこれ、静香じゃない?」
私は唖然として言葉も出ない状態でした。生まれて初めて見た(本当です!)風俗雑誌の一面をドアップで飾っていたのは、正真正銘、静香ちゃんでした。首元に特徴のあるホクロ。そして風俗店の名前も同じ静香…。しかもその店のナンバーワン風俗嬢だったのです。
後日静香ちゃんに事情聴取を行うと、意外にもアッサリ事実を認めました。なんでも、キャバ嬢より風俗嬢歴の方が長く、人一倍性欲が強かったのが風俗嬢になったきっかけだったそうです。
「キャバってチヤホヤされるからやってみたかったんですー。タダでお酒も飲めるしー。あ、あたしの客あれ全部風俗の客ですー。んーでも気持ちいーしお金もらえるし、やっぱり風俗辞めれないですぅー」
そうマネージャーに告げた静香ちゃん。あまりにも素直(?)な意見に同席した私も驚いてしまいましたが、結局静香ちゃんとお店で会ったのはその時が最後でした。
彼女は本当に大胆な嬢でした。しかし、同じ大胆さでも、違う種類のものを持ち合わせた嬢がおりました。そう、悲劇は帰りの送りの車内で…。おっと、続きはまた次回。お楽しみに。
<文=秋田まちこ(twitter:akitamachiko69)>
提携<全国キャバクラ情報サイト キャフー http://www.kyahoo.jp/>