昨年のマイルCSで懸命に2着に追い込んできたスーパーホーネットだが、なんかダイワメジャーに遊ばれたというか、あのクビ差は走っても走っても永遠に交わすことのできない、そんな力差に思えたよなぁ。
ただ、勝ったかと思えば、次走は凡走。レース内容が安定せず、ひ弱な印象が強かった馬ゆえに、毎日王冠から目標をこのマイルCS一本に定めたのは、たぶん大正解。1週前(13日)には、51秒4→38秒2→13秒1という好タイムを坂路でマーク。青写真通りにピークのデキで臨むことができそうだ。
前回の毎日王冠のマイル通過タイムは春先の安田記念より0秒1速い1分32秒6。そのタフなラップの上に立ち、レコードに0秒4と迫る1分44秒6で駆けている。上がり3F33秒3もメンバー最速で数字面においても文句なしだ。極めて普通に、ホーネットで勝ち負けになるマイルCSなんでしょう。
さて、問題の相手だが、実績面においては、天皇賞4着のカンパニー。レコード決着となった天皇賞で最速の末脚を繰り出し、ハナ+クビ+ハナ差の4着は大したもんだ。しかし、天皇賞の1800メートルの通過タイムは、毎日王冠と同じ1分44秒6。ラスト1Fのレースラップが12秒6を要したため、イチかバチかの追い込み策が「ハマッた」ともいえる。
この秋は高速決着による目に見えない疲れ。「蓄積疲労」をひとつのテーマとしてきたが、あの天皇賞で自身の能力の限界を超えて走った…そんな危険性も考えておかなくてはいけない。対抗は対抗でも、信頼度となると富士Sなどの別路線を歩んできた馬にもつけ入る余地があるような気がする。
なんて、その富士Sの走破時計は、毎日王冠のマイル通過タイムにも劣る1分32秒7。勝ったサイレントプライドは、ひところよりたくましさを増したとはいえ、輸送も含め、関西ベースの競馬にかわるのが気がかり。さらにデリケートなショウナンアルバあたりはなおのことだ。
富士S組から選ぶなら、ホームの利がある関西馬で、なおかつ変わり身が見込める馬。最も面白い存在は、しつこく“ウチパク”が騎乗するエイシンドーバーだろう。
ブルーメンブラッドもホーネットと同様、エリザベス女王杯をスキップして、適距離のマイルを選んだという意味では正解。ただ、府中牝馬Sの走破タイムは毎日王冠に1秒遅れの1分45秒6だけに、能力的にホーネット越えはどうだろう。
スワンS組では、勝ったマイネルレーニアのレース内容は確かに認める。でも、マイルと千四の競馬は問われるモノが異なる。印を打つなら、2着惜敗のローレルゲレイロの方か。大穴には、菊花賞経由で適距離に戻ったスマイルジャックを一考。