事故が発生したのは28日午前11時すぎ。茅ヶ崎市の国道1号線で、自動車が横断歩道や歩道にいた歩行者を次々と跳ね、歩道に乗り上げた。
被害者は直ちに病院に運ばれたが、57歳の女性が死亡。他3人については軽傷を負ったほか、事故を見て気分を悪くした人が2人搬送されたという。
NHKオンラインが報じたところによると、90歳の女性は取り調べに対し、「自分の信号は赤だとわかっていたが、歩行者が渡り始めていなかったので通過できると思った」などと供述しているという。
目撃者が「横断歩道の信号は青だった」と話していることから、90歳の女性が赤信号と認識しながら、それを無視して突っ込み、事故を起こした可能性が高い。なお、この女性は今年3月に適性検査を受けており、能力に問題がないと判断されたという。
詳細は不明だが、判断能力の落ちた90歳女性が「信号で止まりたくない」という身勝手な無謀運転を行い、尊い命が犠牲になってしまったものと思われる。この事実に、ネットユーザーからは「ひどすぎる」「運転させるな」と怒りの声が噴出。
また、これから高齢化社会が進むだけに、「この種の事件が増えるのでは」という懸念を示すネットユーザーも。
実際のところ、既にこのような高齢ドライバーによる事故は多発しており、2015年にはさいたま市で、80歳の容疑者がアクセルとブレーキを踏み間違え、15歳の女子高校生が死亡する痛ましい事故が発生しているほか、同年宮崎市でも、76歳の認知症とみられる男が運転する車が暴走し、2人を死亡させる事故を起こしている。
警察は高齢ドライバーに免許の自主返納を促しているが、交通網の整備されていない地区では移動手段が自動車しかないことも多く、なかなか進んでいないのが現状。75歳以上には認知機能検査と高齢者講習が義務付けられているが、それでも今回のように死亡事故を起こすケースが後を絶たず、社会問題化している状況だ。
一部には、一定の年齢に達した場合、強制的に免許を取り上げるべきだと言う声もあるが、高齢者だからといって強制的に運転免許を剥奪するのは「おかしい」「国家権力の濫用」との考えもある。
いずれにしても、現在のシステムが最適とはいえない状況下にあることは間違いない。歩道や横断歩道を歩いているにもかからず、自動車に突っ込まれてはひとたまりもない。自動車免許制度の改革や、厳罰に処すことのできる法律の制定などが求められる。