◎ビッグウィーク
競馬の番組が暦の代わりになって久しいが、毎日王冠を迎えると“秋”の季節感が増してくる。そして、若い頃に府中で観たサクラユタカオーの鮮烈な勝ちぶりを思い出す。あれから20年以上経っているだろうが、自分の中では未だに毎日王冠はユタカオーのレースであり、G1よりも格付上位のG2。だからといって予想が当たるわけではないのだが、今年はビッグウィークに期待する。典型的な夏の上がり馬として昨秋の菊花賞を制したが、その後は、京都記念(6着)、日経賞(10着)とも期待を大きく裏切る結果に。菊制覇をフロック視する向きもあるが、爪の具合が芳しくなかったりして本調子を欠いていたことが大きな敗因。肉体面に不安のない今回は、乗り込み量も豊富で休み明けながら仕上がりは9分以上。3000mを勝っているが、本質的には中距離向きであろうしタフな東京コースも向くように思う。不安は59キロの斤量か。馬格がないだけにカンカン泣きする不安はどうしてもつきまとうが、実績の証でもありこれを克服しない限り天皇賞・秋へ向けて視界は開けてこない。
【馬単】流し(11)軸※総流し
<プロフィール>
仲町通(なかまち・とおる)
在京スポーツ紙の競馬記者として美浦・栗東トレセンに足を運ぶこと20年。厩舎関係者への綿密な取材の下、穴党として数多くの万馬券ヒットの実績を持つ。この春、フリーとして転身。本名非公開。
※出馬表などのデータは、必ずJRA公式発表のものと照合し確認してください。