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キャバ嬢が生まれる瞬間(41)〜歯の治療のためキャバ嬢になった女〜

荻上南(仮名・22)

 私は幼い頃からそこまで歯磨きをする方ではなかったのだけど、それでも虫歯の数は少なかった。でも高校を卒業後、友達の誘いで風俗で働くようになってから一気に虫歯が増えた気がする。友達に聞いたら虫歯は職業病なんだって。

 私は知らない人との身体の触れ合いは、仕事と割り切ることができたのだけど、虫歯になるのは本当に嫌だった。おそらく虫歯菌を持った客とディープキスすることで、移ってしまうのだと思う。気がつくと奥歯に穴が空いていて、歯医者に駆け込んだ。そして医者からはすでに虫歯が13か所にいあると言われた。半年前に行ったときはそこまでなかったのに。

 奥歯はけっこう深いところまで侵食しているらしく、抜くことにした。でもその後、奥歯で食べ物を噛めないことで、顔の輪郭が変わったような気がしたし、とても不安だったな。その時、歯の大切さを知ったよ。あと私は八重歯が生えているのだけど、裏側が磨き辛く、虫歯が特に悪化していた。その部分も抜くしかなくなったのだけど、当時私は歯の治療中ということで風俗は休止。だからお金もなく、安い治療でお願いしますと頼んだの。

 歯を抜かれる間、私は目を瞑っていて、終了後にいざ目を開けた。すると前歯の2本が銀歯にされていたんだよね。何も聞かされていなかった。私の歯は八重歯で隠れているとはいえ笑うと目立つし、もう口を開けるのも怖くなってしまった。すぐに歯医者さんに白い歯に変えてもらうように伝えたのだけど、セラミックは大金がかかるらしい。そんなお金はもちろんなかった。

 だけどお金を稼ぐために風俗を再開したら、また菌を移されて悪化する恐れがある。だから収入は下がるけど、キャバクラで働くことを決意した。キャバならトークがメインだし、客とキスすることもない。今は、とりあえず真面目にキャバで働いて歯の治療することが目標かな。他にも虫歯がたくさんあるから、白い差し歯を入れて、思いっきり笑えるようになりたいです。

(取材/構成・篠田エレナ)

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