7日に同校が明らかにしたもので、会見には大谷晋示校長(48)と野球部・高瀬忠章監督(67)が出席。一連の経緯と相内投手の反省文を読み上げ、大谷校長と高瀬監督が陳謝した。反省文には「周りのたくさんの人の思いを裏切ってしまった。ドラフト指名されたことで満足してしまった。指名されたことによって、ホッとして気持ちがゆるんでしまいました。だんだんと野球が大好きな本来の自分を見失っていき、このような問題を起こしてしまいました。ボクは野球を取ったら何も残らない人間です」などと書かれていた。相内投手は6日に学校側から、無期限の謹慎処分を通達されている。
同校によると、相内投手は3日午後8時まで、同県君津市内の自動車教習所へ通っていた。その後、すでに免許取得済みの野球部3年の同級生と、東京スカイツリーへドライブに出かけた。その帰り道で、仮免許を取得していた相内投手は「運転を代わってくれ」と願い出た。車を所有する同級生は止めたが、制止を振り切って運転した。
首都高速湾岸線から東京アクアラインを運転し、木更津金田料金所1.5キロ手前で千葉県警の覆面パトカーにより、4日午前0時42分に摘発された。アクアラインの制限速度(80キロ)を29キロもオーバーする時速109キロで運転しており、無免許も発覚した。摘発された際、相内投手は「これでもうダメだ…」と落胆していたという。
西武と相内投手は11月15日に、契約金7000万円、年俸700万円で入団に合意しているが、正式な契約は交わしていない。事態を重く見た球団は13日の新入団発表会見に出席させないことを決め、入団手続きを凍結する方針を示した。入団取り消しの可能性について、飯田則昭専務は「今は否定できない」と発言。「無免許運転がどの程度重かったのか、いろんな情報がきちんと分かって、しっかり本人と話をした上でということになっていくと思います。本人がどう反省していってくれるのかというのが、非常に重い判断材料になると思います」と飯田専務。球団では渡辺久信監督(47)が現役時代に付けていた背番号41を与えるなど、大きな期待を寄せていただけにショックも大きい。
今ドラフトでは中日に3位指名された古本武尊外野手(22=龍谷大)が、未成年だった10年8月に、自転車の飲酒運転をSNS内の日記で告白していたことが、ドラフト直後に発覚。すでに、大学側が2年前に反省文を提出させる処分を科していたことから、球団は不問にした。
過去には09年のドラフトで、ロッテが八重山商工から3位指名した翔太内野手(21=大嶺翔太)がドラフト後の12月に居酒屋で飲酒。沖縄県警に補導され、学校から2週間の停学処分を受ける不祥事があった。この際、ロッテは仮契約を白紙に戻したが、翌10年1月に契約。年俸は仮契約時から減額されるペナルティーを科された例がある。
ただ、今回のケースは古本や翔太の飲酒程度とは次元が違う。無免許運転、スピード違反となると、事態は深刻だ。18歳の少年が起こしたこととはいえ、それ相応のペナルティーや反省する時間も必要だろう。安易に入団させるようなら、西武球団の良識が問われることになる。
(落合一郎)