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JAL社員Y君の憂い

 遂に上場廃止により、株主にも責任を負わすことになりそうな日本航空だが、前回小社WEBでもお伝えしたとおりになりつつある。同社は法的整理に入った後は企業再生支援機構により、支援を申し出ている米国航空会社からの出資を断わることになる。来週にも会社更生法の適用を申請、今後は法的整理を活用して再生を目指すことになる。

 JALグループでマーシャリング(航空機の誘導)をしているY君は今年で入社3年目だ。新卒で入社した2007年、冬のボーナスが60万円だったことは大学時代の同級生から大いに羨ましがられた。そのときはこのままこの会社にいれば5年くらいで勤務地の空港近くに家を買おうと簡単に思っていた。次の年、2008年冬のボーナスはなんと80万円だった。Y君の夢はかかり現実味をおびて大きくなっていった。そして、去年のボーナスはなんと0円だった。ゼロ、である。何も無い。
 「ああ、家どころか、車さえ買わなくて良かった〜」と屈託も無く話してくれたが、実際にY君は独身で、現在片道1時間20分をかけて親元から会社まで通っているため大したダメージはない。しかし、Y君の会社の同僚は殆どが昨年の12月以降毎日が地獄であるそうだ。
 「来月そうそうにも家を売る先輩社員がいるんですよ」そりゃ、そうだ。殆どの日本のサラリーマンはボーナスがもらえることが常識化しているため、車や家のローンをボーナスから支払うことを前提でそれらを購入している。しかし、そのボーナスがなくなった。
 「この間も昨年完全撤退した福島空港にたまたまJALのチャーター機が到着するんで、その一機のためだけにマーシャリングに行ったんですよ。休日であるのにも関わらず出勤させられて、たったの交通費だけ支給されて日当は全く支払われませんでした。JALってそこまで追い詰められてるんだって再認識しました」と話してくれた。そしてY君は転職を決意したそうだ。

 しかも会社更生法が適用されれば、グループ内で10,000人以上といわれる人員整理、または給料の大幅見直しでJALグループの社員たちはここから更なる困難が始まるようだ。

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