子供に付けた名前で、魅流姫偉(みるきぃ)、という名前があるそうだ。浜松の女総長か。(謎のツッコミ)
ネーミングのセンスは仕方ないにしても、度を過ぎたもの=いわゆるDQNネーム、には、親が一方通行の期待を子供に押し付けている点で大変な問題があるのではないか。
…とかいいたいところなのだが、この名前を、美留希依(みるきぃ)ちゃんや、美瑠綺(みるきぃ)ちゃん、と変換すると、前者はなんとなくほんわかと可愛らしい気がしてしまうし、 後者は耽美派な感じも醸す。
いずれにせよ、あたしは「エラい」という漢字が消えるだけでも、族車にハコ乗りしているようなイメージは消えるから不思議だ。
さらに、(みるきぃ、みるきぃ…)と唱え続けてほしい。
だんだん普通に感じてきて、場合によっては自分の子供につけちゃってもいいかな、なんて気がしてきた人も多いはずだ。
というわけで、いま実感していただいたこの精神状態を、マタニティ・ブルーならぬ《マタニティ・ハイ》と呼ぶ人もいる。
都内の区役所の戸籍担当者は、こう指摘する。
「はい、人ごとではありませんよ。《名付け本》と呼ばれる本があり、はっきり言って珍しい名前のオンパレードです。それを参考にしていると真面目な人でも発想が飛躍して、負けじと珍しい名前を考える。架空の例えですが、美しい日の雲で、と美日雲(びいうん)とかね。子供のためと思っているからこそ、誰にでもありうることなのかもしれません」
美しい日の雲という、他人にわかりやすい由来自体も、けっこう恥ずかしそうだ。
「いろいろな名前があってもいいと思いますが、大事なものだからこそ、凝りすぎない、ことも大事ですよ」(同)
ということである。
ところで最近、「ゆあ! ゆあ!」と子供に叫んでいるお母さんが多くないか。どういう字を書くんだろうな、と気になることがある。なんとなくだが、『吾』ではないだろうなあ…と思う。
この調子なら、「ぱりす! ぱりす!」と怒鳴っているお母さんに会える日も、きっとそんなに遠くはなさそうだ。