−−初主演の意気込みは
塩野瑛久:ボク舞台の出演が2回目なんですけれども。初夏ぐらいですかね? この舞台出演が決まったと聞かされたのは。同時に原作本(奥田英朗『純平、考え直せ』=光文社文庫刊)も渡されたんですが、そのなかで、主人公の「純平」をやれると聞いてうれしかったです。純平は21歳のチンピラという役柄なんですが、今まではどちらかというと無口だったり、感情を表に出して表現するというのが少ない、割とクールな役が多かったんですけれども、今回は違う役柄ということで楽しみです。
−−原作の主人公・21歳と同年代だ
塩野:どこかで21歳の若者らしい未熟な部分というか、まだ“アオイ”部分がボクにもあって、心境的には役に入りやすいです。
−−上演まであと数日で舞台稽古も佳境だ。役作りで難しいことは
塩野:うーん…そんなにはないですね。ただ、(主演なので)出ずっぱりだったりと初めての経験が多い以外は(どのお芝居に比べて)難しいというのはありません。
−−役作りに苦労しないのは、去年から1年間「獣電戦隊キョウリュウジャー」でレギュラーをやっていたから?
塩野:キョウリュウグリーンの立風館(りっぷうかん)ソウジ役を1年間やらせていただいた経験は確かに役立っていると思いますね。
−−キョウリュウジャーでもクールな役?
塩野:そうですね。その作品のなかでどんどん成長していくという役でした。戦隊モノのなかでも、なかなか“成長キャラ”はいないらしくて、すごく自分自身もシンクロできたというか。ボクも本格的な演技は初めてで、1年間やっていくなかで成長させていただいた部分もありました。
−−その経験が、今回の舞台に役立っている?
塩野:はい。大勢の人前に出るという“免疫”みたいなものはついたんじゃないかな。
−−舞台でココを観てほしいという点は
塩野:演出の森岡さんが、映画も撮ってらっしゃるので、あまり舞台舞台したものにはなっていません。大げさな動きや説明セリフなどを極力なくしていくのが、森岡さんのやり方なので。その中でボクがどれだけ演技できるかというのが課題ですね。どちらかというとリアルに近い感じで。
−−等身大の演技になる
塩野:そうですね。「純平は純平としてそこにいる」という感じで、ボク自身、等身大の演技になります。今までの舞台の概念とはちょっと違う演技になるかな。実は、最初の稽古では“舞台っぽい”演技をしたんですけど、森岡さんから「それはいらない! 全部捨ててくれ」と言われて(笑)。そこを捨てきったところでボクが純平としてどう立っているかが見たいと言われながら作り上げた「純平」を見ていただければ。
−−この現場を通じて、演技はうまくなった?
塩野:舞台ではよくあることだと思うのですが、本番一週間前にセリフ変更とかいろいろな不確定な事を体験できるのはいい経験だと。
−−舞台はナマモノだ
塩野:そうですよね! たった2日の稽古でセリフ覚えて代役をやりきった宮沢りえさんって、やっぱり女優魂スゴイじゃないですか。まあ、そこまでの経験はまだないですけど(笑)。ちょっとしたトラブルも、いい意味でプラスにとらえて対応力をつけていければ!
切れ長の目元が凛々しい塩野。JUNONスーパーボーイコンテストから芸能界入りしただけあって当然ながらイケメンなのだが、それだけじゃない“等身大の自分”というものを舞台で見せることに気負いはないようだ。この舞台を通してもうひとまわり大きな役者になるに違いない。
舞台「純平、考え直せ」は、直木賞作家・奥田英朗氏の人気原作『純平、考え直せ』(光文社文庫刊)を、森岡利行氏の脚本・演出で初舞台化したもの。新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者の21歳・坂本純平は、オンナの扱いは苦手だが、困っている人をほうっておけない性格。そんな純平がヤクザの組長から受けた指令は鉄砲玉。携帯サイトでは「純平」のスレッドが立ち“祭り”状態に。襲撃決行までの3日間、さまざまな出会いと別れのすえに純平が選ぶ運命は?−−というストーリー。28日より全5公演で各公演ともチケットは残りわずか。また、28日には14時から公開ゲネプロを実施! こちらも一般チケットが発売されている。詳細は「STRAYDOG」公式サイトへ。
■舞台「純平、考え直せ」
期間:2014/11/28(金) 〜 2014/11/30(日)
会場:紀伊國屋ホール
タイムテーブル:
11月28日(金)19時
11月29日(土)14時/19時
11月30日(日)13時/17時
※公開ゲネプロ(28日14時)
■「STRAYDOG」公式サイト http://www.straydog.info/stage/junpei_2014.html