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菊花賞 ひと夏越して成長著しいブレイクランアウトが本領発揮

 牡馬3冠クラシックの最終戦「第70回菊花賞」(JpnI、京都芝3000メートル、25日)が今週のメーン。ダービー馬ロジユニヴァースが不在、皐月賞馬アンライバルドも神戸新聞杯で4着に敗れ混戦ムードが漂うなか、一発に虎視たんたんなのがブレイクランアウトだ。秋初戦の朝日CCでは昨年の皐月賞馬キャプテントゥーレのクビ差2着と好走し、ひと夏を越して成長著しいところを証明。久々を叩かれ、状態もさらにアップしている。

 古馬相手だった朝日CCで2着と好走したブレイクランアウト。
 1番人気に推されたNHKマイルCで9着、続くダービーも15着と、春は不本意な結果に終わったが、昨暮れの朝日杯FSでは0秒1差3着した素質馬。3カ月半の休み明けで昨年の皐月賞馬キャプテントゥーレにクビ差の接戦を演じたことで、改めて一級品の能力を証明してみせた。
 その前走は収穫が大きかったと陣営はいう。ひとつは距離に対する融通性が確認できたこと。「スタートから出していって、ポジションを取りにいった。負けはしたけど、最後まで伸びていたし、これなら距離はもつよ」と手綱を取った藤田騎手が言えば、「GI馬相手にいいレースができたのは自信になったし、春より精神面で成長して折り合いに進境を見せてくれたのは何より。今なら三千も克服できる」と斎藤助手もきっぱりだ。

 もうひとつは、大一番の前に関西圏への長距離輸送を経験できたこと。「プラス体重になるかと思っていたが、予想以上に減っていた。でも、今回はそれを教訓にしてやれたからね。同じくらいの体でいけるはずだよ」
 1週前の追い切りは15日、ダートコースで行われた。ラーナック(古馬500万)との併せ馬で6F83秒9→66秒1→50秒9→37秒4→12秒0(一杯)をマークし、直線の追い比べではあっさり4馬身先着した。
 「ムキになることもなく、終始、リラックスして走っていたね。折り合いがついていたし、馬体が合ってからハミを取ってグンと伸びてくれた。反応、息の入りとも良かった」と斎藤助手は仕上がりの良さを強調していた。
 TR組が人気を集めているが、2002年のファストタテヤマ(16番人気)が札幌記念13着→菊花賞2着、04年のオペラシチー(6番人気)が朝日CC7着→菊3着、2007年のアルナスライン(6番人気)が京都大賞典3着→菊2着と好走しており、古馬との対戦が大きな糧になることは証明済み。今年はこの馬が台風の目になる。

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