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キャバ嬢が生まれる瞬間(9)〜親の借金を返すためにキャバクラ嬢になった女〜

 牧野玲奈(仮名・25歳)

 私がキャバクラで働き始めたキッカケは単純に親の借金。母親は何年も前に家を出て行き、それからは父親と祖母の3人暮らし。私も成人したら出て行こうと思ってたけど祖母をこのまま残しておけないから、一緒に住んでいる。父親は酒に溺れたり、暴力を振るうようなことは一切ないけれど、ろくに働かず、いつも家で寝ているような人。おばあちゃんと私で必死に仕事をするよう今まで何度も説得したけどまったく効果がない。

 キャバ嬢になる前は、仕方なく普通のバイトを掛け持ちしたりしてギリギリの日々を送ってた。そんな中で求人誌で見かけたキャバクラでの1日体験。本気で腰を据えて働くつもりなんてなかったんだけど、何度か体入するうちに、スタッフや環境的にも落ち着ける場所が見つかってキャバ嬢としてやっていくことに。

 私にはキャバクラを始める前から、結婚を考えている恋人がいた。彼には家庭の事情も話していたし、やむを得ぬ理由で水商売の世界で働くことも理解してくれていた。キャバは最初、お金稼ぎのための仕事って割り切っていたはずなのに、働いてると段々自分の人格や思考が変わっていくんだよね。だってお客さんから食べたこともない高級料理にいつも連れて行ってもらったり、高級なプレゼントだって貰えちゃう。そんな環境にいると、世界は私のために回ってる! ってのは言いすぎだけど、バカみたいに強気になってた。当時、彼のことが好きだったはずなのに、心配してかけてくれる言葉のすべてが耳障りに聞こえて、反発を繰り返す日々。当然ながら彼は私から離れていった。それで彼がいなくなってから初めて、ちょっと自分が浮世離れしてきていることに気付いたんだよね。そこで少し反省もした。

 今後、親の借金を返した後も、この仕事は続けるつもり。でも何の目標も持たずにお金のためだけにダラダラ働くのは避けたいって思う。大切なのは今後、自分が何をしたいか。ちゃんと目標を決めないと、また夜の世界に心を全部持っていかれそうになるから…。

 お金を貯めたら何をしよう。例えば事業を始めるとか、お店を持つとか? 何ができるかなんてまだ全然わからないけど、夢を見つけて今後もキャバ嬢としてがんばりたい。もしも何かお店を始めたら、私が返した借金分くらいはグータラ親父を引っ張り出してでも、手伝ってもらわないとね。

(取材・構成/篠田エレナ)

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