この犯行を計画したとして、強盗傷害などの罪に問われた清掃業・小沢秀人(42)、トラック運転手・藤澤千秋(41)、自動車販売業・亀治中博之(41)の3被告の裁判員裁判が4月12日から東京地裁立川支部で始まった。
被告ら3人は強盗については認めたが、「まさか実行犯が凶器を持っているとは思わなかった」「実行犯が暴力を振るったり、被害者に怪我をさせるとは思っていなかった」などと述べ、傷害については否認した。
冒頭陳述によれば、事件のキッカケは、小沢被告の知り合いである栗原崇被告(42=強盗傷害罪などで起訴)からの「タタキ(強盗)ができる警備会社がある。億単位のカネがあり、窓が壊れている。警備員は抵抗しないように教育されている。金庫の暗証番号はわかっているが、内通者がいることがバレないように、警備員を脅して番号を聞き出してほしい」との情報提供からだった。小沢被告は、藤沢被告や亀治中被告と連絡を取り、実行役に目星をつけ強盗を依頼したという。
公判では、実行役の一人、渡辺豊被告が証人出廷し、怯えた声でこう述べた。
「今回の事件については、脅されて、やった事件なんで…そういう人と顔、合わせたくないってのあったんで…ここまで聞いたらやらないといけないっていう…。家族もいるんで…」
どんどん声が小さくなり、最後は聞き取れなかったが、要するに情報を与えられ過ぎて引くに引けなくなり、「しぶしぶ引き受けた」と言い訳したかったようだ。
「もともと警備員に暴力を振るうつもりもなかったし、包丁で切りつけるつもりもなかった。包丁は脅すために用意しただけです。現場ではもみ合っただけ」とも証言していたが、実際はこの包丁で、被害者はしこたま体を刺されている。
特に左腕には大きな傷を負い、今も自由に動かせないという。
「もみ合っただけでは、こんな大けがは負わないでしょう。意図的な攻撃だったはずですが、渡辺被告が法廷で怯えていたのも事実。証人席との間には遮蔽措置が施されていましたが、傍聴席には明らかにヤクザらしき人物がいましたからね。今後の報復を恐れているようです」(傍聴した記者)
自業自得。