祭神には経津主神(ふつぬしのかみ)を祭る。この神は出雲の国譲りの際に、大国主命(おおくにぬしのみこと)の元に建御雷神(たけみかづち)と共に派遣された神であり、大国主命から国を譲り受けたと言われている。
その創建は紀元前643年と伝えられている。鹿島神宮と共に蝦夷に対する東の要所と取らえられており、平安時代の延喜式神名帳によると、当時神宮と呼ばれていたのは、伊勢神宮と鹿島神宮と、この香取神宮のみであった。
日曜の午前中に香取神宮へ訪問をした。まだ、早い時間だと言うのに、神宮の駐車場は車でほぼ満杯。おまけに観光バスも数台乗り入れており、大勢の人で賑わっていた。香取神宮には神社の参道沿いに多くの出店があり、中でも草団子が有名である。
当日は七五三の祝いで訪れた親子連れが多く眼に入った。朱色の鳥居が最初に見えてきて、参道を歩く。参道には小さな玉砂利が万遍にまかれており、靴先には砂利を踏みしめる音が心地よい。
更に参道には無数の石灯篭が立てられており、これがひとつの風景となっている。その周囲は古代からの自然に溢れており、歩くだけで森林浴にもなる気がした。また、参道の長さは今まで訪問した神社の中でも最も長いのではないだろうか。拝殿に行くまでに息が切れるほどの距離がある。
石階段の奥には朱色の総門があり、そこから更に楼門を潜る。この楼門は1700年に徳川幕府によって本殿と共に造営され、重要文化財に指定されている。
更に奥には拝殿があり、その途中に菊祭りが開催されており、沢山の菊が飾られていた。拝殿の右手には、宝物殿や神札授与所がある。宝物殿には国宝である海獣葡萄鏡が展示されている。また、左手には大正天皇が植えられた松が大きく成長し、神社の風格一層と高めている様に見えた。
パワースポットとしては、やはり格段の力があるように思われた。特に要石にはそのパワーが宿っていると言われている。この神社の御神徳としては、家内安全・農業、商業の守護・海上守護・心願成就・縁結び・安産・勝運・交通安全・災難除けなど多岐に渡る。機会があれば、是非参拝することをお勧めしたい。
(藤原真)