「大リーグのチームが日本の投手でもっとも注目し、欲しがっているのは阪神の藤川です。速球だけでピンチをしのぐピッチングは、アメリカのファンを熱狂させるでしょう」
大リーグの日本駐在スカウト氏(球団は極秘)はそう語る。
「松坂(西武→レッドソックス)よりも評価は上か?」と尋ねると、「オフコース。松坂は勝ったり負けたりの投手で、とてもエースとしての信頼は得られない。いま、レッドソックスの内部では、松坂に費やした100億円は高すぎたのではないか、と大きな問題になっていると聞く」
つまり、松坂大輔など問題ではない、との高い評価を得ているという。
事情通がそれを裏付ける。
「大リーグ複数球団の藤川への接触はもう始まっている、と関係者は話しています。日本の記者はまだ情報をつかんでいませんけどね…。西海岸のチームが特に熱心なようです。条件も破格で、びっくりする年俸、と藤川サイドは言っていますけどね」
西海岸のチームでもっとも藤川獲得に熱心なのはドジャースと言われている。ドジャースには斎藤隆という抑えがいる。昨シーズンは大活躍したことは承知の通り。それなのに、なぜ?
「ドジャースは斎藤の力に見切りをつけていますよ。ピークは昨年で、もう40歳の体力では限界がある。持って今年1年、と判断しています。フロントの中には、斎藤はシーズン中にダメになる可能性があるから、抑えの手当てをしておけ、という声もあります。つまり、来年は絶対に新しいクローザーが必要である、ということです」(ロサンゼルス在住のジャーナリスト)
実は、この方針の裏には、今シーズンからドジャースの監督に就任したトーリ監督がいる。トーリは昨年までヤンキース監督として一時代を築いた人物として知られる。
トーリもドジャースも日本選手の力を高く評価している。
「トーリはヤンキース時代、松井秀喜を使って日本選手の優秀さをよく知っている。監督批判はしないし、上司に忠実である、とね。ドジャースも野茂以来、それは知っている。トーリは松井秀から藤川のことを聞いていたようです。松井秀の言うことなら、と信じてドジャースにアドバイスしたようです」(大リーグ通)
だからこそ、「年俸100億円でも獲得しろ」という命令がスカウトに出されたのだろう。藤川は大リーグから見ると、非常に攻撃的なマウンドで、大リーグのファンがもっとも好むタイプである。しかもストレート一本やりで打ち取るスタイルは客を呼べるという。
「アメリカ人は西部劇が大好き。それはどんどん向かっていくからで、藤川はそれとダブるようです。確かに藤川にカウボーイハットをかぶらせたら似合いますよ」(阪神担当記者)
大リーグのどの球団が藤川獲りを実現するか分からないが、北京五輪後あたりから動きが始まりそうで、目が離せない。