チームを率いる守護神・川口能活も精彩を欠いている。1月下旬の11年アジア杯予選・バーレーン戦(マナマ)直前に右ふくらはぎを負傷し、代表から離脱。懸命のリハビリでJリーグ開幕には間に合ったが、G大阪戦ではレアンドロのミドルシュートをファンブルするなど、どうもミスが目立つのだ。
1998年フランス、2002年日韓、06年ドイツと3度のW杯に挑んだ男も今年34歳。ベテランの域に達した。もともと抜群の瞬発力と集中力、シュートへの鋭い反応、フィードの正確さなどを特徴としていたが、すべての面で精度が落ちてきている。
それを印象づけたのが昨年3月の10年南アW杯3次予選・バーレーン戦(マナマ)。岡田ジャパンが初黒星を喫したこの試合で、川口は相手の動きにつられてシュート処理を誤った。「パンチするのか、タッチして逃げるのか、うまく判断できなかった。自分の力不足です」と反省するも、失点場面に不満を持った指揮官は、次から楢崎正剛(名古屋)に交代。これが響いたのか、Jリーグでもピリッとしない。磐田を低迷から救い出せなかった。
それでも、昨季終盤には楢崎の負傷もあり代表レギュラーに復帰。磐田もJ1残留し、新たな気持ちで今年を迎えたはずだった。だが、代表ではケガ、磐田では2試合10失点と苦しいスタートを強いられた。西川周作(大分)ら若いGKも育ってきており、このままでは10年南アW杯出場も難しいかもしれない。
とはいえ、GKの選手寿命は長い。ファンデルサール(マンU)のように35歳を超えても世界トップレベルで戦う選手も少なくない。川口にも豊富な経験を駆使して、苦境を打開してほしい。