前走の阪神JFでは、思いも寄らぬ後方待機の競馬を強いられたイナズマアマリリス。
手ごろな5番枠を引いたものの、スタート時に外から一斉に他馬が内へと殺到し、後方に下げざるを得ない展開となった。デビュー以来、控えても中団から競馬をしてきた同馬にとっては初めての追い込み策。それでも、直線では持ち前の勝負根性を見せて5着と掲示板を確保した。
吉田助手もこの内容には、満足げな表情を浮かべる。「スタート時に前をカットされて好位置を取れなかったが、よくラストは詰めてきている。負けたけど、この馬の底力を十分に感じさせてくれるレースだった」
前走後はすぐにこのフェアリーSへと目標を定めた。1週前追いとなった3日の坂路では、古馬オープンのタイキマドレーヌと併せられ、堂々の1馬身先着。800メートル55秒3(強め)をマークした。
「転厩初戦だった2走前あたりに比べると、ずいぶんと馬自身も落ち着きが出てきたからね。状態は今回も引き続きいいよ」と吉田助手は笑顔を見せた。
デキの良さに加えて、今回はブエナビスタ、ダノンベルベールなど阪神JFの上位組が不在。実績的にもここで足踏みしているようでは、クラシックうんぬんなどとはいっていられない。
「牝馬にしては珍しく負けん気の強さがある。それを生かすためにも今回は先行策で挑みたい。ファンタジーSのように直線でもうひと伸びするような根性を発揮できれば楽しみだね」
鞍上もファンタジーSで手綱を取った相性のいい池添騎手を配し、陣営は盤石の布陣を敷いてきた。クラシックの最有力候補・ブエナビスタを追撃するためにも、今年一発目の重賞でヒロインの座は譲れない。