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プロキオンS バンブーエール世界の走り見せる

 砂の世界は夏も熱い。ダートの短距離巧者が集まった「第14回プロキオンS」(GIII、阪神ダ1400メートル、12日)。主役を務めるのはドバイ・ゴールデンシャヒーンでも4着と大健闘したバンブーエールだ。帰国初戦となった前走のさきたま杯でも2着と底力を発揮。入念に乗り込まれ、上昇気配のうかがえるここはまず負けられない戦いとなった。

 もう負けるわけにいかない。世界標準のポテンシャルを見せたバンブーエールが、巻き返しに躍起だ。
 「この中間は、栗東でじっくり調整できた。手探りだった前走とは違う。それにもともと夏場に調子を上げる馬だからね」と安達調教師は静かな口調に自信をにじませた。
 浦和で行われた前走のさきたま杯。世界からダートのスピードランナーが顔をそろえたドバイ・ゴールデンシャヒーンで4着に大健闘した後、帰国初戦だった。

 結果は2着。常に接戦を繰り広げるライバルのスマートファルコンにはあと一歩及ばなかったものの、その走りに師は手応えを感じていた。
 「ドバイのレースから2カ月しかなくて、正直調整は難しかった。しかもスマートより1キロ重い59キロを背負っていたんだから、負けたけどよく走ってくれたと思う」
 海外遠征の後は、時差や気候など環境の変化に戸惑い、長く調子を崩す馬も多い。そんななか見せたエールの踏ん張りは底力の証しだ。
 中間はここを目標に張りのある馬体を誇示している。1日に栗東Bコースで行われた1週前追い切りでは6F83秒5→66秒3→51秒6→38秒1→11秒0。終い重点とはいえ、実に鋭い末脚だった。
 「『いい動きだった』と乗り手も言ってくれた。以前はヒザを骨折して再起が危ぶまれたり、ツメが弱くてエクイロックスに頼ったりもしたけど、今はもう普通の蹄鉄でまったく問題ない。丈夫になったし、だからこそ、これだけしっかり調教できるんだ」
 師は力強くうなずいた。秋にはJBCスプリント連覇という大仕事が待っている。その前に、大好きな夏を思い切り駆け抜ける。

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